知床の厳しい自然の中に、そっと灯りがともるような宿が誕生しました。
その名は「KOBUSTAY(こぶすてい)」、羅臼昆布を愛してやまない漁師夫妻の想いが詰まった場所です。
人生の楽園(12月20日)羅臼の宿・KOBUSTAY開店の経緯
■夫婦が歩んだ開業への道のり
この宿を切り盛りするのは、羅臼昆布漁師の加瀬基敏さんと、札幌から移住してきた妻の里紗さんです。
里紗さんはかつて観光協会の事務局長を務めていた経歴の持ち主で、結婚を機に漁師の家へと嫁ぎました。
温暖化の影響で海の変化を肌で感じるなか、二人は「昆布の魅力を次世代へ伝えたい」という切実な願いを抱くようになります。
当初は基敏さんも新しい事業に慎重でしたが、愛する妻の情熱に応えようと、全面的な協力を決意したそうです。
そんな二人の絆が形となり、築40年の昆布番屋を丁寧にリノベーションして、2025年2月にこの宿がオープンしました。
羅臼の宿・KOBUSTAYの特徴
■昆布と暮らす贅沢なひととき
宿の最大の特徴は、何といっても現役の漁師さんから直接学べる体験プログラムにあります。
1階のレクチャースペースでは、昆布の整形作業である「ヒレ刈り」を体験でき、自分だけのお土産を作ることも可能です。
2階の客室は1日1組限定の貸切スタイルなので、誰に気兼ねすることなくプライベートな時間を満喫できますね。
窓の向こうには雄大な根室海峡が広がり、朝には国後島から昇る感動的な日の出を拝めるかもしれません。
食事は自炊が基本ですが、冷蔵庫には漁師さん秘伝の「羅臼昆布極上一番出汁」や旬の食材が用意されているのが嬉しいポイントです。
料理人のように本格的な出汁を使いこなしながら、地元の味を自分で調理する体験は、都会では絶対に味わえない贅沢だと感じます。
羅臼の宿・KOBUSTAYの場所・アクセス
■羅臼までのアクセス
この楽園への入り口は、中標津空港を利用するのが最もスムーズです。
空港からは車を走らせて約50分から2時間ほど、根室海峡の海岸線を進んだ場所に宿は佇んでいます。
北海道らしい広大な景色を眺めながらのドライブは、宿に到着するまでの気持ちを高めてくれるはずです。
住所は北海道目梨郡羅臼町春日町38に位置しており、静かな漁師町の日常に溶け込むことができます。
羅臼の宿・KOBUSTAY周辺の観光情報
■周辺で楽しむ知床の絶景
宿を拠点に少し足を延ばせば、世界自然遺産ならではのダイナミックな観光スポットが目白押しです。
まずは日本百名山の一つである羅臼岳の雄姿を眺め、知床峠からの大パノラマに息を呑むのも良いでしょう。
海に目を向ければ、観光船に乗ってクジラやシャチ、冬には流氷の上に佇むオオワシを探す冒険が待っています。
疲れた体を癒すなら、原生林に囲まれた野趣あふれる露天風呂「熊の湯」でリラックスするのも最高です。
「道の駅 知床・らうす」では、地元の新鮮な海の幸をお土産に選ぶ楽しみもありますね。
まとめ
■旅の終わりに寄せて
KOBUSTAYは単なる宿泊施設ではなく、羅臼という土地の呼吸を肌で感じるための「家」のような場所です。
加瀬さん夫妻の温かいおもてなしに触れるたび、日々の忙しさで忘れていた大切な何かを思い出せる気がします。
私もいつか、大切な人を誘ってこの静かな海辺の宿で、出汁の香りに包まれながらのんびり過ごしてみたいと心から思いました。
本物の豊かさを探しているあなたにこそ、この羅臼の物語に触れてほしいと願っています。
都会の喧騒から離れて、漁師町の日常という非日常に身を投じる体験は、あなたの人生に新しい彩りを添えてくれるに違いありません。
