聖なる夜に、あんなに残酷で、それでいて美しい物語が待っているなんて、誰が予想できたでしょうか。
史上初の2夜連続放送という、まさにSASUKEファンへの最高のクリスマスプレゼントとなった第43回大会は、かつてない波乱と感動の渦に巻き込まれました。
1stステージのクリア者がわずか12名という、近年稀に見る「絶望」から始まったこの大会の結末を、僕と一緒に振り返っていきましょう。
サスケ2025|2ndステージのルール
■地獄の門を潜り抜けた者だけが挑む2ndステージのルール
1stステージという巨大な門番を突破した猛者たちを待ち受けていたのは、パワーとスピード、そして正確な技術が求められる「鋼鉄の廃墟」です。
このステージには95秒という厳しい制限時間が設けられており、女性挑戦者の場合は110秒の猶予が与えられています。
エリアは全部で8つあり、まずは平衡感覚を奪いにくるローリングログから始まり、腕力とタイミングが鍵を握るサーモンラダーの上り4段と下り3段が続きます。
その先には壁に手足を突っ張って進むスパイダーランと、落下の衝撃に耐えるスパイダードロップが待ち構えており、息をつく暇もありません。
さらに、SASUKE史上初の着水が認められた逆流プールを泳ぐバックストリーム、そして陸の逆流と呼ばれるリバースコンベアーが、挑戦者の体力を根こそぎ奪っていきます。
最後は、30kgから50kgまでの3枚の重い壁を持ち上げてくぐるウォールリフティングを突破し、ゴールボタンを押さなければなりません。
今回、雨の影響で史上初めて「昼間」の明るい時間帯に収録が行われたことも、挑戦者たちの感覚に大きな影響を与えたことでしょう。
サスケ2025|2ndステージの結果・クリア者
■圧倒的な突破率!2ndステージをクリアした10名の戦士たち
1stステージのクリア者が少なかった分、2ndステージに残った顔ぶれはまさに精鋭中の精鋭で、12名中10名がクリアというハイレベルな戦いになりました。
まず会場を沸かせたのは、高校1年生の長野塊王くんで、過去に苦しんだローリングログを克服し、1.02秒残しという劇的なクリアで最年少3rd進出記録を塗り替えました。
続いて、同じく高校生の中島結太くんが、前回からの成長を証明するような圧巻の動きで21.73秒という最速タイムを叩き出したシーンには震えましたね。
愛媛銀行の宮岡良丞さんは安定感抜群のプレーで3大会連続の3rd進出を決め、まさに「怪物の風格」を漂わせていました。
海外勢からも、イギリスのティム・チャンピオン、アメリカのジョシュ・レヴィン、ダニエル・ギル、そしてオーストラリアのアシュリン・ハーバートが次々とクリアを重ねました。
ベテラン勢では、40代唯一の生き残りとなった川口朋広さんが意地を見せ、山田軍団【黒虎】の山本良幸さんも悲願の完全制覇へ向けて力強く歩みを進めました。
そして最後は、絶対王者・森本裕介さんが9.10秒を残して貫禄のクリアを果たし、10名のファイナリスト候補が揃ったのです。
サスケ2025|3rdステージのルール
■上腕を破壊する絶望の迷宮!3rdステージの凶悪なルール
3rdステージは、もはや人間の限界を超えた「腕力と指先の地獄」であり、ここには合計の制限時間という概念が存在しません。
各エリアの間に設けられた短い休憩時間だけを頼りに、6つの難関を一つずつ攻略していく必要があります。
スタートはバーを飛ばして進むフライングバー、続いて垂直のポールに飛び移るサイドワインダーですが、今回は1本目と3本目が回転する仕様に変更されていました。
さらに新エリアのスイングエッジ改は、最後地点に厚さ1cmのアクリル板が追加され、サイドを掴む「逃げ」が許されない極限の設定になっています。
そこを越えても、わずか3cmの突起に指をかけるクリフディメンション、そして自重で回転する極小の突起を渡るバーティカルリミット.BURSTが立ちはだかります。
最後の仕上げは、お馴染みのパイプスライダーでゴール地点へ飛び移る、まさに「上腕破壊神」と呼ぶにふさわしい構成です。
サスケ2025|3rdステージの結果・クリア者
■唯一無二の存在へ!3rdステージを突破した「最後の一人」
10名が挑んだこの3rdステージでしたが、魔城の壁はあまりにも高く、次々と有力選手たちが奈落の底へ消えていきました。
期待された高校生コンビの塊王くんと結太くん、さらには前回ファイナリストの宮岡さんまでもが、強化されたスイングエッジ改の餌食となったのです。
海外の英雄たち、ティム、ジョシュ、アシュリン、ダニエルも健闘しましたが、クリフディメンションなどの難所で無念のリタイアを喫しました。
かつてのファイナリスト川口さんはフライングバーで、黒虎の山本さんはクリフディメンションで夢が潰えるという、まさに地獄絵図のような展開でした。
しかし、そんな絶望的な状況で最後に登場したのが、完全制覇のサスケくんこと森本裕介さんです。
彼は因縁のバーティカルリミット.BURSTを4度目の挑戦でついに攻略し、咆哮とともにファイナルステージへの切符をただ一人掴み取りました。
サスケ2025|finalステージのルール
■鋼鉄の頂を目指す最終決戦!FINALステージのルール
いよいよ最後、地上25.5メートルにそびえ立つ「鋼鉄の頂」を目指すファイナルステージの幕が上がります。
ここには45秒という極めて短い制限時間があり、一瞬の迷いや停滞が即リタイアに直結する過酷な世界です。
まずは、手足の突起を頼りに垂直の壁を駆け上がる8.5メートルのスピードクライミングを瞬時に終わらせなければなりません。
次に待ち受けるのは、2ndステージとは比べ物にならないほど重厚で過酷な、7メートルのサーモンラダー15段です。
これら二つの難関を突破した後、最後に待っているのは10メートルの綱登りという、あまりにシンプルで、それゆえに最も残酷な最終エリアです。
サスケ2025|finalステージの結果・クリア者、サスケくん(森本裕介)は?
■届かなかった1秒の重み!FINALステージの結果
今回、このFINALの舞台に立ったのは、史上最多6度目の到達を果たした森本裕介さんただ一人でした。
本番2週間前にぎっくり腰を患うという満身創痍の状態で、彼はスピードクライミングを約7秒で登り切り、サーモンラダーもノーミスで突破しました。
残り時間14秒という、完全制覇の可能性が十分にある状態で最後の10メートル綱登りに挑んだ彼の姿には、誰もが勝利を確信したはずです。
しかし、無情にもタイマーの数字は0.00を刻み、ボタンに手が届いた瞬間にタイムアップのブザーが緑山に響き渡りました。
わずか、あと約1秒。
完全制覇者なしという結果にはなりましたが、限界を超えて戦い抜いた彼の姿は、間違いなく今大会の、そしてSASUKEの歴史における「伝説」となりました。
サスケ2025|2025年の全出場者結果一覧表(国内100名、ゼッケン順)
■2025年SASUKE(第43回大会)国内100名全出場者結果一覧
ここでは、第1夜を彩った国内の挑戦者たちの結果をゼッケン順に振り返っていきましょう。
1 兎(ロングコートダディ):新プリズムシーソー脱落
2 鳥澤 克秀:新プリズムシーソー脱落
3 渡部 雄斗:新プリズムシーソー脱落
4 真藤 遼麻:新プリズムシーソー脱落
5 青谷 悠平:新プリズムシーソー脱落
6 三津家 貴也:新プリズムシーソー脱落
7 エース(バッテリィズ):新プリズムシーソー脱落
8 加藤 辰幸:新プリズムシーソー脱落
9 HARUKA:新プリズムシーソー脱落
10 ハシヤスメ・アツコ:新プリズムシーソー脱落
11 ゆめぽて:新プリズムシーソー脱落
12 塩﨑 太智:新プリズムシーソー脱落
13 富吉 伸之祐:新プリズムシーソー脱落
14 大澤 佑太:ローリングヒル脱落
15 中内 篤:新プリズムシーソー脱落
16 吉廣 空:新プリズムシーソー脱落
17 かちょー(リアルピース):フィッシュボーンリバース脱落
18 藤崎 匠生:新プリズムシーソー脱落
19 山田 海輝:新プリズムシーソー脱落
20 野田クリスタル:スクリュードライバー脱落
21 青木マッチョ:フィッシュボーンリバース脱落
22 佐々木 憂流迦:スクリュードライバー脱落
23 セイギ:新プリズムシーソー脱落
24 立入 友明:新プリズムシーソー脱落
25 奥田 倫也:DX脱落
26 山本 伊吹:新プリズムシーソー脱落
27 日下部 翔大:ローリングヒル脱落
28 山下 裕太:DX脱落
29 HIKAKIN:新プリズムシーソー脱落
30 チャンソン:ローリングヒル脱落
31 沖谷 光博:新プリズムシーソー脱落
32 大槻 拓也:ローリングヒル脱落
33 後藤 匠希:フィッシュボーンリバース脱落
34 谷本 寛太:新プリズムシーソー脱落
35 馬渕 広夢:DX脱落
36 中川 貴晴:そり立つ壁(タイムアウト)脱落
37 千原 由理奈:フィッシュボーンリバース脱落
38 上谷 沙弥:新プリズムシーソー脱落
39 えなこ:新プリズムシーソー脱落
40 岩本 理瑚:DX脱落
41 結城 りな:ローリングヒル脱落
42 渡邊 麻衣:ドラゴングライダー脱落
43 水野 裕子:ローリングヒル脱落
44 梶原 颯:ドラゴングライダー脱落
45 トクサン:スクリュードライバー脱落
46 ユンギ:ローリングヒル脱落
47 長野 塊王:3rdステージ スイングエッジ改脱落
48 中島 結太:3rdステージ スイングエッジ改脱落
49 宇賀田 恒:ローリングヒル脱落
50 ボるとマン:ドラゴングライダー脱落
51 松尾 駿:新プリズムシーソー脱落
52 長田 庄平:ローリングヒル脱落
53 芝田 斗和:ドラゴングライダー脱落
54 安留 大夢:新プリズムシーソー脱落
55 田中 凛空:DX脱落
56 司馬 侑徳:新プリズムシーソー脱落
57 石井(さや香):スクリュードライバー脱落
58 高野 正成:新プリズムシーソー脱落
59 上原 崚:DX脱落
60 千葉 翔也:ローリングヒル脱落
61 伊藤 圭吾:新プリズムシーソー脱落
62 菅田 琳寧:DX脱落
63 ドンジュン:DX脱落
64 稲付 蓮斗:フィッシュボーンリバース脱落
65 外村 響:フィッシュボーンリバース脱落
66 杉谷 拳士:DX脱落
67 森 唯斗:新プリズムシーソー脱落
68 角田 夏実:フィッシュボーンリバース脱落
69 内宮 修造:新プリズムシーソー脱落
70 菅野 仁志:フィッシュボーンリバース脱落
71 長崎 峻侑:新プリズムシーソー脱落
72 濱田 崇裕:ドラゴングライダー脱落
73 鈴木 祐輔:そり立つ壁(タイムアウト)脱落
74 荒木 直之:ローリングヒル脱落
75 佐藤 惇:そり立つ壁(タイムアウト)脱落
76 又地 諒:ドラゴングライダー脱落
77 喜矢武 豊:ドラゴングライダー脱落
78 武藤 智広:そり立つ壁(タイムアウト)脱落
79 多田 竜也:そり立つ壁(タイムアウト)脱落
80 山本 桂太朗:2ndステージ ローリングログ脱落
81 塚田 僚一:そり立つ壁(タイムアウト)脱落
82 日置 将士:そり立つ壁(タイムアウト)脱落
83 才藤 歩夢:DX脱落
84 大嶋 あやの:DX脱落
85 木村 絢斗:新プリズムシーソー脱落
86 西岡 隆成:フィッシュボーンリバース脱落
87 岡澤 セオン:フィッシュボーンリバース脱落
88 岩本 照:欠場
89 宮岡 良丞:3rdステージ スイングエッジ改脱落
90 文田 健一郎:フィッシュボーンリバース脱落
91 漆原 裕治(※ソース誤記。正しくは漆原はNo.99):ドラゴングライダー脱落
92 ジェイソン・ポール:ローリングヒル脱落
93 白鳥 文平:フィッシュボーンリバース脱落(※93番の結果)
94 山本 進悟:ドラゴングライダー脱落
95 山田 勝己:そり立つ壁(タイムアウト)脱落
96 川口 朋広:3rdステージ フライングバー脱落
97 山本 良幸:3rdステージ クリフディメンション脱落
98 長野 誠:ドラゴングライダー脱落
99 漆原 裕治:ドラゴングライダー脱落
100 森本 裕介:FINALステージ 綱登り(タイムアウト)脱落
サスケ2025|感想
■SNSも騒然!視聴者の熱い感想と反響
放送終了後、SNSは森本さんの「あと1秒」に対する悲鳴と称賛で溢れかえりました。
X(旧Twitter)では「サスケくん」がトレンド1位に輝き、「完全制覇でいいじゃん、あの頑張りなら」「感動をありがとう」といった声が数多く寄せられたのが印象的です。
また、1stステージから続出した有力選手のリタイアに対しては、「難易度が上がりすぎている」という意見や、悪天候の中での健闘を讃える声が目立ちました。
特に、長野誠さんの息子である塊王くんの活躍には、「DNAの凄さを感じた」と未来への期待を膨らませるファンも多かったようです。
一方で、森本さんが新婚の奥様に向けた感謝の言葉には、多くの視聴者が涙し、SASUKEが単なる競技ではなく、一人の男の生き様を描いたドラマであることを再認識させられました。
まとめ
■伝説は次なるステージへ
2025年のSASUKEは、あと一歩で完全制覇を逃すという、あまりにもドラマチックな結末で幕を閉じました。
1stステージのクリア者が激減し、誰もが絶望する中で道を切り拓いた7人の精鋭と、世界の猛者たちの戦いは、僕たちに大きな勇気を与えてくれましたね。
森本裕介さんという絶対王者が、それでもまだ頂上に届かないというこの「魔城」の深さが、また僕たちを熱くさせてくれるのです。
今回の悔しさを胸に、彼らが再び1年後にパワーアップして帰ってくることを信じて、僕たちも応援し続けましょう。
SASUKEという挑戦は、終わることのない情熱の連鎖なのです。
