【完結記念】ヴァンパイア騎士memories最終11巻ネタバレ：枢と優姫、千年の愛の行方
最終回を迎えた『ヴァンパイア騎士memories』、皆さん、とうとうこの日が来てしまいましたね。
私も長年のファンとして、最終巻である11巻を手に取った時は、喜びと同時に、この壮大で切ない物語が終わってしまう寂しさで胸がいっぱいになりました。
樋野まつり先生が紡いだ、吸血鬼と人間の「愛と宿命」の物語は、前作から数えて約20年にもわたる激動のドラマでしたね。
特に、枢が選んだ「親金」としての千年間の眠り、そしてその後の世界の行方は、ずっと私たちの心にモヤモヤとした余韻を残してきました。
今回は、そのすべてが詰まった『memories』の全体像から、最終11巻で描かれた涙腺崩壊の結末まで、熱い考察を交えて徹底的に深掘りしていきます！
この感動のフィナーレ、一緒に噛み締めましょう！
ヴァンパイア騎士memoriesネタバレ｜あらすじ
■memoriesのあらすじ
『ヴァンパイア騎士memories』は、本編の主人公たち、優姫、枢、零の物語を千年後の未来へと繋いだ、正統な続編です。
前作のクライマックスで、純血種の吸血鬼である玖蘭枢は、自らの心臓を対吸血鬼武器「親金」の炉に捧げ、永遠の眠りにつくという、あまりにも壮絶な自己犠牲を選びました。
その後、優姫は錐生零と結ばれ、二人の間に娘の恋（れん）が誕生します。
そして、枢との間にも娘の愛（あい）をもうけ、零と共に娘たちを育てながら、愛する者のために生きた優姫もまた、やがて寿命を迎えるときが来ます。
優姫は、自らの命（心臓）と引き換えに、枢を人間として蘇らせるという、千年越しの愛の決断をするのです。
物語は、記憶を失い人間として目覚めた枢が、優姫と零の娘である愛と恋から、千年間の追憶の出来事を聞かされるところから始まります。
愛や恋が次世代の純血種として、人間と吸血鬼の脆い和平の中で苦悩し、運命を背負う姿が描かれる一方、枢は人間として生きる中で、優姫の不在による「身を裂くような渇望」に苛まれていくのです。
ヴァンパイア騎士memoriesネタバレ｜最終巻(11巻)最終回のストーリー解説
■最終11巻の切ない展開
最終巻である11巻は、記憶を失くして喫茶店を営む枢が、愛する優姫の「痕跡」を探し求める姿から始まります。
優姫が彼に望んだのは、吸血鬼としての宿命から解き放たれた「人間としての幸福」を枢に生きてもらうことでした。
しかし、愛から手渡された黒主理事長が遺した写真アルバムを見た枢の胸には、千年の時を超えて紡がれてきた、優姫や零、娘たち、そして仲間たちの祈りや絆が鮮明によみがえります。
その祈りの一つ一つに触れることで、枢の中の「優姫に会いたい」という抑えようのない、純粋な渇望が再び疼き出すのです。
人間としての穏やかな生を選ぶことが、優姫の願いを守ることだと頭では理解しながらも、心から愛する人がいない世界で生きることに意味を見出せなくなり、彼は激しく葛藤します。
この静かで、けれど魂を焦がすような枢の心の動きこそが、この最終巻の最大のヤマ場だと私は感じました。
ヴァンパイア騎士memoriesネタバレ｜最後の結末は？枢はどうなる？
■涙腺崩壊のラスト結末
最終話で枢が下した決断は、長年のファンの間で大きな話題となりました。
優姫への渇望が頂点に達した枢は、ついに「……もうやめだ」と呟き、人間としての生を諦めます。
彼は、かつて李土によって目覚めさせられた際の自分の古い体、つまり枯れ木のような不完全な肉体（協会跡地の地下に眠っていたもの）から血を取り込み、再び吸血鬼へと戻る道を選びます。
そして、愛と恋が見守る中、自らの心臓を引き抜くという、前作の自己犠牲とは真逆の行為で、優姫の心臓を呼び覚まします。
これにより、優姫は一時的に仮初めの姿で現れ、千年ぶりに枢と再会を果たすのですが、枢が吸血鬼に戻ったこと、自分を蘇らせたことに優姫は怒りをぶつけます。
それでも、枢は優姫を抱きしめ、心からの「愛しているよ」という言葉を伝え、優姫もまた笑顔で「枢」と呼び、感謝を告げます。
しかし、優姫の仮初めの体は長くは持たず、やがて赤ん坊の姿に戻ってしまうのです。
最終的な結末の描写は、樋野先生らしい、非常に詩的で曖昧なものになっています。
枢は血を滴らせたまま、赤子の優姫を抱いて家へ戻り、ロッキングチェアに座るのですが、次の瞬間、ロッキングチェアは誰もいなくなって静かに揺れています。
この「誰もいないロッキングチェア」のシーンは、二人が共に穏やかな最期を迎えたことを示唆しているようにも、枢が最後に見た幸福な幻想だったようにも解釈できます。
愛と恋は、彼らの父と母、そして枢先輩の愛の終着点を見届け、どこか悲しげな表情でその場を去っていくところで、この千年にわたる物語は幕を閉じました。
私個人としては、枢が自分の欲望を貫き、一瞬でも優姫との再会を果たせたことは、彼の長きにわたる贖罪の終わりであり、ある意味で最高の救いだったのではないかと感じています。
ヴァンパイア騎士memoriesネタバレ｜感想
■読者が綴る切なくも温かい感想
この物語の完結は、やはり多くの読者に深い感動を与えていますね。
感想を読んでみると、この作品の魅力が「切なさと美しさ」にあることが改めて分かります。
「memories」は、枢が眠っていた千年の間に、優姫と零が時間を過ごし、家族を築いていく過程が描かれているため、「零派」の読者からは、零の優しさが深まり、優姫と幸せそうに過ごす姿が見られたことに満足の声が多く上がっています。
また、前作の終盤で優姫が零と枢、どちらを選んだのか、その後の関係はどうなったのかというモヤモヤが解消されたという意見も目立ちました。
特に、優姫が零と枢、それぞれとの間に子供をもうけたという、一見複雑な関係も、「単純な二股ではなく、それぞれの愛の形として納得できた」という声があり、作者の心理描写の深さが伝わってきます。
一方で、私のような「枢派」の読者からは、枢の出番が少ないことに寂しさを覚えつつも、「再び動く枢様を見られて泣きそうになった」という熱いコメントも多く見られました。
この作品の独特なところは、テーマが重く暗いにも関わらず、樋野先生の美麗な作画と、キャラクターたちが互いを思いやる「自己犠牲的な愛」の描写によって、読後にはどこか温かい余韻が残る点だと思います。
まとめ
■終わりに：千年の愛が残したもの
『ヴァンパイア騎士memories』は、優姫、枢、零という3人が織りなした、千年にわたる愛のドラマの集大成でした。
それは、純血種という「永遠の命」を持つ者の孤独や葛藤、そして「有限の命」を持つ人間との絆が、いかに強く、儚く、美しいものなのかを深く教えてくれる作品だったと感じています。
枢の最後の選択は、優姫が彼に与えようとした「人間としての幸福」という鎖を断ち切り、自分自身の「愛」という純粋な衝動に従った、彼なりの「贖罪の終わり」であり「再生」だったのではないでしょうか。
最終巻を読み終え、この壮大な物語を最後まで見届けられたことに、心から感謝の気持ちしかありません。
この美しい世界観に浸り、彼らの運命に一喜一憂できたことは、私たちファンにとって何ものにも代え難い宝物ですね。
もし、まだ未読で迷っている方がいれば、ぜひ前作から読み進めて、この切なくも美しいフィナーレをあなた自身の目で見届けてほしいと心から願っています。
