「ばけばけ」の第29話、皆さまご覧になりましたか?
あの衝撃的な展開から、一気に物語が加速しましたね。
今回は、没落士族の誇りと、明治の厳しい現実が、これでもかとぶつかり合う、胸が締め付けられるような回でした。
グーグル検索でこの記事に辿り着いたあなたは、きっとこの重すぎる展開の行方が気になっていることでしょう。
朝ドラへの情熱は誰にも負けない私と一緒に、第29話の濃密な15分をじっくり振り返ってみましょうね!
ばけばけ(朝ドラ)29話までの振り返り
衝撃の28話!タエ様が物乞いに
前回の第28話は、本当に息を飲む展開でしたよね。
第6週のタイトル「ドコ、モ、ジゴク。」の通り、トキ(髙石あかり)の周りの世界が、どんどん「地獄」の様相を呈してきています。
松江随一の名家出身で、トキの生みの親である雨清水タエ(北川景子)が、なんと物乞いに身をやつしていた姿が描かれ、私たち視聴者に大きな衝撃を与えました。
夫の傳(堤真一)が亡くなり、雨清水織物が倒産して松江を離れたはずのタエ様が、まさかあんなボロボロの着物で地べたに座っているなんて、あまりにショッキングで言葉を失いました。
武家の誇り高かったタエ様が、施しを受けても頭を下げず、そのプライドだけは手放さない姿が、逆に痛々しくて切なかったです。
トキは、変わり果てたタエ様に声をかけることもできず、その場から逃げ帰ってしまうのですが、その夜、錦織(吉沢亮)がヘブン先生(トミー・バストウ)の女中になってほしいと再びトキを訪ねてきたとき、トキは「家族のために」と、その依頼を頑として断っていました。
ばけばけ(朝ドラ)29話ネタバレあらすじ
29話あらすじ:三之丞「社長に」ヘブン先生「ドウゾ」
そして迎えた第29話。
トキが、タエ様の物乞い姿を誰にも告げずにいた夜、松野家では、父・司之介(岡部たかし)が働く牛乳屋に、タエ様の息子である三之丞(板垣李光人)が仕事を求めてやってきたという話が持ち上がります。
この三之丞くんの言動が、また衝撃的でしたね!
彼は牛乳屋の社長に「雨清水と言えば松江で知らぬ者の無き名家」なのだから、自分には「人を使うことができる」「社長にふさわしい格がある」と堂々と訴え、「私を社長にしてください!」と直訴したのです。
この常識外れの要求に、社長が怒って三之丞くんを引きずり出す様子を、司之介はただ心配しながら見ていることしかできませんでした。
家柄の誇りが高すぎて、現実との意識のズレが二桁ほども違う三之丞くん、その世間知らずぶりが、雨清水家の極度の困窮を物語っていて、本当に切ない場面でした。
その後、別の店でも同様に直談判して地面に叩きつけられた三之丞くんに、周囲が見て見ぬふりをする中、唯一手を差し伸べた人物がいました。
それがヘブン先生(トミー・バストウ)です。「ドウゾ」と優しく声をかけるのですが、三之丞くんは「結構」と、それすらも拒否してフラフラと去って行きます。
このヘブン先生の優しさには、胸が熱くなりましたね。
そして物語の終盤、しじみ売りから帰るトキは、物乞いのタエ様のためにふかし芋を買った三之丞と再会し、ついに「物乞いをしている…おばさまのお姿を」見たと、苦渋の告白をするのでした。
ばけばけ(朝ドラ)29話ネタバレ感想
視聴者の反応:朝からヘビー級の重さ!板垣李光人くんのズレっぷりが切ない
この第29話は、SNSでも大反響でしたね!「朝からヘビー級の重さだ」「あっという間の15分」と、密度の濃い展開に夢中になった視聴者が多かったようです。
やはり一番話題になったのは、三之丞くんの「私を社長にしてください!」というパワーワード。
「衝撃だった。。三之丞ここまで世間とかけ離れてるとは」「社長、正論しか言ってなくて」「三之丞、そりゃ無理だわ」と、彼の浮世離れした感覚に驚きの声が多数上がりました。
でも、没落してもなお「雨清水家のプライドだけが残って厄介」という、この時代の士族の悲哀を、板垣李光人くんが見事に演じていました。彼の王子様のようなルックスが、世間知らずなお坊ちゃん気質を際立たせ、キャスティングの妙を感じました。
そして、三之丞くんが地面に倒れた時、偏見なく「ドウゾ」と手を差し伸べたヘブン先生の優しさには、涙腺が緩んだという声も多かったです。ヘブン先生の人間味に、「やはり優しい人なんだな」「らしさが現れている」と彼の良心が見えた気がしました。
タエ様と三之丞の痛々しい姿は、トキにものすごい重荷として心理的にのしかかってくることは間違いありません。この「うらめしい」日常が、今後の物語をどう動かすのか、私もドキドキしています。
ばけばけ(朝ドラ)29話からどうなる?
次回30話予想:トキ、ついに「女中になります」決断の理由
さあ、次週の予告、そして第30話のあらすじからは、物語の大きな転換点が明らかになっていますね!
トキは三之丞から、なぜタエ様と一緒に松江に戻ってきたのか、その経緯を聞き出します。
父・傳が亡くなった後、タエ様と三之丞は借金を返すために家財を売り、安来の親戚に身を寄せましたが、三之丞が働いても、タエ様はその仕事を「格が低い」と認めず、「人を使う仕事に就きなさい」とあくまでも武家の誇りを手放さなかったといいます。
結局、誇りだけはあっても仕事は見つからず、生活に困窮し、タエ様は「独り身だったら切腹していたはず」というほどの覚悟で、物乞いとして生きる道を選んだのです。
三之丞からの話を聞き、さらに帰路で再びタエ様の物乞い姿を目にしたトキ は、ついに大きな決断を下します。
翌朝、ヘブン先生の借家を訪ね、迎えに来ていた錦織に「ヘブン先生の、女中になります」と告げるのです。
トキの肩には、松野家だけでなく、実の親族である雨清水家の面々までもが、重くのしかかっている状況です。このままでは松野家も、タエ様たちも野たれ死にしてしまうかもしれない。
ヘブン先生付きの女中になれば、月給は破格の20円(現在の価値で年収1000万円近く!)。
この高給は、トキが家族全員を救うための「人柱」になることを意味しています。
まとめ
トキの決心は愛と犠牲の始まり
第29話で、雨清水家の悲劇的な没落の現状と、三之丞の世間とのズレが明確になりました。このあまりにも重い現実に直面したことが、トキの心を動かし、ついに彼女は、世間から「ラシャメン」(異人の妾)と蔑まれるかもしれない道を、家族のために選ぶ覚悟を決めたのです。
この決断は、松野家の貧困と、武家の誇りゆえに現実を見られなくなった実の母・タエを救いたいという、トキの深く強い愛情と犠牲の上に成り立っています。
この苦難の決心こそが、後にヘブン先生との間に生まれる深い絆と、夫婦愛の物語へと繋がっていくのですね。
来週からいよいよ、トキの女中生活がスタートするのでしょうか。この「地獄」から、どのように「かけがえのないすばらしいものに化けて」いくのか、見逃せませんね!
(第6週のサブタイトル「ドコ、モ、ジゴク。」は、第30回でいよいよ最終回。この地獄の底から、どんな光が見えてくるのか、楽しみに待ちましょう!)
