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宝島(映画)ネタバレ|最後の結末、オンちゃん・ウタは?なぜ悪石島が爆撃?

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国内ドラマ・映画

あの熱量に心を持っていかれた皆さん、どうも。

映画やドラマの考察に命を燃やす30代ブロガーです。

先日公開された映画『宝島』、あまりにも重厚で、観た後もしばらく頭から離れない方も多いのではないでしょうか。

沖縄の戦後史というシリアスなテーマ と、主人公たちの激しい生き様が交差するこの大作は、正直、3時間(191分)という長尺 の中に多くの謎と疑問を残していきましたよね。

特に、主人公たちの魂ともいえる存在、オンちゃんの行方、そして彼の「予定外の戦果」だったウタの運命、さらに突然出てきた悪石島の爆撃 など、頭の中で整理しきれない部分が多かったはずです。

ここでは、物語の核心に迫りながら、皆さんが抱える疑問を一つ一つ丁寧に掘り下げていきましょう。

この作品の持つ真のメッセージ、それがきっと見えてくるはずですよ。

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宝島(映画)ネタバレ|あらすじ

■激動の戦後沖縄を描く壮絶な物語

『宝島』の舞台は、第二次世界大戦終結後の1952年から1972年、アメリカの統治下に置かれた沖縄です。

戦果で焼け野原となり、言葉も文化も食料すらも制限されたこの地で、若者たちはただ生きるために抗っていました。

その中心にいたのが、幼なじみのグスク(妻夫木聡)、ヤマコ(広瀬すず)、レイ(窪田正孝)、そして彼らのリーダーであるオン(永山瑛太)の4人です。

オンたちは、米軍基地に忍び込み、盗み出した物資(食料や日用品など)を困窮する地元住民に分け与える「戦果アギヤー」と呼ばれ、島の英雄として希望の象徴でした。

「奪う」という行為は表向きは犯罪 ですが、当時の沖縄の人々にとっては「奪われたものを取り戻す行為」であり、彼らがいなければ飢え死にした人がもっといたかもしれないという現実があったのです。

そんな彼らが「でっかい戦果」を夢見て仕掛けた嘉手納基地への襲撃 の夜、悲劇が起こります。

米兵の銃撃を受け、オンは仲間を逃がすために一人残り、そのまま忽然と消息を絶ってしまうのです。

英雄を失った後の残された3人の人生は、まるで沖縄社会の縮図のように分かれていきます。

グスクはオンの手がかりを求めて刑事になり、米軍側の諜報員(スパイ)として働くという、複雑な立場を選びます。

オンの恋人だったヤマコは、彼と約束した教師になり、後に米軍機墜落事故 という理不尽な悲劇を経験して、本土復帰運動に身を投じる左翼活動家へと覚醒します。

そしてオンの弟レイは、兄の影を追い求め、怒りと復讐心からヤクザの道を選び、暴力的な手段で理不尽に立ち向かおうとします。

物語は、この3人がそれぞれの正義と葛藤を抱えながら、オンが消えた夜に持ち帰ったという「予定になかった戦果」の謎を追う、熱量の高いクライムサスペンスとして展開していくわけです。

宝島(映画)ネタバレ|最後の結末、オンちゃんは?

■最後の結末:オンちゃんは生還できなかった

この物語を観ていた誰もが、オンちゃんがどこかで生きている、いつか帰ってきてくれると信じていたのではないでしょうか。

私もそうでしたし、グスクやヤマコ、レイもそうだったはずです。

しかし、衝撃的な事実として、オンちゃんは基地から逃げ出した直後、すでに命を落としていました

彼が命がけで持ち帰った「予定になかった戦果」の正体こそが、後にヤマコたちの前に現れる日米ハーフの孤児、ウタだったのです。

嘉手納襲撃の日、オンは基地内の神聖な場所「御嶽(ウタキ)」のような場所 で、米軍兵士の子供を出産し、出血多量で亡くなったばかりの17歳の女性を発見します。

オンは彼女が握っていたペンダントから、米軍高官との間に生まれた子であることを察し、この赤ん坊を人身売買や米軍の証拠隠滅から守るため、自分の命に代えてでも連れ出すことを決意します。

しかし、逃走中に密貿易団クブラの謝花ジョー に捕まってしまい、オンは赤ん坊のウタを守るため、トカラの悪石島で密貿易の手伝いを強いられます。

数年間、彼はそこでウタを育てていたのですが、米軍による密貿易団の襲撃に遭い、銃撃戦の中で負傷。

なんとかウタを連れて沖縄本島の洞窟(ガマ)へたどり着いたものの、傷がひどく、そのまま力尽きて静かに永眠しました。

グスクたちがオンの死の真実を知るのは、最終盤、ウタが瀕死の状態で案内した、オンの白骨遺体を見つけた時でした。

レイが以前、悪石島の老人から受け取っていた魚の歯のネックレス が、その遺体にかかっており、それがオンの形見だったと知るのです。

この瞬間、20年間探し続けた英雄が、実は誰にも知られず島に還っていたという事実は、彼らにとってあまりにも重く、切ないものでしたね。

そしてエンドロール直前、海辺でオンの姿を見たグスクの耳に響く言葉は、「さあ、起(う)きらんね。そろそろほんとうに生きるときがきた――」という、まるで未来を託すかのような明るい声でした。

宝島(映画)ネタバレ|最後の結末、ウタは?

■希望の象徴ウタが辿った悲劇的な結末

オンちゃんが命と引き換えに守りたかった「宝」こそが、ハーフの少年ウタ(栄莉弥)でした。

ウタは、オンが亡くなった後も言葉を話せないながら懸命に生き延び、やがてヤマコたちと出会い、絆を深めていきます。

彼は、母親を奪い、自分をハーフとして孤立させたアメリカ(米軍)を強く憎んでおり、ヤクザになったレイの過激な行動に同調していきます。

物語のクライマックス、コザ暴動 が発生し、島民の怒りが爆発する中、レイは米軍基地に侵入し、盗み出したVXガス を使ってテロを起こそうとします。

グスクがレイを阻止しようと揉み合う最中、米軍に囲まれて絶体絶命となったとき、ウタはレイをかばうように前に飛び出し、米兵に銃弾を浴びてしまいます

腹部を負傷したウタ を乗せ、グスク、ヤマコ、レイは車で基地を脱出しますが、ウタは病院ではなく、意識が混濁した状態でオンの遺骨のある場所へ向かうように懇願しました。

ウタは、自分が死ぬ前に、彼らが探し求めていたオンの真実を伝えなければならない、と思ったのかもしれません。

そして、オンの白骨遺体を見届けた後、ウタもまた力尽きてしまいます。

ウタは、沖縄県民と米軍人の間に生まれた子であり、新しい時代、平和な未来の象徴だと私は感じていました。

そのウタが、レイたちの世代の争いの中で死を選び、命を落としてしまうという結末は、あまりにも悲劇的で、「先人たちが命懸けで守ろうとした沖縄(未来の希望)が失われてしまった」という、非常に重いメッセージを突きつけられたような気がして、胸が締め付けられました。

宝島(映画)ネタバレ|なぜ悪石島が爆撃?

■なぜ悪石島が爆撃されたのか?

オンちゃんがウタを連れて数年隠れ住んでいた場所として出てきた悪石島 ですが、物語の中でこの島が爆撃されたという描写が出てきます。

これはなぜなのか、疑問に思った方も多いでしょう。

実は、悪石島を含むトカラ列島は、戦後、本土と米軍統治下の沖縄の国境のような位置にあり、当時は密貿易の拠点や中継地として使われていました。

特に昭和20年代の東シナ海や瀬戸内海では、武装した海賊もいて、派手なドンパチ(銃撃戦)が繰り広げられていたという史実を背景にしています。

オンが密貿易団クブラ の手伝いをしていたのも、まさにこの密貿易ルートの拠点だったからなのです。

爆撃が起こったのは、米軍がこの密貿易団クブラを摘発し、取り締まるために襲撃したことが原因です。

原作小説(の描写)によれば、米軍が密貿易グループを襲撃した際に、ロケット弾を撃ち込んだことで、この爆撃が発生しました。

この襲撃の混乱こそが、オンちゃんがウタを連れて悪石島から離岸し、沖縄本島へ命がけで逃げざるを得なくなった直接的なきっかけだったのですね。

まとめ

『宝島』は単なるフィクションではなく、コザ騒動や宮森小学校米軍機墜落事故、毒ガス兵器貯蔵の事実(レッドハット作戦)など、史実に基づいた沖縄の痛ましい現実を背景に描かれています。

観ていて本当に辛く、日本人としてどう受け止めるべきか、深く考えさせられる作品でした。

しかし、オンがヤマコたちに託した「希望」は、ウタの死によって一旦は途絶えたように見えても、物語のラストでグスクやヤマコがオンを弔い、レイが遠くから見守る 姿には、彼らの間に新しい絆と未来への決意が芽生えたことを感じました。

沖縄の抱える問題は今も続いていますが、「なんくるないさー」が諦めではなく、心を鼓舞する言葉だった ように、この映画は私たちに、この歴史から目を背けず、未来を切り開くための強さを訴えかけているのだと私は信じています。

ぜひもう一度、この重いテーマと熱演を、劇場で体感してみてください。

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