毎週水曜日の夜、胸を締めつけられるような緊張感と焼きたてパンの温もりにすっかり魅了されています。
愛する夫と信頼していた助手に裏切られて命を落とした主人公が、二年前の世界へとタイムリープして人生をやり直す物語ですが、今回の第3話はまさに怒涛の転換点となりました。
過去の成功体験をそのままなぞろうとするミチルの前に立ちはだかる予期せぬトラブルと、それを救う新たな出会いには、思わず画面の前で息をのんでしまいました。
今回は第3話の怒涛のストーリー展開から最後の結末、そして物語の深層にあるテーマまで、じっくりと紐解いていきたいと思います。
小麦とバターと復讐と(ドラマ)3話までの振り返り
物語の始まりである第1話では、人気パン職人として活躍していた野崎ミチルが、夫の賢人と弟子のカナエによるあまりにも残酷な不倫現場を目撃してしまいました。
信じていた二人に裏切られた絶望の直後、ミチルは交通事故に遭い、あえなくその命を落としてしまいます。
しかし奇跡的に目を覚ますと、そこは賢人からプロポーズされる直前という、事故の二年前の世界でした。
二度目の人生を得たミチルは裏切り者たちへの復讐とパン職人としての再起を誓いますが、なぜか自分が考案した大切なパンのレシピだけを忘れているという過酷な試練に直面します。
続く第2話では、ミチルが記憶を頼りに代表作であるブルーバードブレッドを奇跡的に再現してみせました。
しかし、失われたレシピの多くが不倫夫である賢人との幸せな思い出に深く結びついているという苦痛な事実に直面することになります。
料理教室で発生したレタス五十玉の誤発注トラブルでは、ミチルが咄嗟の機転でレタスフォカッチャサンドを生み出し、見事にピンチを救いました。
その功績をカナエにSNSで横取りされそうになるものの、料理講師の伊能優吾がカナエのズルさを見抜いて毅然と立ち向かってくれたシーンは爽快でした。
賢人からのプロポーズをきっぱりと拒絶して未来を変え始めたミチルでしたが、裏切り者である賢人とカナエの接触はすでに二年前から静かに始まっていたのです。
小麦とバターと復讐と(ドラマ)3話あらすじ
第3話「未来を揺るがす新たな出会い」では、二回目の人生を歩むミチルが、かつてパン職人としての成功を決定づけた運命の日を再現しようと動き出します。
一回目の人生でミチルの才能を見出し、世に出るきっかけを作ってくれたのが、人気モデルのハルナでした。
ミチルはハルナが参加するバーベキューイベントへと向かい、当時と同じようにパンを届けて成功ルートに乗ろうと意気込みます。
しかし、会場には一回目の人生には存在しなかったはずのカナエが突如として姿を現しました。
計算高いカナエの介入によって人間関係やイベントのスケジュールは狂い始め、ミチルはハルナとの距離を思うように縮めることができません。
知っていたはずの未来がガラガラと崩れ去り、絶望と焦燥感に打ちひしがれるミチルの前に現れたのは、料理教室の講師である優吾でした。
優吾から持ちかけられた思いがけない共同作業を通して、ミチルは過去のレシピの再現ではない、まったく新しいパン作りの可能性と出会っていくことになります。
小麦とバターと復讐と(ドラマ)3話ネタバレ
運命を変えるべく意気込んでバーベキュー会場へと乗り込んだミチルでしたが、そこには想像を絶する壁が待ち受けていました。
ミチルがハルナへアプローチしようとした矢先、どこからともなくカナエが現れ、その持ち前の愛嬌と立ち回りの上手さでハルナの懐へと一気に飛び込んでしまったのです。
自分が準備してきた時間やパンにかける情熱をカナエに横取りされていくような感覚に襲われ、ミチルは強い恐怖と孤独感を抱きます。
イベントが終わり、去っていくハルナの車を必死で追いかけたミチルでしたが、結局一回目と同じような直接の約束を交わすことはできませんでした。
過去の成功体験を再現できなかったことで、自分自身の存在価値まで否定されたように落ち込むミチルに、優吾が優しく声をかけます。
優吾は落ち込むミチルを強引に励ますのではなく、野菜が嫌いな子どもでも喜んで食べてくれる料理を一緒に考えてほしいと頼み込みました。
二人は食べる子どもの気持ちに寄り添い、見た目も思わず笑顔になってしまうような猫の肉球の形をした肉球パンを完成させます。
この肉球パンは、賢人との過去の思い出には一切頼らず、二回目の人生で優吾と向き合ったからこそ生まれた完全な新作でした。
そして物語の最後には、誰もが予想しなかった素晴らしい結末が用意されていました。
ハルナはバーベキュー会場で、誰がハッタリではなく真摯にパン作りと向き合い、心を込めて動いていたのかをしっかりと見抜いていたのです。
後日、ハルナからミチルへ直接、自身の配信動画への出演オファーが舞い込むという大逆転劇が起こりました。
過去の記憶通りの手順ではなかったものの、誠実な仕事がハルナの心を動かし、ミチルは一回目とは違う新しいルートで未来への扉を開いたのです。
小麦とバターと復讐と(ドラマ)3話の感想・考察
今回の第3話を見終えて、タイムリープという設定の本当の深みと面白さを心から実感しました。
未来を知っているはずのミチルが、むしろその記憶に縛られて焦り、正解を失って絶望する姿は観ていて本当に胸が苦しかったです。
人は過去の成功体験や決められたレシピに固執してしまうと、目の前にある大切な変化や人の温もりに気づけなくなってしまうのだと痛感させられました。
そんなミチルの心を解きほぐしたのが、七五三掛龍也さん演じる優吾の存在でした。
優吾は過去の成功者としてのミチルではなく、いま目の前で迷いながらパンを作る一人の作り手として、どこまでも対等に寄り添ってくれます。
二人が笑顔で肉球パンを作り上げたシーンは、復讐のドロドロとした緊張感を忘れさせてくれるほど温かく、胸が熱くなりました。
一方で、寺本莉緒さん演じるカナエの底知れない欲望と立ち回りの不気味さには、思わずゾクッとしてしまいます。
賢人だけでなくミチルの夢や人間関係まで侵食しようとする姿は、今後の展開においても最大の脅威になっていくに違いありません。
過去を再現することではなく、いま目の前の人と新しい未来を創り出すことこそが本当の再生なのだと教えてくれる、実に素晴らしいエピソードでした。
まとめ
第3話は、知っていたはずの未来が崩れ去る絶望から、新たな絆によって希望が生まれる見事な転換点となりました。
過去のレシピにしがみつくのをやめ、自分の手で新しい選択を始めたミチルの姿には、観ているこちらまで大きな勇気をもらえます。
ラストでハルナの動画出演という大きなチャンスを手にしたミチルですが、次回はさらに過酷な試練が彼女を待ち受けています。
一回目の人生で惨敗を喫した人気料理対決番組『極みの料理人』への出演依頼が舞い込み、そこになぜかカナエがアシスタントとして乱入してくるのです。
波乱に満ちた展開の中で、ミチルと優吾の関係がどのように変化していくのか、来週の放送が今から待ちきれません。
