毎朝の楽しみである「風、薫る」ですが、今週も怒涛の展開から目が離せませんね。
今回は、胸が締め付けられるような再会と、近代看護の過渡期における苦闘が描かれた第114話について、じっくりと語り合いたいと思います。
女性が生きていくことの難しさや、看護という仕事の尊さについて、改めて深く考えさせられる素晴らしい回でした。
風、薫る(朝ドラ)114話までの振り返り
■嵐の前の不穏な影:第114話までの道のりを振り返る
日清戦争が終わり、時が明治32年に移り変わりましたね。
主人公であるりんの愛する娘、環ちゃんも、今ではすっかり大きくなって女学校に通うお姉さんになりました。
しかし、穏やかな時の流れの裏では、文明化のグラデーションとともに新たな社会問題が頭をもたげていたのです。
それが、資格を持たない女性たちを安く雇い、劣悪なサービスを提供する悪質な「派出看護婦会」の乱立でした。
直美やりんが大切に築き上げてきた看護への信頼が、営利目的の業者によって脅かされるという、非常に悔しい事態です。
そんな中、直美は行政の力を借りようと、内務省衛生局の柳生さんのもとを訪ねていました。
そして、その悪質な派出看護ビジネスの元締めが、なんとあの寛太だったという衝撃の事実が明らかになったところで、物語は前回から引き継がれたのです。
風、薫る(朝ドラ)114話ネタバレあらすじ
■看護の本質と哀しき再会:第114話のストーリー
寛太が営む派出看護婦会の事務所へと、その実態を暴くためにりんと直美の二人は再び足を踏み入れました。
お金儲けのためだけに、何の専門教育も受けていない女性たちを現場に送り出す寛太のやり方に、二人は強い危機感を抱いていたのです。
しかし、薄暗い事務所の奥で二人が目にしたのは、予想だにしない人物の姿でした。
それは、かつて心中未遂事件を起こして帝都医大病院へと運び込まれ、直美たちが親身になって看病した、元女郎の夕凪ことセツさんだったのです。
セツさんは、学もなく、身寄りもない女性が一人で生きていくための唯一の手段として、寛太に拾われ、ここで働かざるを得ない状況にありました。
劣悪な環境のなかで、まともな知識もないまま行われている医療行為もどきを前にして、りんと直美は激しい衝撃を受けます。
「看護は単なる金儲けの道具ではない」と、怒りに震える声で寛太に抗議する二人の姿には、トレインドナースとしての強いプライドがみなぎっていました。
ですが、寛太を責めるだけでは、貧困にあえぐ女性たちを救うことも、この業界の闇を晴らすこともできません。
自分たち民間組織の力だけでは解決できない限界を悟った二人は、すぐに内務省衛生局の柳生さんのもとへと相談に走りました。
そこで柳生さんが語ったのは、実に頼もしい事実でした。
実は衛生局側も、この玉石混交とした看護業界の乱立をすでに問題視しており、裏で法的な規制や制度の整備をじっくりと進めていたのです。
国が動いてくれるという希望の光が見えた一方で、恵風看護婦会には、もう一つの温かい奇跡が舞い込みました。
かつて看護婦養成所の一期生として共に学びながらも、結婚を機に一度は現場を離れたしのぶさんが、再び戻ってきたのです。
「妻や母という役割だけではなく、もう一度自分自身の意思で誰かを救う仕事がしたい」と、誇り高く宣言するしのぶさんの姿は、りんたちの傷ついた心にこの上ない勇気を与えてくれました。
風、薫る(朝ドラ)114話ネタバレ感想
■寛太の割り切れなさと、しのぶが灯した希望:第114話の感想
今回の第114話は、本当に胸がキリキリと痛むような描写の連続でしたね。
寛太のやっていることは、看護の質を著しく低下させ、患者の命をも危険にさらす言語道断の悪徳ビジネスです。
それでも、セツさんのように社会で行き場をなくした女性たちを、結果的に「食わせている」という側面があるのも事実で、ただの悪者として切り捨てられないのが、このドラマの憎いところだと思います。
寛太に対しても、単なる悪党としてではなく、いつか直美たちの真摯な姿勢に触れて改心してほしいと願わずにはいられません。
SNS上でも、「寛太が悪の道に落ちていくのが辛い」という声と同時に、「根は優しいやつだから、最後に協力者になってほしい」という期待の声が溢れていて、皆同じ気持ちなのだと嬉しくなりました。
そして、かつての心中事件の当事者である夕凪セツさんが、生活のために看護を騙って働いている姿には、当時の女性の権利の低さがリアルに投影されていて、言葉を失いました。
だからこそ、後半でしのぶさんが再び自分の意思で看護の道へ戻ることを決意したシーンは、一筋の美しい光のようでしたね。
家庭に入ることを幸せとする時代に抗い、「母でも妻でもない、一人の自分」としての生き方を模索するしのぶさんのセリフは、現代を生きる私たちの心にも深く突き刺さります。
さらに、中村倫也さん演じる柳生さんの、大人の知性を感じさせる頼もしさにも、すっかり惚れ惚れしてしまいました。
感情に任せて寛太をなじるだけでなく、速やかに国の行政機関を巻き込んで制度から変えようとするりんたちの冷静なアプローチは、とても現実的で説得力がありました。
風、薫る(朝ドラ)114話からどうなる?
■患者の急変と、環が遭遇する「思わぬ影」:次回115話の考察予想
さて、気になる次回第115話ですが、物語はさらに波乱に満ちた展開へと突入しそうです。
予告によると、セツさんが担当している患者の容体が急激に悪化し、焦り狂ったセツさんが寛太に助けを求めて駆け込んでくるようですね。
偶然居合わせたりんが、その知識と技術を駆使して適切な応急処置を施し、なんとか事なきを得るのだと思います。
しかし、その鮮やかなトレインドナースとしての仕事ぶりを目の当たりにしたセツさんの心の中には、一体どんな感情が芽生えるのでしょうか。
専門教育を受けてこなかった自分に対する劣等感なのか、それとも本物の看護に対する憧れなのか、彼女の心の機微から目が離せません。
さらに、視聴者の間で最も憶測を呼んでいるのが、女学校の帰り道に環ちゃんが遭遇する「思わぬ人物」という謎の存在です。
これは、やはりあの人しか考えられませんよね。
そうです、第21週の最後で、りんへの想いを抱えたまま浜松へと去っていった、小説家志望のシマケンこと島田健次郎さんではないでしょうか。
もしシマケンが再び東京に戻ってきたのだとしたら、りんとの距離感や、これからの物語にどんな新しい風を吹き込んでくれるのか、今から楽しみで夜も眠れません。
まとめ
「風、薫る」も残すところあとわずかとなり、一話一話の密度が本当に濃くなっています。
近代的な看護の制度を日本に根付かせるための、りんと直美のバディとしての真の挑戦は、まさにここからが本番と言えるでしょう。
彼女たちがどんな未来を切り拓いていくのか、明日の放送もテレビの前で正座して見守りたいと思います。
