氷の上で再び輝く彼女の姿を見たとき、言葉にできないほど胸が熱くなりました。
かつてトリプルアクセルで世界を驚かせた女王、紀平梨花選手がアイスダンスという新しい舞台に帰ってきたのです。
故障という長いトンネルを抜け、パートナーの西山真瑚選手と共に一歩を踏み出した彼女の挑戦は、多くのスケートファンの心に希望の光を灯してくれました。
今回は、そんな「りかしん」カップルの軌跡と、彼女が転向を決意した本当の理由を、僕自身の溢れる想いと共に綴っていきたいと思います。
紀平梨花|アイスダンス後の成績
■紀平梨花アイスダンス転向後の鮮烈なデビューと演技の全貌
紀平梨花選手と西山真瑚選手による「りかしん」カップルは、2025年11月の西日本選手権で初めて競技の場に姿を現しました。
実に1043日ぶりとなる競技会への復帰でしたが、そのリンクでの輝きは以前と少しも変わっていませんでした。
リズムダンスでは陽気な『Mambo No.5』を披露し、息の合ったツイズルやステップで会場を魅了した彼らの姿は、まさに新星の誕生を感じさせるものでした。
迎えた2025年12月の全日本選手権では、リズムダンスを57.44点というスコアで3位という好位置からスタートさせています。
フリーダンスでは、壮大な『もののけ姫』の調べに乗せて、アイスダンス特有の繊細な技術を詰め込んだプログラムに挑みました。
結果としては、リフトの移行時にミスが出てしまい、フリーダンスは86.97点の4位、総合でも144.41点の4位に終わっています。
演技後に紀平選手が西山選手に対して「私が失敗してしまった」と涙を流して謝罪する場面には、僕もテレビの前で思わず涙してしまいました。
それでも、西山選手が「この2ヶ月でここまで持って来られたこと自体が奇跡」と励ます姿を見て、二人の絆の深さに心を打たれずにはいられませんでした。
得点こそ自己ベストを更新したものの、表彰台を逃した悔しさは、きっと来年への大きなエネルギーに変わるはずだと確信しています。
紀平梨花|アイスダンスなぜ転向?
■なぜシングル女王はアイスダンスへの転向を決断したのか
紀平選手がアイスダンス転向という大きな決断を下した背景には、右足の距骨疲労骨折という過酷な現実がありました。
2021年から続くこの怪我は、彼女から北京五輪出場のチャンスを奪い、その後も3年近くにわたって彼女をリンクから遠ざけました。
かつては世界を席巻したジャンプも、今の足の状態では高難度の構成を維持することが難しく、暗闇の中にいるような葛藤の日々を過ごしていたそうです。
2025年の中部選手権を欠場せざるを得なくなったとき、2026年ミラノ五輪へのシングルでの道は事実上絶たれてしまいました。
しかし、彼女はそこで諦めるのではなく、ジャンプの負担を抑えつつも自身の武器であるスケーティングスキルを活かせるアイスダンスに「新たな希望」を見出したのです。
シングルでのプライドを捨て、一から初心者の気持ちで新しいカテゴリーに挑む彼女の勇気には、一人のブロガーとして、そして一人のファンとして心からの敬意を表したいです。
「今はアイスダンスに集中したい」と語る彼女ですが、シングルへの未練を完全に断ったわけではなく、足の状態を見ながら可能性を模索する柔軟な姿勢も彼女らしいと感じます。
紀平梨花|アイスダンス西山真瑚カップル結成の理由は?
■運命が引き寄せた「りかしん」カップル結成までの物語
この素晴らしいカップルが誕生したきっかけは、練習拠点であるカナダのトロントでの偶然の会話からでした。
ちょうど西山真瑚選手も前パートナーの引退によって新たな相手を探していた時期であり、同じリンクで練習していた二人が言葉を交わす機会があったのです。
紀平選手の怪我の状況を知った西山選手が、気分転換に一緒に滑ってみないかと誘ったことが、運命を大きく動かしました。
実際に一緒に氷の上を滑ってみた二人は、驚くほど早く信頼関係を築き上げ、正式にカップルを結成することを決意したのです。
2025年9月29日に行われたオンライン会見で発表されたそのニュースは、フィギュア界に衝撃を与えましたが、二人の明るい表情が何よりの正解だと物語っていました。
紀平選手は、自分に「もう一つのスケート人生」を与えてくれた西山選手に深い感謝の気持ちをSNSでも綴っていましたね。
僕はこの二人のストーリーを知って、困難な状況にあっても誰かが差し伸べた手を取ることで、新しい道が開けるのだと教えられた気がします。
アイスダンス西山真瑚のプロフィール・経歴
■パートナー西山真瑚の華麗なるプロフィールと類まれな才能
紀平選手の新しい旅路を支える西山真瑚選手は、2002年1月24日生まれの23歳で、非常に豊かな才能を持つスケーターです。
驚くべきことに、彼の親戚にはイギリスロイヤル・バレエ団のプリンシパルである高田茜さんがおり、その芸術的な血筋は彼の演技にも色濃く反映されています。
彼は6歳からシングルを始め、2017年から拠点をカナダのクリケットクラブに移し、あの羽生結弦さんと共に練習を積んできた努力の人でもあります。
16歳のときにコーチの勧めでアイスダンスを始め、以降はシングルとアイスダンスの「二刀流」で活躍する次世代のスターとして注目を浴びてきました。
吉田唄菜選手との「うたしん」や、田中梓沙選手との「あずしん」など、多くのパートナーと共に全日本ジュニア連覇やアジア大会銅メダルといった輝かしい実績を積み上げています。
身長173cmの長い手足を活かした伸びやかなスケーティングと、パートナーの長所を最大限に引き出す誠実なリードが彼の最大の持ち味です。
紀平選手のことを「一日一日進歩している」と絶賛し、温かく見守る彼の包容力こそが、今の紀平選手には必要不可欠なものだったのでしょう。
紀平梨花のアイスダンス転向の反響
■フィギュア界に激震!「りかしん」誕生に寄せられた温かい反響
この「電撃転向」が報じられた際、SNSやメディアは祝福と驚きの声で溢れかえりました。
「どんな形であれ、リンクで滑っている梨花ちゃんが見られて嬉しい」というファンの言葉は、僕も含めたすべてのファンの本音を代弁していたように思います。
長らく怪我に苦しむ彼女を見てきただけに、全日本選手権のリンクで浮かべた彼女の満開の笑顔には、多くの人が涙を誘われました。
もちろん、シングルのトップ選手がペア競技に転向することへの戸惑いや、体格の変化について触れる声もありました。
しかし、アイスダンスに転向したことで筋力がつき、女性らしいしなやかな身体つきになった彼女のパフォーマンスは、新たな魅力を放っています。
専門家やファンからは「音取りのセンスやスケーティングの深みが抜群だ」という称賛の声も多く上がっており、彼女のポテンシャルの高さが改めて証明されました。
「コルチナの後は任せた」といった未来への期待を込めたコメントも多く、彼らの挑戦が日本のアイスダンス界に新しい風を吹き込んでいるのは間違いありません。
まとめ
■2030年の夢に向かって羽ばたく二人の未来
紀平梨花選手と西山真瑚選手による「りかしん」カップルの物語は、まだ始まったばかりです。
ミラノ五輪への道は険しいかもしれませんが、彼らはすでに2030年のフランス・アルプス五輪という大きな目標をしっかりと見据えています。
怪我という深い悲しみを乗り越え、新しいパートナーと共に「明るい未来」を見つけた紀平選手の強さに、僕たちは勇気をもらっています。
アイスダンスは熟成に時間がかかる競技ですが、この二人が持つ圧倒的な華と、お互いを思いやる心があれば、いつか必ず世界の頂点に立つ日が来ると信じています。
これからも「りかしん」が描く氷上の美しい物語を、僕たちは一番近くで、全力で応援し続けていきましょう!
最後に、彼らが奏でる美しいスケーティングは、まるで冬の静寂の中で静かに、しかし力強く咲き誇る冬牡丹のような気高さを感じさせてくれます。
