2026年2月21日の土曜日、都立高校入試という大きな壁に立ち向かった全ての受験生の皆さんに、まずは心からの「お疲れ様」を贈りたいと思います.
張り詰めた緊張感の中で自分を信じてペンを動かし続けた時間は、結果がどうあれ君たちのこれからの人生において何物にも代えがたい財産になるはずです.
試験が終わった今、自己採点の結果に一喜一憂している人も多いでしょうが、まずは温かいご飯を食べてゆっくりと体を休めてくださいね.
東京都立高校入試2026概要
■2026年度入試の全体像
今年の都立高校一般入試は全日制の受検者数が35,310人となり、受検倍率は1.16倍という数字で幕を閉じました.
前年度の倍率と比較すると0.04ポイントほど下がっており、数字だけを見れば全体的に少しだけ広き門になったという印象を受けるかもしれません.
普通科に限ってみても倍率は1.24倍で、昨年の1.26倍からわずかに緩和されていますが、それでもやはり人気の高い学校では厳しい戦いが繰り広げられたことに変わりはありません.
特に日比谷高校の1.66倍や西高校の1.29倍といった進学指導重点校の数字を見ると、トップ層の熱量は今年も非常に高かったことが伺えます.
東京都立高校入試|平均点の推移
■過去の平均点の歩み
ここ数年の都立入試の共通問題における平均点の推移を振り返ってみると、実は興味深い傾向が見えてくるんです.
昨年度、つまり2025年度の5教科合計平均点は318.2点でしたが、これは2024年度の326.8点という近年稀に見る高水準から少し落ち着いた形でした.
さらに遡ると2022年度は299.5点、コロナ禍の影響が色濃かった2021年度は282.3点と、一時期は300点を割り込むほど難易度が高かった時期もありました.
しかし2023年度からは316.2点と再び300点台に乗せてきており、近年の都立入試は「300点台前半から中盤」が一つの目安になっていると言えます.
こうした背景を踏まえて今年の試験問題を見ていくと、昨今の思考力を重視する流れがより鮮明になってきたように感じます.
| 年度(入試年) | 国語 | 数学 | 英語 | 社会 | 理科 | 合計(500点満点) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 令和7(2025) | 75.0 | 60.4 | 63.7 | 59.9 | 59.2 | 318.2 |
| 令和6(2024) | 75.9 | 61.7 | 66.9 | 55.5 | 66.8 | 326.8(近年最高水準) |
| 令和5(2023) | 80.8 | 57.6 | 62.8 | 55.6 | 59.4 | 316.2 |
| 令和4(2022) | 68.8 | 59.0 | 61.1 | 49.2 | 61.4 | 299.5 |
| 令和3(2021) | 72.5 | 53.3 | 54.1 | 54.6 | 47.8 | 282.3(コロナ影響大) |
| 令和2(2020) | 81.1 | 61.1 | 54.7 | 57.0 | 53.4 | 307.3 |
| 平成31(2019) | 71.0 | 62.3 | 54.4 | 42.7 | 67.1 | 307.5 |
東京都立高校入試2026|国語の講評
■国語の講評と哲学の壁
国語に関しては、全体的な難易度は例年並みか、人によっては論説文の内容で少し苦戦したかもしれません.
漢字の読み書きは例年通り一点一画を正確に書くことが求められる標準的なレベルでしたが、「遵守」や「熟した」といった語句で迷った受験生もいたようです.
小説文は小川洋子さんの『長すぎた幕間』から出題され、小学生の視点で描かれた読みやすい物語だったため、ここでリズムに乗れた人は多かったのではないでしょうか.
ただ、大問4の納富信留さんによる『対話の技法』は、哲学的な視点から「対話」を捉えるという非常に抽象度の高い内容でした.
「対話」という言葉が何度も繰り返される中で文脈を見失わずに読み解く力が必要とされ、ここで得点差が開いた可能性が高いと僕は見ています.
東京都立高校入試2026|数学の講評
■数学の講評とデータの罠
数学は昨年度に比べると少し解きやすくなった、いわゆる「易化」の傾向が見て取れる内容でした.
大問1の小問集合は例年通りの難度でしたが、〔問7〕のデータの活用については「累積相対度数」といった用語の意味を正確に理解していないと足元をすくわれる巧妙な作りになっていました.
大問2の証明問題や大問3の関数については、過去問演習をしっかりと積み重ねてきた人なら類題の経験を活かして最後まで書き切れたはずです.
ただ、図形の面積比を問う問題などは解法によって計算量に大きな差が出るため、時間配分のミスが合否に直結してしまったかもしれません.
個人的には、こうした「知っているかどうか」だけでなく「どう効率的に解くか」を問う今の数学の傾向は、とても今の時代らしいと感じます.
東京都立高校入試2026|英語の講評
■英語の講評と語数のプレッシャー
英語に関しては、昨今の「長文化」というトレンドがさらに加速した一年となりました.
物語文の総語数が昨年からさらに170語ほど増え、全体では3,200語という膨大な量に達したことは、受験生にとって精神的にも大きな負担だったでしょう.
リスニング問題自体の形式は2017年から変わっていませんが、読解問題での速読力がこれまで以上に重要視される形になっています.
一方で、英作文のテーマは「新しく始めたい趣味」という非常に身近で書きやすい内容だったため、ここでしっかりと得点を稼げたかどうかがポイントになります.
これだけ語数が増えると、一文一文を和訳するのではなく、英語を英語のまま理解して情報を素早く処理する力がこれからの受験生には必須になりますね.
東京都立高校入試2026|理科の講評
■理科の講評と浮力のサプライズ
今年の理科で最も受験生を驚かせたのは、間違いなく物理分野の大問で「浮力」が取り上げられたことでしょう.
2012年度に浮力が中学の学習範囲に戻って以来、都立の物理の大問でメインに据えられるのは初めてのことで、予想外の出題に戸惑った人も多かったはずです.
普段から電流や運動の単元に偏った学習をしていた人にとっては厳しい内容でしたが、基本を疎かにしていなければ対応できるレベルではありました.
他の大問では天気の湿度や人体の実験、イオンの典型問題など、例年通りの都立らしい良問が並んでいました.
情報の整理に手間がかかる問題が少なかった分、物理の浮力問題をどれだけ落ち着いて読み解けたかが高得点への分かれ道になったと言えます.
東京都立高校入試2026|社会の講評
■社会の講評と資料読み取りの精度
社会は今年も安定の「都立クオリティ」で、知識の暗記だけでは太刀打ちできない資料活用能力が存分に問われました.
地形図の読み取りや歴史の年代整序といった定番の問題が並ぶ中で、文章記述問題は与えられた条件をいかに正確に反映させるかが鍵を握っています.
世界地理では地中海性気候の雨温図を選択する問題など、基本的な知識を地図やグラフと結びつける力が試されました.
また、公民分野でのグラフ読み取りは過去の入試問題と類似した傾向があったため、過去問を徹底的にやり込んだ受験生には有利に働いたはずです.
全体的には標準的な難易度でしたが、時差や統計の読み取りなど、細かい部分での丁寧な作業が求められる内容でした.
東京都立高校入試2026難易度は難しくなった?難化?易化?
■難易度はどう変わったのか
試験直後の受験生の声を見てみると、今年は「易化した」と感じている人がかなり多いようです.
特に数学と英語において、昨年に比べて標準的で解きやすい問題が増えたことが、全体的な「簡単になった」という体感に繋がっています.
Yahoo!知恵袋などの掲示板でも「高得点が取れた」「自己採点で過去最高が出た」というポジティブな報告が目立っています.
しかし、ここで注意してほしいのは「みんなも取れている」という事実であり、易化は合格ボーダーラインの跳ね上がりを意味します.
国語の論説文や理科の浮力問題で苦戦したという声も一定数あり、科目による難易度の差が激しかったことも今年の特徴と言えるでしょう.
東京都立高校入試2026平均点の予想は?
■2026年の平均点予想
さて、気になる2026年度の平均点予想ですが、僕は5教科合計で「320点前後」になると予測しています.
昨年度の318.2点から微増し、2024年度の326.8点に迫るか、あるいはその少し手前で落ち着くというイメージです.
科目別の予想としては、国語が70点、数学が63点、英語が63点、社会が61点、理科が63点あたりが妥当なラインではないでしょうか.
数学や英語での易化傾向がプラスに働く一方で、国語の読みにくい論説文や理科の初登場の浮力が平均点を適度に抑える役割を果たしそうです.
もちろんこれはあくまで塾の自己採点に基づいた予想に過ぎませんが、大きな変動がない限りはこのレンジに収まる可能性が高いでしょう.
まとめ
■君たちの努力は消えない
運命の合格発表は2026年3月2日の月曜日、WEBでは午前8時30分から、校内掲示では午前9時30分から行われます.
今は不安で押し潰されそうな夜を過ごしている人もいるかもしれませんが、どんな結果になろうとも君が積み上げてきた勉強の時間は絶対に君を裏切りません.
もし志望校に届かなかったとしても、都立の第二次募集や定時制、通信制といった次の道は必ず開かれています.
3月2日の朝、君たちの努力が最高の形で報われ、満開の笑顔で新しい春を迎えられることを心から祈っています。
本当によく頑張ったね、胸を張って結果を待とう。
Everything will be all right if you believe in yourself.
