月曜日の朝から、胸が締め付けられるような展開に涙が止まりませんでした。
朝ドラ「風、薫る」第71話は、私たちの心に深い傷痕を残すと同時に、看護という仕事の崇高さを問い直すエピソードになりましたね。
一人の庭師が命を懸けてついた嘘と、それに寄り添ったヒロイン・りんの決断を、一人のドラマファンとして徹底的に深掘りしていきたいと思います。
風、薫る(朝ドラ)71話までの振り返り
■運命の選択を迫られた前回・第70話のあらすじ
物語が大きく動いたのは、第14週「ウソと誠」の後半でした。
末期の胃がんで余命わずか1週間と宣告された患者の山本辰治さんは、どうしても家に帰りたいとりんに懇願しました。
そこには、毎年8月の花火の日に妻のテイさんと牛鍋を食べるという、夫婦の何にも代えがたい大切な約束があったのです。
しかし、テイさん自身も発熱で倒れて見舞いに来られない状況にあり、山本さんの容体は目に見えて悪化していました。
今井医師からは外出は命の保証がないと告げられていましたが、山本さんは自分の身体に嘘をついてでも、妻の自責の念を晴らすために帰宅を望みました。
りんがひぐらしの声の中で15秒間悩み抜き、看護婦としての「禁忌」を破って人力車を走らせたラストシーンは、今見返しても震えるような覚悟が伝わってきます。
風、薫る(朝ドラ)71話ネタバレあらすじ
■第71話ストーリー詳細:花火の下で交わされた最期の嘘
第71話の幕開けは、夜の闇を抜けて自宅にたどり着いた山本とりんの姿から始まりました。
そこには布団に伏せる妻のテイさんが待っており、山本さんは崩れ落ちそうになる身体を必死に支えながら、彼女の前に座り込みます。
山本さんはそこで、あまりにも切ない「優しい嘘」をつきました。
「牛鍋が食べたくて出てきた、手術をして本当によかった、お前のおかげだ」と、自分の死期を悟りながらも、手術を勧めたことを悔やむ妻を励ましたのです。
その姿を側で見守るりんも、彼の思いを汲み取って必死に話を合わせ、夫婦の最期の時間を守り抜きました。
夜が明ける頃、山本さんはテイさんに「またな」と告げ、再び病院へ戻ることを決意します。
しかし、病院の廊下にたどり着いたところで山本さんは力尽き、駆けつけた直美とりんの前で「助けて……」とか細い声を残して息を引き取りました。
駆けつけたテイさんは山本の亡骸に触れ、「バカだよ、大馬鹿者の大ホラ吹きだよ」と泣き崩れるのでした。
風、薫る(朝ドラ)71話ネタバレ感想
■嘘つき男が遺した真実の愛:第71話の個人的な感想
月曜日の朝からこれほどまでに過酷で、それでいて美しい物語を見せられるとは思いませんでした。
山本さんというキャラクターは、これまで何度も周囲を困らせる嘘をついてきましたが、最期についた最大の嘘が、最愛の妻への最大の誠実さだったという皮肉に涙が枯れるほど泣きました。
本田大輔さんの、痛みと戦いながらも妻の前でだけは見せる穏やかな表情の演技は、まさに圧巻の一言に尽きます。
一方で、りんが看護婦としての規律を破ってまで山本さんに協力したことについては、視聴者の間でも議論が分かれるところでしょう。
「寝ていてもいいから一日でも長く生きていてほしかった」と願うテイさんの言葉を聞くと、りんの行動が正しかったのか、誰にも正解は出せないのかもしれません。
しかし、あの瞬間のりんには、山本さんの魂を救うという使命が、医学的な安静よりも重く感じられたのだと思います。
「一ノ瀬さんもつけるんだな、嘘」という山本さんの言葉は、真実を告げることだけが誠実ではないと知った、りんの新しい看護観の始まりを予感させますね。
風、薫る(朝ドラ)71話からどうなる?
■院長から下される冷徹な命令?次回72話の考察と展望
さて、ここから気になるのは、山本さんを亡くしたりんが直面する現実です。
第72話の予告では、山本の死に深く落ち込むりんに対し、院長の多田重太郎が「通常通り勤務するように」と冷徹にも聞こえる命令を下すようです。
一見すると突き放しているようですが、これは医療従事者として「一人の患者の死に引きずられず、次の命を救う」ための厳しい教育ではないでしょうか。
多田院長役の筒井道隆さんの、感情を抑えた淡々とした演技の中にこそ、プロとしての愛情が隠されているような気がしてなりません。
また、直美がりんの様子を深く心配している姿も描かれており、これまでは直美のピンチをりんが助けることが多かったバディの関係性が、今回は逆転しそうですね。
さらには、第15週のタイトル「差し出せぬ手」や、娘の環が放つ「お母さん、看護婦辞めちゃうの?」というセリフも、不穏な空気を醸し出しています。
この一件が責任問題に発展し、りんがこれまで築き上げてきたトレインドナースとしての立場を危うくする可能性は非常に高いと言えるでしょう。
まとめ
■明治の風が運ぶ、看護の真髄についてのまとめ
今回のエピソードは、単なる患者の死を超えて、「命の長さ」と「命の質」のどちらを優先すべきかという、現代にも通じる深いテーマを突きつけました。
山本さんが命を懸けて守りたかった妻の笑顔と、それを支えたりんの嘘は、決して「賤業」などではない、人間としての気高い行為だったと確信しています。
規則を守ることが看護なのか、それとも患者の心に寄り添うことが看護なのか、その答えをりんと直美の二人はこれから探し続けていくのでしょう。
これからは病院実習も本格化し、さらに厳しい現実が彼女たちを待ち受けているはずです。
しかし、この痛みを乗り越えた先にある「一ノ瀬りん」の成長を、私たちは最後まで見届けなければなりません。
明日からの放送も、ハンカチを握りしめてテレビの前で正座して待機したいと思います。
