5月の爽やかな風が吹く季節になりましたが、受験生の皆さんにとっては、全統共通テスト模試という大きな試練を乗り越えたばかりの、熱い時期でもありますね。
今回の模試を終えて、手応えを感じている人もいれば、予想以上の難しさに肩を落としている人もいるかもしれませんが、まずは一日中集中力を切らさずに挑み抜いた自分を、精一杯褒めてあげてください。
この模試は、現役生にとっては共通テスト特有の形式に本格的に触れる最初のステップであり、浪人生にとっては基礎の完成度を問う重要なマイルストーンとなるものです。
模試の結果はあくまで今の自分を映す鏡に過ぎず、ここからの行動次第で、いくらでも未来を書き換えることができるということを、私は確信しています。
この記事では、2026年5月に実施された河合塾の全統共通テスト模試について、出題範囲から復習の極意まで、皆さんが次の一歩を踏み出すための情報を徹底的に解説していきます。
河合塾共通テスト模試2026年5月|出題範囲
■出題範囲の構成
今回の模試は、2025年度から始まった新課程入試の傾向を色濃く反映した構成になっており、現役生の学習進度を考慮した範囲設定がなされています。
まず主要科目に目を向けると、英語のリーディングとリスニング、国語、そして数学Ⅰ・A、さらに注目の情報Ⅰは、基本的に全範囲からの出題となっています。
数学Ⅱ・B・Cについては、数学Ⅱは全範囲ですが、数学Bは「数列」と「統計的な推測」、数学Cは「ベクトル」と「平面上の曲線と複素数平面」が対象となり、実務的な制限が設けられていました。
理科基礎についても全範囲から2科目を選択する形式でしたが、理科の発展科目では、現役生の進度を考慮して未習範囲が除外されています。
例えば、物理では磁気や原子の分野が範囲外とされ、化学では反応速度や平衡、さらには無機や有機の一部、高分子化合物などが除かれていました。
地歴公民についても同様の配慮があり、日本史探究は室町時代まで、世界史探究は14世紀から15世紀頃までの出題に限定されるなど、これまでの基礎固めの成果を問う形になっています。
公共や倫理、政治・経済などの公民科目は、日本国憲法や民主政治、思想の基礎概念といった主要な項目が中心となっていました。
このように、第1回の模試は全範囲を網羅しつつも、科目の特性に応じて「今、身についているべき力」を正確に測れるような、絶妙な範囲設定だったと言えるでしょう。
河合塾共通テスト模試2026年5月|難易度
■各科目の難易度と体感
全体的な難易度は、河合塾の設計としては「共通テスト本番レベルから、やや易しめ」に設定されていたようです。
しかし、実際に会場でペンを動かした皆さんの体感としては、「本番よりもかなり難しく感じた」という声が圧倒的に多いのが現実です。
特に英語のリーディングは、公式には易しめでスピード勝負の出題だったとされていますが、複数の資料を組み合わせた読解に時間を奪われた受験生も少なくなかったようです。
リスニングは、後半の「1回読み」の部分で高い集中力が要求され、リーディングとの難易度差に戸惑った人もいるでしょう。
数学Ⅰ・Aは、会話文からヒントを読み解く力や計算量が求められ、時間が非常にシビアに感じられる「やや難」の設定だったと感じた人が目立ちました。
一方で数学Ⅱ・B・Cは、基本を大切にした出題であり、簡単な大問でいかに効率よく得点と時間を稼げたかが、勝敗を分ける鍵となったようです。
国語は、全体としては標準的ですが、現代文での図表や実用的な文章の読み取りが、解答時間を圧迫する大きな要因となりました。
そして、多くの人が注目していた情報Ⅰは、昨今の傾向を反映してか一気に難易度が上がり、現役生の間で最も点数差が出やすい「難しめ」の科目となっていました。
地歴公民などの科目は、知識問題が比較的シンプルで解きやすかったものの、資料読解に重きを置いた本番を意識した作りになっていました。
結局のところ、第1回の模試は「浪人生には有利に働きやすく、現役生には時間切れの壁が立ちはだかる」という、この時期特有の様相を呈していたと言えます。
河合塾共通テスト模試2026年5月|受験生の感想
■受験生のリアルな声
模試を終えた直後の皆さんの声を聞くと、何よりも「時間が足りなかった」という切実な感想が、英語や数学、国語の全般で見受けられます。
特に数学Ⅰ・Aでは、誘導に乗るコツを掴みきれず、最初の問題で躓いてしまったことに心を痛めている人が多いようです。
「今まで勉強してきたのに、思うように結果が出なかった」と、自己嫌悪に陥ったり、志望校との距離に絶望したりしている声も届いています。
しかし、安心してください、今の時期に4割や5割の得点率であっても、そこから死に物狂いで努力して合格を掴み取った先輩たちは、五万といます。
また、地歴科目の範囲が限定されていたことで、そこだけはなんとか踏みとどまれたという現役生もいれば、新科目の情報の難しさに、これからの対策を不安視する声もありました。
数学が壊滅的で、計算スペースの狭さにまで戸惑いを感じたという具体的な悩みは、まさに共通テスト模試に初めて本気で挑んだ人ならではの、価値ある「気付き」です。
判定の結果に一喜一憂し、E判定にショックを受けて泣きそうになっている人もいるかもしれませんが、模試は今の弱点をあぶり出すための、最高に贅沢な「健康診断」だと考えてみませんか。
皆さんの悔しさは、合格を掴むための強いエネルギーに変わりますし、失敗は今このタイミングで経験できて、本当にラッキーだったのです。
河合塾共通テスト模試2026年5月|復習・今後の対策
■模試後の復習と黄金ステップ
模試の終了後に何をするかで、皆さんの成績が夏以降にどれだけ伸びるかが、残酷なほど決まってしまいます。
まず鉄則として、模試を受けたその日のうちに、遅くとも翌日までには、必ず自己採点を完了させてください。
記憶が鮮明なうちに、自分の選んだ答えの根拠が正しかったのか、それとも勘だったのかを振り返ることが、復習の第一歩となります。
次に、間違えた問題を「時間があれば解けたのか」それとも「時間があっても今の実力では解けなかったのか」の2種類に分類しましょう。
前者の「時間があれば解けた問題」こそが、短期間で点数を上げられる最大の「伸びしろ」であり、最優先で復習すべき対象です。
解き直しをする際は、すぐに解答を見るのではなく、教科書や参考書を片手に、もう一度自力で答えを導き出す努力をしてみてください。
自力で解こうとする過程で「何が足りなかったのか」を明確にすることが、思考のプロセスを強化することに繋がります。
復習には「復習ノート」を活用することをお勧めしますが、これは単に解答を写す作業ではなく、二度と同じミスをしないための「自分だけの最強の参考書」を作り上げる作業です。
間違えた原因が知識不足なのか、計算ミスなのか、それとも問題文の読み間違いなのかを分析して、具体的に言葉で記録しておきましょう。
数学や理科であれば、どの公式を使い、どこで発想が止まったのかを明確にし、英語であれば語彙が足りなかったのか、構造が取れていなかったのかを特定します。
そして一度復習して理解した問題も、2週間から1ヶ月後に、何も見ずに解けるかどうかを必ず再チェックしてください。
忘れた頃にもう一度解くことで、短期記憶を長期記憶へと定着させ、本番で使える確かな力へと昇華させることができるのです。
まとめ
■模試の価値を最大化する戦略
模試の結果で最も注目すべきは、偏差値や判定といった表面的な数字ではなく、正答率が高いのに自分が落としてしまった問題です。
全国の受験生の70%以上が正解している問題を間違えているなら、そこには深刻な基礎の欠落があると考え、教科書レベルまで戻って徹底的に固める必要があります。
逆に、正答率が極端に低い難問は、今の段階では後回しにしても合否に大きな影響はありません。
受験は限られた時間の中で合格点を奪い取る競技ですから、優先順位を明確にして、「取れるべきところで確実に取る」訓練を積むことが最優先です。
模試の復習を通して見つかった弱点分野については、今後の学習スケジュールを柔軟に修正し、重点的に時間を割り当てるようにしてください。
例えば日本史が壊滅的だったのであれば、用語の暗記だけでなく、時代の流れや因果関係を整理する時間を増やすなどの工夫が必要です。
また、模試当日の時間配分や、集中力がどこで切れたかといった「本番の立ち回り」についての反省も、ノートに刻んでおきましょう。
昼食に何を食べて眠くなったか、どの教科で疲労がピークに達したかといった身体的な経験も、本番を戦い抜くための貴重なデータになります。
皆さんが今回模試で流した悔し涙や、感じた焦りは、志望校合格への地図を描くための、何物にも代えがたいインクになるはずです。
今はまだ5月、この模試で見つかった穴を夏休みまでに一つずつ埋めていけば、憧れのキャンパスへの道は必ず拓かれます。
自分を信じて、今日からまた机に向かう皆さんの背中を、私は心から応援しています。
