アニメ映画「FLOW」はセリフのない世界で、動物たちの感情と成長を繊細に描き出す、革新的なアニメーション映画!
洪水に呑まれつつある世界を舞台に、猫と動物たちの絆を描いた、美しくも切ない物語ですが、日本ではどこで見れる?

FLOW(アニメ映画)評価は?
『Flow』は、ラトビア出身のギンツ・ジルバロディス監督による長編アニメーション映画です。
洪水にのまれた世界を舞台に、一匹の猫が様々な動物たちと出会い、友情を育みながら困難を乗り越えていく物語。
セリフを一切使わず、映像と音楽だけでストーリーを語るという、非常に挑戦的な作品です。
この映画の何がすごいのか。それは、言葉がなくても、観る者の心に深く響くということ。
動物たちの表情や仕草、そして美しい映像を通して、喜び、悲しみ、不安、希望といった感情がダイレクトに伝わってくるんです。
まるで、自分の心の中を覗き見られているかのような、不思議な感覚になります。
海外の映画評論家からも絶賛の声が相次いでいます。
例えば、ニューヨーク・タイムズのカルム・マーシュ氏は、「動物たちが動物らしく行動することで、彼らの冒険に本物のようなリアリティが生まれ、喜びと危険の瞬間が、より感動的なものになっている」と評価。
また、AP通信のジェイク・コイル氏は、『Flow』を2024年で最も優れたアニメーション映画と評し、「コンピューターで生成されたアニメーションが、夢のような、奇妙なほどリアルなシュールレアリスムを加えている」と述べています。
特に注目すべきは、動物たちの動きのリアルさです。
監督は、猫や犬など、実際に飼っているペットをモデルにしたそうで、その観察眼には脱帽します。
猫好きの私としては、猫の仕草一つ一つに「そうそう、猫ってこういう動きするんだよね!」と共感してしまいました。
また、カピバラやヘビクイワシといった、珍しい動物が登場するのも魅力的。彼らの個性的な動きを見ているだけでも、心が癒されます。
そして、音楽もこの映画の大きな魅力の一つ。監督自身が作曲を手がけており、映像と一体となって、観る者の感情を揺さぶります。
特に、洪水のシーンでは、不安を掻き立てるような不協和音が効果的に使われており、ハラハラドキドキしました。
もちろん、個人的な感想としては、ストーリーは少しシンプルすぎるかな、と感じる部分もありました。
ただ、映像美と音楽、そして動物たちの愛らしさに、そんな不満も吹き飛んでしまいました。疲れた時や心がささくれ立っている時に観ると、心が優しくなれる、そんな映画です。
アカデミー賞受賞:アニメーション映画の歴史に新たな1ページ
『Flow』は、第97回アカデミー賞で長編アニメーション映画賞を受賞しました。
これは、ラトビアの作品として初の快挙であり、アニメーション映画の歴史に新たな1ページを刻んだと言えるでしょう。
アカデミー賞といえば、世界最高峰の映画の祭典。そこで、名だたるビッグタイトルを抑えての受賞ですから、その価値は計り知れません。
『インサイド・ヘッド2』や『モアナと伝説の海2』といった、ディズニーやピクサーの作品と並んでノミネートされていたこと自体、異例のこと。
低予算で制作されたインディペンデント作品が、巨大なスタジオが手がけた大作を打ち破った、という点も注目すべきポイント。
この映画の制作費は約6億円。これは、ハリウッドのアニメーション映画の平均制作費の数十分の一に過ぎません。
オープンソースのソフトウェア「Blender」をメインに使って制作されたことも、話題になりました。高価な専用ソフトを使わなくても、素晴らしい作品が作れる、ということを証明したんです。
これは、多くのクリエイターにとって大きな励みになったはずです。
監督のギンツ・ジルバロディス氏は、30歳という若さでアカデミー賞を受賞。その才能と情熱には、ただただ感服するばかりです。
彼は、アニメーターとしてだけでなく、監督、脚本家、音楽家としても才能を発揮する、マルチなクリエイター。今後の活躍がますます楽しみです。
アカデミー賞受賞は、『Flow』にとって大きな転機となるでしょう。世界中で上映される機会が増え、より多くの人に感動を届けることができるはずです。
また、ラトビアの映画業界にとっても、大きな刺激となるでしょう。若い才能が育ち、新たな作品が生まれることを期待しています。
FLOW(アニメ映画)どこで見れる?
『Flow』は、2025年3月14日から日本で全国ロードショーされます。ミニシアター系の映画館を中心に、全国各地で上映される予定です。
主要都市では、
- 東京:TOHOシネマズ日比谷、TOHOシネマズ新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷、吉祥寺オデヲン
- 神奈川:TOHOシネマズ上大岡、横浜ブルク13、TOHOシネマズ川崎
- 大阪:TOHOシネマズ梅田、TOHOシネマズなんば
- 愛知:ミッドランドスクエア シネマ
- 京都:TOHOシネマズ二条
などでの上映が決定しています。
また、地方都市でも、
- 北海道:TOHOシネマズ すすきの、シネプレックス旭川
- 宮城:TOHOシネマズ仙台
- 静岡:静岡東宝会館
- 福岡:TOHOシネマズららぽーと福岡
など、数多くの映画館で上映される予定です。
詳しい上映スケジュールや上映時間は、各映画館の公式サイトや映画情報サイトで確認してくださいね。

せっかくなので、ぜひ映画館の大スクリーンで『Flow』を体験してみてください。美しい映像と迫力のある音楽に包まれて、言葉では言い表せない感動を味わえるはずです。
映画館で観ることで、他の観客との一体感も生まれます。同じシーンで笑ったり、涙したりする感動を共有することで、より深く作品を理解できるかもしれません。
お友達やご家族と一緒に観に行くのもオススメです。映画を観終わった後に、感想を語り合うのも楽しいですよね。
この映画をきっかけに、新しい発見や感動が生まれるかもしれません。ぜひ、劇場に足を運んで、自分だけの『Flow』を見つけてみてください。
「Away」の再上映:原点に触れる貴重な機会
なお、ギンツ・ジルバロディス監督の長編デビュー作『Away』の再上映が決定しています。
最新作『Flow』の公開初日と同じ、2025年3月14日から、東京・新宿武蔵野館ほか全国のスクリーンで上映されます。
『Away』は、飛行機事故で島に不時着した少年が、黒い影から逃れて、オートバイで島を旅する物語。セリフが一切ない、実験的な作品です。
2019年のアヌシー国際アニメーション映画祭では、新設された実験性・革新性の高い長編作品を対象とするコントルシャン賞で、初代グランプリに輝きました。
私は、『Away』を以前に鑑賞したことがありますが、言葉がなくても、少年の感情や物語が伝わってくる、素晴らしい作品でした。
映像美はもちろんのこと、音楽も印象的で、観る者を物語の世界に引き込みます。
再上映されることで、最新作『Flow』と合わせて、監督の原点に触れることができる、貴重な機会となります。
2作品を見比べることで、監督の作風やテーマ、表現方法の変化や進化をより深く理解できるはずです。
ジルバロディス監督は、「『Away』は私にとって非常に個人的な映画なので、世界中の観客に本作が届けられたことを知って、私はとても恐縮しつつ興奮しています。私に多大な刺激を与えてくれた、ここ日本で再上映されることを本当にうれしく思います」とコメントしています。
『Away』は、3DCGアニメーションを独学で習得したジルバロディス監督が、1人で制作した作品です。
監督は、制作において、技術的な完成度を追求しすぎるよりも、プロジェクトを最後までやり遂げることに重きを置いてきたそうです。
キャラクターに影をつけなかったり、複雑なカメラワークを採用したりと、技術的な制約を逆手に取った表現方法は、観る者に新鮮な驚きを与えてくれます。
『Away』は、ジルバロディス監督の才能が開花した原点とも言える作品です。
最新作『Flow』と合わせて、ぜひ、劇場で体験してみてください。新たな発見や感動がきっとあるはずです。
FLOW(アニメ映画)監督はギンツ・ジルバロディス
『Flow』の監督は、ラトビア出身のギンツ・ジルバロディス(Gints Zilbalodis)さん。
1994年生まれという若さで、映像作家、アニメーター、作曲家としてマルチな才能を発揮しているクリエイターです。
彼の作品の特徴は、何と言ってもその映像美と、言葉に頼らない表現方法。
セリフがなくても、キャラクターの感情や物語が観る者に伝わる、独特の世界観を作り上げています。
ジルバロディス監督は、幼い頃から映画制作に興味を持ち、10代の頃から短編映画の制作に取り組んでいたそうです。
手書きアニメーション、3Dアニメーション、実写など、様々な表現形式で7本の短編映画を手掛けてきました。
3DCGアニメーションを独学で習得し、1人で、監督・脚本・制作・音楽のすべてを手がけた長編デビュー作『Away』で、世界から注目を集めました。
『Flow』は、長編2作目となる作品です。
ジルバロディス監督は、『Flow』について、「この作品は、とても個人的なストーリーでもあります。かつての作品では全て1人で手掛けていた私が、本作では主人公の猫のように、チームを組み協力すること、仲間を信頼すること、違いを乗り越えることを学びました」と語っています。
私が特に素晴らしいと思うのは、監督が常に新しいことに挑戦し、進化し続けていること。
1人で映画を制作していた頃から、チームでの制作にチャレンジしたり、新しい技術を取り入れたりと、常に、より良い作品を創り出すために努力を惜しまない姿勢に、感銘を受けます。
また、日本のアニメにも影響を受けているそうで、宮崎駿監督を尊敬する映画人の1人として挙げています。予測不能なストーリー展開や、制作過程で物語を発展させていくという制作スタイルに、共感を覚えるそうです。
『Flow』の制作には、5年半もの歳月を費やしたそうです。
無料でオープンソースのソフトウェア「Blender」を使用して、アニメーションを制作。低予算ながら、クオリティの高い映像を実現しています。
監督は、物語を伝えるために、様々な工夫を凝らしています。
セリフを一切使わない代わりに、動物たちの表情や仕草、背景の描写、音楽などに力を注ぎ込みました。
例えば、主人公の猫は、恐怖や不安を抱えながらも、成長していく姿が描かれています。
水を怖がっていた猫が、仲間との出会いを通して、少しずつ、水への恐怖を克服していく様子は、観る者に勇気を与えてくれます。
また、洪水という自然の脅威も、物語の重要な要素となっています。人間がいなくなった世界で、動物たちが自然と共存しながら生きていく姿は、私たち人間に、環境問題や共生について考えさせるきっかけを与えてくれます。
ジルバロディス監督の才能と情熱が詰まった『Flow』は、観る者の心に深く刻まれる、素晴らしい作品です。
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