ドラマ「相棒」という長い歴史の中で、僕たちファンの心に深く刻まれている伝説のゲストキャラといえば、やはり高橋克実さんが演じる「マーロウ矢木」こと矢木明を外すことはできませんよね。
一見すると冴えない中年探偵に見えるのに、実は杉下右京さんさえも一目置くほどの鋭い洞察力を持ったキレ者だなんて、男のロマンが詰まりすぎていて本当に格好いいキャラクターです。
今回は、2023年に奇跡の再々登場を果たして日本中を沸かせた彼について、初登場から最新エピソードまで、その魅力をたっぷりと語り尽くしていきたいと思います。
相棒ネタバレwiki|矢木明(マーロウ矢木)は高橋克実!
■レイモンド・チャンドラーに憧れる「マーロウ矢木」の正体とは?
西日暮里に構えた「チャンドラー探偵社」を一人で切り盛りする矢木明は、アメリカのハードボイルド小説家レイモンド・チャンドラーの生みの親である名探偵「フィリップ・マーロウ」をこよなく愛する探偵マニアです。
彼のトレードマークであるトレンチコートと中折れ帽は、まさにその憧れを形にしたもので、バーボンやギムレットを愛飲するその姿は、どこまでも古風なハードボイルド派を気取っています。
普段は「たぬき親父」なんて呼ばれるほど飄々としていて、お金に困っているようなお調子者のフリをしていますが、実は「依頼人との約束は命懸けで守る」という熱い信念の持ち主でもあります。
僕が特に好きなのは、彼が持つ「昼行灯を装ったキレ者」としての空気感で、独自のネットワークを使って写真一枚からわずか数日でターゲットを探し出してしまう実力には、いつも驚かされてしまいます。
高橋克実さんのコミカルさとシリアスさが同居した演技は、まさにこの役にぴったりで、シリーズの名脇役として定着しているのも頷けますよね。
相棒ネタバレ|矢木明(マーロウ矢木)のシーズン5/10話「名探偵登場」
■シーズン5 第10話「名探偵登場」:すべてはここから始まった!
矢木が初めて僕たちの前に現れたのは、2006年12月13日に放送されたシーズン5の第10話でした。
物語は、ある美大生が刺殺された事件から始まり、被害者の周辺を嗅ぎ回る謎のコート男として矢木がマークされることになります。
当初は二流の胡散臭い探偵だと思われていた矢木ですが、実は暴力団組長の愛人から「壁画を描いた男を探してほしい」という依頼を受け、独自に調査を進めていたんです。
女子高生やホームレスといった意外な人脈を駆使して三橋という若者に辿り着くその手法は、右京さんをも唸らせるほど的確なものでした。
捜査の途中で暴漢に襲われ、たまきさんの「花の里」で手当てを受けるシーンがありましたが、怪我をしてもなお「ハードボイルドな展開だ」と喜ぶ彼を見て、僕は一瞬でファンになってしまいました。
結局、彼が居場所を特定したせいで三橋が殺されてしまったという悲しい事実に、矢木自身が深く苦悩する姿には、仕事人としての責任感の強さが滲み出ていて胸が熱くなりました。
最後、右京さんが彼に向けて放った「Mr.マーロウ、ロング・グッドバイ」という別れの挨拶は、まさにシリーズ屈指の名シーンだと言えるでしょう。
相棒ネタバレ|矢木明(マーロウ矢木)のシーズン10/11話「名探偵再登場」
■シーズン10 第11話「名探偵再登場」:神戸尊との絶妙な掛け合いに注目
前回の登場から約5年後の2012年1月11日、ファン待望の再登場となったのがシーズン10の第11話です。
今度の事件は大手探偵社の社長が殺害されるというもので、矢木はその被害者の元妻のアリバイを証言する人物として登場します。
右京さんの相棒が神戸尊(及川光博さん)に変わっていましたが、矢木は神戸くんのことを「タケちゃん」と呼んで翻弄し、特命係の部屋で勝手にタバコを吸うなど、相変わらずのマイペースぶりを発揮していました。
神戸くんをリードしながら調査を進める姿は、どこか頼もしい先輩探偵のようでもあり、二人のデコボコなコンビネーションは見ていて本当に楽しかったです。
このエピソードで印象的だったのは、「探偵は時に真実を胸にしまっておけるが、刑事は隠せない」という矢木の言葉です。
警察組織の枠にはまらない探偵だからこそできる「正義」の形を、彼は静かに提示してくれたような気がします。
事件解決後、右京さんも加わって3人でお酒を飲みながら推理を戦わせるシーンは、まさにファンサービス満点の至福の時間でした。
相棒ネタバレ|矢木明(マーロウ矢木)のシーズン22(6話)「名探偵と眠り姫」
■シーズン22 第6話「名探偵と眠り姫」:亀山薫と17年ぶりの奇跡の再会
そして12年の沈黙を破り、2023年11月22日に放送されたシーズン22の第6話で、矢木は三度目の降臨を果たしました。
亀山薫(寺脇康文さん)とは、なんと初登場以来17年ぶりの再会ということで、放送前からSNSでも「おかえりマーロウ!」と大きな話題になっていましたよね。
今回の舞台は、17年前に起きた「眠り姫誘拐事件」の真相を巡る物語で、成長した令嬢・里紗を矢木がホテルから連れ出すという衝撃的な場面からスタートします。
かつて右京さんが出した「挑戦状」に弱いことを知っている里紗が、矢木を通じて特命係を頼るという展開は、過去のエピソードを知るファンにとって堪らない演出でした。
特命係の追跡を鮮やかに撒いたり、襲撃されて帽子の中に重要なメモを隠したりと、矢木の探偵としてのテクニックは全く衰えていませんでした。
「優秀な刑事と優秀な探偵は、惹かれ合う運命にある」と語る矢木と、右京さん、薫ちゃんの3人が肩を並べて歩くラストシーンは、まさに時が止まったかのような安定感がありました。
僕個人としては、彼が考案したという揚げ物ばかりの「ハードボイルド定食」を、いつかどこかの定食屋で再現して食べてみたいと密かに思っています。
相棒ネタバレ|矢木明(マーロウ矢木)のトリビア
■撮影秘話とオマージュ:2006年から続く「あのコート」の秘密
マーロウ矢木というキャラクターがここまで愛されるのは、細部にまでこだわり抜かれた設定があるからこそです。
実はシーズン22で矢木が着用していたトレンチコートは、なんと2006年の初登場時に使われていたものと同じ衣装が奇跡的に保管されていたものだったんです。
高橋克実さん自身も「昔のままの空気感で演じたい」と過去作を見返して撮影に臨んだそうで、衣装からも役への深い愛情が伝わってきますよね。
帽子のつばの角度一つとっても、初登場時に故・長谷部安春監督から徹底的に指導を受けたそうで、あの独特のクールな雰囲気はその時に形作られたものなんです。
また、劇中ではチャンドラーの小説『プレイバック』の名台詞「タフでなければ生きていけない。優しくなければ生きている資格がない」を引用するなど、随所にハードボイルドへの敬意が散りばめられています。
こうした徹底的なこだわりが、単なるゲストキャラを超えた「名探偵」としてのリアリティを矢木に与えているのだと感じます。
まとめ
■愛すべき「名探偵」の次なる再々再登場を願って
初登場から17年という歳月が流れても、全く変わらない「ハードボイルドな大人の色気」を見せてくれたマーロウ矢木。
杉下右京という孤高の天才に唯一対抗できる「探偵」という存在は、この作品において本当に貴重なスパイスになっています。
シーズン22の放送後、SNSでは早くも4度目の登場を熱望する声が溢れていましたが、僕も彼と特命係の「美しい友情」がこれからも続いていくことを信じて疑いません。
もし次に彼が現れるとしたら、次はどんな「ハードボイルドな展開」が待ち受けているのか、今から楽しみで夜も眠れません。
名探偵マーロウ矢木、またいつかそのクールで優しい姿を、特命係の部屋や「こてまり」で見せてくれる日を楽しみに待ちたいと思います。
