このドラマに注目しているあなた、きっと私と同じように、三谷幸喜さんが描く人間ドラマの舞台裏にゾクゾクしていることでしょう。
タイトルからして哲学的なこの作品「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」の第1話は、まさに豪華キャストによる混沌としたプロローグでしたね。
今回は、この熱狂の始まりを探っているあなたのために、第1話の核心を丁寧に、そして心のこもった文面で解説していきますね。
もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう(ドラマ)ネタバレ|あらすじ
■舞台の幕開け:第1話のあらすじ
物語は昭和59年(1984年)の秋、当時のエネルギーに満ちた渋谷を舞台に始まります。
主人公は、蜷川幸雄に心から憧れる演出家の卵である久部三成(菅田将暉さん)。
彼は理想と情熱は人一倍持っているものの、そのあまりに横暴な振る舞いが災いし、所属していた劇団から追放されてしまうんですね。
路頭に迷い、あてもなく渋谷の街をさまよっていた久部が迷い込んだのが、怪しげなネオンが光るアーケード街「八分坂(はっぷんざか)」です。
ここは渋谷駅から徒歩8分でたどり着くことが名前の由来だそうです。
そしてこの八分坂のアーケードには、“Pray speak what has happened(何があったか話してごらん)”というシェイクスピアの戯曲『お気に召すまま』の一節が刻まれているのが、何とも意味深ですよね。
人生の挫折を抱える久部は、無料案内所のオババ(菊地凛子さん)に導かれ、ストリップ小屋である「WS劇場」の扉を開けます。
劇場は赤字経営で、看板ダンサーのいざなぎダンカン(小池栄子さん)が照明担当と駆け落ちするというトラブルに見舞われていて、オーナーは劇場を潰して「ノーパンしゃぶしゃぶ」にしようかと考えるほどの危機的な状況なんです。
久部は、隣のスナック「ペログリーズ」で、ミステリアスなダンサーの倖田リカ(二階堂ふみさん)と出会い、ついつい心を許してしまいます。
しかし、これが実は9万円のナッツ代を請求されるという、まさかのぼったくり事件に発展してしまうんですよね。
金が払えない久部は、シェイクスピア全集を人質に取られてしまいますが、最終的にバッグを取り返し、劇場へと戻ります。
そして第1話のクライマックス、照明が不在の舞台で踊り始めたリカの姿に居ても立ってもいられなくなった久部は、自らの手でスポットライトを当てます。
この瞬間、久部は観客から舞台の一員へと変わり、彼の「再生の物語」が静かに幕を開けたわけです。
もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう(ドラマ)ネタバレ|実話?原作は?
■実話がモデル?原作は?
このドラマは、原作が存在しない三谷幸喜さんの完全オリジナル脚本です。
これは視聴者として、次に何が起こるか予測できないワクワク感があって最高ですよね。
ただ、単なるフィクションではないのが三谷作品の面白いところで、本作には三谷さんが放送作家の駆け出しだった1984年当時の経験に基づいた半自伝的要素が多分に含まれています。
特に神木隆之介さんが演じる新人放送作家の蓬莱省吾は、若き日の三谷幸喜さん自身をモチーフにした役柄だそうですよ。
三谷さんご自身が、不安定な今の時代に不安を抱える人々へエールを送りたいという想いで、夢に向かってがむしゃらに生きたあの時代を描き出そうとしたそうです。
ちなみに、YOASOBIさんが歌う主題歌『劇上』は、このドラマの脚本とは別に、三谷さんが書き下ろした短編小説『劇場ものがたり』を原作として制作されています。
主題歌のために作家が小説を書き下ろすなんて、三谷さんの演劇への情熱が桁違いだと感じますよね。
もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう(ドラマ)ネタバレ|キャスト相関図
■登場人物のカオス:キャストと役割・相関図
第1話は「キャラ紹介だけで30分」と話題になるほど、30人を超える豪華キャストが怒涛のように登場しました。
まさに人生の断片を切り取って集めたような、ひとクセもふたクセもある“感情の爆弾”たちで、目が忙しすぎて一瞬たりとも気が抜けませんでしたよ。
このドラマは久部を中心としながらも、それぞれの人物が持つ過去や夢、挫折が絡み合う群像劇として設計されています。
主な登場人物の役割はこんな感じです。
- 久部三成(菅田将暉):蜷川幸雄に憧れる、情熱は本物だが横暴な演出家の卵。彼の再生と成長が物語の軸になります。
- 侘田リカ(二階堂ふみ):WS劇場の看板ダンサーで、妖艶でミステリアスな雰囲気をまとう女性。久部に大きな影響を与える存在ですね。
- 蓬莱省吾(神木隆之介):若き日の三谷幸喜さんをモチーフにした新人放送作家。彼の持つコメディの才能が今後どう開花していくか楽しみです。
- 江頭樹里(浜辺美波):八分坂神社の巫女。清楚で凛とした存在感が、荒んだ八分坂の清涼剤のように感じられました。
- トニー安藤(市原隼人):久部をぼったくりの現場で追い詰めた、WS劇場の用心棒。荒っぽいが情に厚い一面もあるようです。
- 五反田マリ子(秋元才加)&朝雄(佐藤大空):シングルマザーのダンサーと、第1話で久部と出会った「迷子の息子」。この迷子の存在が、物語全体の“大人の迷い”を象徴しているように思います。
- 風呂須太郎(小林薫):若者たちの憩いの場であるジャズ喫茶「テンペスト」のマスター。
- パトラ鈴木(アンミカ):WS劇場のベテランダンサーで、裏方を支える姉御肌。
相関図といっても、まるで舞台の楽屋裏のように、誰もが何らかのドラマを抱えてWS劇場という人生の縮図に集まってくる構造になっています。
第1話は、久部という転がり込んできた異質な存在が、これらの個性豊かな人物たちと激しく交錯し始める、まさに“感情の座標軸”を描く導入だったと言えるでしょう。
もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう(ドラマ)ネタバレ|放送・配信情報
この注目作は、フジテレビ系の水10ドラマ枠で放送されています。
初回は2025年10月1日(水)に、30分拡大スペシャルとして放送されましたね。
毎週水曜日の夜10時が、この熱い群像劇に浸れる時間となるわけです。
さらに、リアルタイムで観られなかった方にも朗報なのが、放送後にはNetflixでの世界配信があること。
もちろん、TVerやFODでも最新話やこれまでの全話が配信されていますから、自分のペースでじっくりと八分坂の世界に迷い込むことができますよ。
第1話で描かれたのは、まだ登場人物たちが「舞台に立つ前の楽屋の時間」です。
久部が照明を当てたことで物語は動き始めましたが、本当の“本番”はこれからです。
まとめ
私も、この予測不能な三谷ワールドの行く末を、あなたと一緒に見届けたいと思っています。
このドラマは、観る者一人ひとりの「あなたの人生の楽屋はどこにある?」という問いを投げかけてくる、そんな深い魅力に満ちていますね。