2026年5月の英検準1級の試験日から少し時間が経ちましたが、SNSや知恵袋での受験者の皆さんの熱気がまだ冷めやらぬのを感じています。
今回の試験を終えて「手応えがなくて落ち込んでいる」という方もいれば、「自分の英語力がどこまで通用したのか客観的に知りたい」という方も多いのではないでしょうか。
大学中級程度とされるこの準1級は、多くの英語学習者にとって、2級までの基礎力から一歩踏み出した「本物の英語力」を試される最初の大きな壁と言えます。
今回の2026年度第1回試験の傾向を振り返りながら、今後の学習に役立つような深い洞察を、一人の英語ファンとして心を込めて綴っていこうと思います。
英検準1級とは?
■英検準1級の価値
英検準1級は、国内の英語検定試験において単なる通過点ではなく、一つの到達点としての確固たる地位を築いています。
具体的にはCEFRのB2レベルに相当し、自分の専門分野に関する議論を理解したり、ネイティブスピーカーと緊張せずにやり取りしたりできる、自立した使用者としての力が認められるレベルです。
この資格を手にすることで、大学入試における満点換算や加点、あるいは試験免除といった目に見える強力なメリットが得られるため、難関校を目指す学生にとっては欠かせない武器になります。
さらにビジネスの現場でも、履歴書に記載することで「複雑な社会問題に対しても英語で意見を述べ、理解できる基礎がある」という証明になり、就職やキャリアアップにおいて高い評価に繋がります。
求められる語彙力は約7,500語から9,000語とされており、2級の約5,000語から大幅にジャンプアップするため、ここでの語彙補強が合格への最大の関門となります。
英検準1級|例年の難易度
■毎年のハードル
例年の英検準1級は、一次試験の合格率が15%から20%前後で推移しており、4人から5人に1人しか突破できないという非常に狭き門です。
2級が高校卒業程度の内容を問うのに対し、準1級は一気にアカデミックな色合いが強まり、科学、歴史、環境、医療といった専門性の高いテーマが並ぶのが特徴です。
特に大問1の語彙問題は、日常生活ではなかなかお目にかからない抽象的な単語が多く、専用の対策なしでは手も足も出ないような難易度が設定されています。
リスニングも一回きりの放送であり、スピードの速さだけでなく、文脈を正確に読み取って「ひっかけ」を回避する高度な情報処理能力が求められます。
ライティングの配点比率が極めて高く、どれか一つの技能で飛び抜けていても、全体として7割程度の正答率をバランスよく確保しなければ合格ラインには届きません。
英検準1級(2026年5月第1回)講評
■今回の試験講評
2026年5月31日に実施された今回の本会場試験は、全体としてこれまでの出題傾向を忠実に守りつつも、随所に受験生を惑わせる仕掛けが施されていました。
リーディングの大問1では、 turbulence (乱気流)や fabricating (捏造する)、 deficiency (不足)といった、準1級の合格には欠かせない重要語句が並び、一部では1級レベルに近いマニアックな単語も顔を出していました。
長文読解では古代文明のウルクに関する歴史的考察や、気候変動に直面するツバルのようなデジタル国家の試み、さらには動物の知能向上(Animal Uplift)といった非常に知的好奇心を刺激するテーマが登場しました。
ライティングセクションは、2024年度のリニューアルから定着した「要約」と「意見論述」の2本立てで、特に要約問題では本文の表現をいかに自分の言葉で言い換えるか(パラフレーズ)が、採点の大きな分かれ道となりました。
リスニングのPart 2は相変わらず情報密度が濃く、一度内容を見失うと立て直すのが難しいアカデミックなパッセージが続き、多くの受験生がここで苦戦を強いられたようです。
英検準1級(2026年5月第1回)難易度は難化?難しかった?
今回の試験を終えた直後、ネット上では「過去問より明らかに難しい」「難化したのではないか」という悲鳴に近い声が数多く上がっていました。
私個人の見解としては、全体的な難易度は「例年並みから微難化」といったところですが、受験者の皆さんが「難しかった」と感じたのには明確な理由があると考えています。
まず、語彙問題において見慣れない単語がいくつか並んだことで、冒頭から焦りを感じ、その後の長文読解のリズムを崩してしまった方が多かったのではないでしょうか。
さらに、ライティングが2題になったことで時間配分の難易度が格段に上がっており、エッセイに時間を取られすぎてリーディングの後半で息切れしてしまったという「連鎖的な難化」が起きていました。
リスニングでもリアルライフ問題などで場面把握がトリッキーな部分があり、全体として「一筋縄ではいかない」という印象を強く残した回だったと言えるでしょう。
まとめ
2026年5月の英検準1級は、決して「めちゃくちゃな難化」ではありませんでしたが、油断を許さない確かな歯ごたえのある試験でした。
もし自己採点の結果が芳しくなかったとしても、準1級のライティングは採点基準によってCSEスコアが大きく跳ねる可能性があるため、最後まで希望を捨てずに結果を待ってほしいと思います。
また、リーディングやリスニングで7割前後の得点をキープできているのであれば、ライティングの出来次第で十分に合格圏内に滑り込めるチャンスは残されています。
この試験に向けて積み上げてきた努力は、合否という結果以上に、あなたの英語の地力を確実に引き上げてくれているはずです。
今は試験を戦い抜いた自分を存分に労い、次なるステップへ向けて、また一歩ずつ英語との対話を楽しんでいきましょう。
