テレビ番組『人生の楽園』で紹介された、秋田県五城目町にある「GaccoChacco処、道(がっこちゃっこどころ、みち)」の温かな物語が、今多くの人の心を揺さぶっています。
人生の楽園|秋田・五城目町の食堂「GaccoChacco処、道」とは?
このお店の最大の特徴であり、訪れる人を驚かせるのが、普通なら脇役であるはずの漬物「がっこ」が定食のメインディッシュとして堂々と主役を張っている点でしょう。
看板メニューの「今日の定食」には、お肉やお魚の横で、季節ごとの野菜を丁寧に漬け込んだ色とりどりの「がっこ」が、まるで宝石のように並んでいます。
お母様の本間ミネ子さんが手がける漬物のレパートリーは実におよそ50種類にも及び、その中から旬の味が選ばれて食卓を彩るのです。
面白いのがその提供スタイルで、グループで訪れると一人ひとりあえて異なる種類の漬物を出してくれることもあり、これには思わず「そっちは何味?」と会話が弾んでしまいます。
まさに、漬物を囲んでお茶を飲みながら語り合う秋田の伝統文化「がっこちゃっこ」をそのまま体現したような、素敵な仕掛けですよね。
お肉料理には店主の佐藤香織さんが手作りしたオリジナルの「香織ドレッシング」がかかっていて、これがまた漬物との相性が抜群で箸が止まりません。
ご飯についても妥協はなく、香織さんの義父にあたる方の田んぼで大切に収穫された五城目町産の「あきたこまち」がふっくらと炊き上げられています。
一人でふらりと旅をする僕のような身分には、こうした手間暇かけた手作りの味と、実家のような安心感がある場所は、本当に身に染みる貴重な存在なんです。
食堂「GaccoChacco処、道」開業の経緯|人生の楽園(秋田・五城目町)
■母の味を守り抜く再出発の軌跡
店主の佐藤香織さんは、もともと地元の社会福祉法人で27年もの間、管理者や生活相談員として高齢者の方々に寄り添ってきた福祉のプロでした。
そんな彼女が人生の大きな転換期を迎えたのは、2021年に施行された食品衛生法の改正という、お母様が直面した厳しい現実がきっかけだったんです。
漬物上手として朝市で長年愛されてきた母・ミネ子さんの味ですが、新しい法律では衛生基準を満たす専用の加工所がなければ販売を継続できなくなってしまいました。
「このままでは地域の宝である母の味が消えてしまう、朝市からあの活気が失われてしまう」と、香織さんは強い危機感を抱き、長年勤めた職場を辞める決断をします。
資金面ではクラウドファンディングを立ち上げ、2023年の記録的な大雨被害という困難も乗り越えながら、目標を大きく上回る101人もの支援者の愛を集めました。
古い民家を買い取って厨房の奥に母のための漬物加工所を併設し、2024年5月24日、ついに母娘の想いが詰まったこのお店がグランドオープンを果たしたわけです。
単にお店を維持するだけでなく、お年寄りが外に出て「わはは」と笑い合える居場所を作りたいという、香織さんの27年間の介護経験に基づく温かな信念がこの「道」という名前に込められています。
食堂「GaccoChacco処、道」場所・アクセス|人生の楽園(秋田・五城目町)
■店舗の詳細と便利なアクセス方法
お店があるのは、500年以上の歴史を誇る五城目朝市通りのすぐ近く、南秋田郡五城目町上町277-91という非常に情緒あるエリアです。
営業時間は午前10時から午後3時までとなっていて、朝市をのぞいた後にゆっくりとランチを楽しむのにもぴったりの時間帯ですね。
定休日は毎週木曜日ですが、他にも不定休がある場合があるため、遠方から足を運ぶ際は公式のInstagramなどを事前にチェックしておくのが安心かもしれません。
店内はカウンターが6席のほか、テーブル席もいくつか用意されており、少人数でもグループでも温かく迎え入れてくれます。
車を利用する場合は、JR奥羽本線の八郎潟駅から約10分ほどの距離で、駐車場も4台から5台分ほど確保されています。
八郎潟駅からお店までは約3.7キロメートルほど離れていますので、お天気が良ければのんびりタクシーや車で向かうのが一番スムーズでしょう。
加工場が併設されているメリットとして、その場でミネ子さん手作りの新鮮な漬物を購入することもでき、一パック200グラムから300グラムほどで販売されています。
食堂「GaccoChacco処、道」周辺の観光情報|人生の楽園(秋田・五城目町)
■五城目を遊び尽くす周辺ガイド
お腹が満たされた後は、五城目の豊かな自然と歴史に触れる観光スポットを巡るのが僕のおすすめする贅沢なコースです。
まずは「ネコバリ岩」ですが、これは巨大な岩の上に木の根っこが力強くへばりついた神秘的な光景で、初めて見た時はその迫力に言葉を失いました。
また、小高い山の上にそびえる白亜の「森林資料館 五城目城」は、入場無料で楽しめるだけでなく、町を一望できる絶景が旅の疲れを癒してくれます。
お酒好きの方なら、登録有形文化財にも指定されている歴史ある「福禄寿酒造」を訪れて、風格ある蔵の佇まいを体感してみてはいかがでしょうか。
少し足を伸ばせば「希望の鐘」がある森山があり、そこから眺める広大な田園風景は、どこか懐かしい日本の原風景を思い出させてくれます。
買い物や休憩なら「道の駅五城目(悠紀の国五城目)」も便利で、地元の産直品が充実しているのでお土産選びにも困りません。
さらに「秋田県環境と文化のむら」では、広大な自然の中で散策を楽しんだり、定期的に開催される体験教室で思い出作りをしたりすることもできますよ。
まとめ
佐藤香織さんが切り盛りする「GaccoChacco処、道」は、単なる食堂ではなく、守るべき伝統と新しい笑顔が交差する、町の灯台のような場所です。
お母様が漬ける「がっこ」の一口ごとに、そこに関わった人々の愛情や、苦難を乗り越えてきた物語が凝縮されているように感じます。
都会の喧騒の中で少し心がささくれ立ってしまった時、こうした温かい人の体温を感じる場所へ旅をすることは、明日への何よりの活力になるはずです。
僕もこの記事を書きながら、秋田の冷涼な空気と、湯気の向こうで笑う香織さん親子、そして滋味深い漬物の味を想像して、胸が熱くなりました。
皆さんも次の休日には、美味しいお茶と「がっこ」を囲んで、心温まる豊かな時間を過ごしに五城目町へ出かけてみませんか?
