今週のクライマックスとなった「ばけばけ」第75話は、嘘の中に隠された深い思いやりと、本当の意味で「家族」になっていく過程を丁寧に描いた、まさに神回と呼べる内容でした。
明治という激動の時代、文化の壁にぶつかりながらも歩み寄ろうとする二人の姿に、画面越しにエールを送らずにはいられなかった視聴者も多かったのではないでしょうか。
ばけばけ(朝ドラ)75話までの振り返り
■疑惑から確信へ!前回第74話の緊迫した振り返り
物語の導火線となったのは、昨日放送された第74話でのヘブンさんの失踪騒動でした。
夕食の時間を過ぎても一向に帰宅しない夫を心配し、トキちゃんは雨の中、必死に松江の街を捜し歩きました。
車夫の永見さんから「ヘブンさんは山橋薬舗にいる」という有力な情報を得て店に駆け込みますが、そこには店主の山橋さんしかおらず、ヘブンさんの痕跡はどこにも見当たらないという不可解な状況で幕を閉じました。
お父上の司之介さんが不用意に口にした「浮気疑惑」という言葉が、トキちゃんの不安に追い打ちをかけ、視聴者の私たちもハラハラしながら見守るしかなかった展開でしたね。
頬に赤いケチャップ(当時はキスマークと誤解されましたが)をつけて帰宅したヘブンさんの姿が、事態をより複雑に、そして少しだけ喜劇的な方向へと導いていました。
ばけばけ(朝ドラ)75話ネタバレあらすじ
■隠れ家で見つけた真実と涙の和解!第75話のストーリー詳報
第75話の冒頭、トキちゃんはついに確信を持って再び山橋薬舗へと足を踏み入れます。
制止する山橋さんを振り切って奥の別室へ飛び込むと、そこはなんと期間限定の「山橋西洋料理店」となっており、ヘブンさんがナイフとフォークを手に、西洋料理を頬張っていたのです。
「錦織さんと議論を交わしている」という嘘をついてまで、自分の手料理を差し置いて洋食を食べていた事実に、トキちゃんは「なして嘘をついたんですか」と怒りを爆発させます。
しかし、そこでヘブンさんが涙ながらに語った本音は、あまりにも切実なものでした。
新聞記事で「正座が得意な、日本人のような素晴らしい異人」として称賛されたことで、彼は世間の期待という虚像を壊すことができず、痛む足で正座を続け、苦手な小骨の多い魚を食べ続けることに疲れ果てていたのです。
「やっとできた家族をがっかりさせたくなかった、裏切りたくなかった」という彼の言葉は、孤独を知る彼なりの不器用な愛の形でした。
その真意を知ったトキちゃんは、彼の苦しみに気づけなかった自分を詫び、二人はようやく心からの正直な言葉で向き合うことができたのです。
仲直りの印としてヘブンさんと一緒に「ビフテキ」を味わったトキちゃんの笑顔と、翌朝、約束通りの「行ってきますのキス」を交わす場面は、これまでのわだかまりが全て溶けていくような名シーンでした。
そして、松野家がヘブンさんへの引っ越し祝いとして贈ったのは、彼の西洋式の生活を尊重し、目を近づけて執筆ができるよう手作りされた「高い机と椅子」でした。
ばけばけ(朝ドラ)75話ネタバレ感想
■心が震える文化の融合!熟練ブロガーが語る75話の感想
今回のエピソードで最も心に響いたのは、制作統括の橋爪さんが語る「優しい嘘」というテーマが、見事に映像として結実していた点です。
ヘブンさんが嘘をついたのは、自分自身のわがままのためではなく、トキちゃんや松野家というかけがえのない居場所を守りたいという一心からでした。
彼が「Seiza… Itai(正座、痛い)」と吐露した際、単なる身体的な痛みだけでなく、異文化に適応しようと背負いすぎた心の重圧までが伝わってきて、胸が熱くなりました。
また、演じるトミー・バストウさんの、どこか少年のような情けないけれど愛らしい表情が、このシリアスになりがちな場面に絶妙な柔らかさを与えていたと感じます。
トキちゃんが怒りの中から「家族だけん、言ってごしなさい」と、相手を突き放すのではなく抱きしめるような言葉を選んだ瞬間、この二人はもう大丈夫だと確信しました。
西洋の挨拶であるキスを受け入れ、その代わりにヘブンさんが日本の家族の温かさを受け入れるという、双方向の歩み寄りが「マツノケ、ヤリカタ」という新しい家庭のルールを作り上げたのです。
ばけばけ(朝ドラ)75話からどうなる?
■次週・第16週「カワ、ノ、ムコウ。」で予想される展開の考察
さて、物語は来週から新章、第16週「カワ、ノ、ムコウ。」へと突入します。
ついにヘブンさんが情熱を注いできた「日本滞在記」が完成し、それを祝う盛大な完成披露パーティーが催されるようです。
しかし、平和な時間も束の間、あの特ダネに目がない新聞記者の梶谷さんが、今度は「ヘブン先生日録」としての連載を提案し、松野家のプライベートにまで踏み込んでくる気配が漂っています。
連載が始まれば、トキちゃんも「時の人」として注目を浴びることになりますが、それが元でかつての親友であるサワちゃんとの心の溝がさらに深まってしまうのではないかと、私は個人的に非常に危惧しています。
また、なみさんの身請け話といった周囲の人々の人生も大きく動き出すようで、松江を舞台にした人間模様からは、ますます目が離せそうにありません。
まとめ
■嘘から始まった誠実な夫婦の第一歩
第75話は、見栄や体裁という「建前」を捨て、お互いの弱さを認め合うことで、本当の家族の絆が生まれる瞬間を見事に切り取っていました。
異国の文化を愛しようとするヘブンさんの苦労と、それを優しく包み込もうとするトキちゃんの献身的な愛情は、現代を生きる私たちの心にも深く刺さるものがありましたね。
新居に置かれたあの手作りの机で、ヘブンさんがこれからどのような日本の美しい面影を綴っていくのか、その完成した「日本滞在記」の内容も非常に楽しみです。
これからの松野家が、街の人々の注目という嵐にどう立ち向かっていくのか、来週の放送も心して待ちたいと思います。
