終末のワルキューレ』で王の魂を見た!始皇帝の強さとハデス戦の真実
神と人類の究極バトルを描く『終末のワルキューレ』、読んでますか?
次々と登場する歴史上の偉人たちの中でも、一際異彩を放つのが人類側の代表、始皇帝、彼こそが「始まりの王」です。
端正な容姿と豪胆な性格、そして壮絶な過去を持つ始皇帝は、その戦闘描写だけでなく、王としての哲学が熱狂的なファンを生んでいます。
今回は、そんな始皇帝の知られざる魅力と、冥界の王ハデスとの激闘の全てを、検索意図を完璧に掴んで徹底的に掘り下げていきますね!
この王の生き様を知れば、あなたのラグナロク観戦はさらに深く、熱くなるはずです。
※ネタバレ注意
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終末のワルキューレ考察|始皇帝とは?
■王の容姿と信念
始皇帝のビジュアルは、一度見たら忘れられないほどのインパクトがありますよね。
まず、彼のトレードマークといえば、黒髪の短髪に、顔の右側に入った百足のような刺青、そして常に目元全体を覆う目隠しです。
普段は目隠し姿でその表情を隠していますが、一度目隠しを外した素顔は端正な顔立ちで、ギャップに女性ファンが熱狂するのも納得です。
戦乙女のアルヴィトでさえ、始皇帝にお姫様抱っこをされ「ズルい」と顔を赤くしていたほどですから、その顔面偏差値は神にも劣らないでしょう。
そして、彼の性格は、明朗快活で誰にでも笑顔で接しますが、同時に自分が一番偉いという唯我独尊な態度を崩しません。
一人称は「朕(ちん)」を使い、神であろうと、ヘルメスに酒を注がせたり、アレスを軽々と投げ飛ばしたりするほどの尊大な態度を取るんです。
しかし、彼のこの態度は単なる傲慢ではなく、「王は惑わず、曲げず、頼らず、常に民の先頭に立ち続ける」という揺るぎない信念から来ています。
この孤高にして絶対的な王の風格こそが、始皇帝の最大の魅力だと僕は強く感じています。
終末のワルキューレ|始皇帝の過去
■呪われし王子の壮絶な人生
始皇帝(本名:?政)の強さは、彼の生まれながらの「呪い」ともいえる壮絶な過去に起因していることをご存知でしょうか。
彼は紀元前259年に生まれましたが、幼少期を敵国である趙で人質として過ごすことになります。
父と国から捨てられ、長平の戦いで秦軍が趙兵を虐殺した報復として、趙の民から強い憎悪を向けられ、その憎悪を罰として耐える日々を送っていました。
この苦しみの根源こそが、彼の特異体質である「ミラータッチ共感覚」です。
これは視覚を通して、他人の痛みや憎しみ、恨みといった感情までを、自分自身も痛みとして感じ取ってしまう地獄のような体質です。
幼少期の?政は、この激しい痛みに耐えながら常に作り笑顔をすることで感情を誤魔化し、内気な性格でした。
そんな彼の人生に光をもたらしたのが、世話役として出会った春燕(しゅんえん)という女性です。
彼女から自分らしく生きることを学び、痛みから守るための目隠しを貰ったことが、現在の始皇帝のトレードマークになっています。
しかし、秦への帰国直前に春燕は始皇帝を襲った者たちの手にかかり命を落としてしまいますが、始皇帝は彼女の遺志を胸に刻み、最高の王になることを誓ったのです。
そして成人後、中華を支配していた邪神蚩尤(しゆう)を6日間にわたる激戦の末に撃退し、その際に蚩尤の武術を体得、中華統一という偉業を成し遂げました。
痛みを身に刻んだからこそ、「他人の痛みなどいくらでも耐えられる」という強靭な精神力と忍耐力、そして「人の痛みを識るからこそ、朕は最高の王」という哲学を持つに至ったわけです。
終末のワルキューレ|始皇帝の強さ
■蚩尤と共感覚の戦闘能力
始皇帝の戦闘スタイルは、他の人類代表と比べても極めて個性的で、基本的に武器を装備せず体術で戦うのが特徴です。
彼の身体能力は非常に高く、体格で勝る神アレスを片腕で軽々投げ飛ばしてしまうほどの力を持っています。
しかし、ラグナロクでは戦乙女(ワルキューレ)の十女、アルヴィトと神器錬成(ヴェルンド)を行います。
神器は、防御に特化した鎧「神羅鎧袖(しんらがいしゅう)」として錬成され、彼の体術を最大限に活かすための装備となりました。
彼の強さの核心は、幼少期に身につけた「ミラータッチ共感覚」を戦闘に転用する能力にあります。
この能力を極限まで高めた結果、彼は相手の気の流れの要(ツボや弱点)を「星」のように視覚化できるようになりました(気視)。
この「星」を狙い、相手の攻撃を止めたり、技の威力をそいだりするのが、彼が蚩尤討伐で体得した究極の武術「蚩尤(しゆう)」です。
蚩尤には主に以下の強力な技の型が存在します。
- 蚩尤鎧式・承力天鳳(しこうしょうりきえんざん):相手の攻撃の力を受け流し、さらにその力を体内に巡らせて反射させるカウンター技。アレスを投げ飛ばしたのもこの技の応用です。
- 蚩尤矛式・泰山龍爪(たいざんりゅうそう):指に装着した鋭い装飾で、龍の爪のように相手を抉る攻撃技。
- 蚩尤弩式・波流亀(はりゅうき):相手の「星(気の要)」を読み、空気の塊(息)を飛ばして気の流れを乱し、相手の気を弱体化させるトリッキーな技です。この技は、目が見えなくなるという代償を伴います。
始皇帝の戦いは、自分の痛みすら利用し、相手の攻撃を「理解」し「返す」という、まさに王の哲学が具現化した戦闘スタイルなのです。肉体の衝突だけでなく、精神性の読み合いこそが彼の真骨頂。最高にかっこいいですよね!
終末のワルキューレ|始皇帝はハデスが対戦相手!
■王VS王 ハデスとの激闘
始皇帝が人類の代表として出場したのは、ラグナロクの第7回戦です。
対戦相手は、ギリシャ最強三兄弟の長兄にして、神々から「神が最も信頼する神」と尊敬される冥界の王ハデスでした。
ハデスは当初ラグナロクに出場予定ではありませんでしたが、弟ポセイドンが佐々木小次郎に敗れて消滅したこと、そして釈迦が人類側に寝返ったことで空いた枠を埋めるべく、弟の仇討ちと神々の威信のために急遽参戦を表明しました。
この戦いは、中華の「始まりの王」VS冥界の「王」という王同士の頂上決戦として大きな注目を集めました。
戦闘序盤、ハデスの剛の槍術に対し、始皇帝は「承力天鳳」で攻撃を受け流したり、「波流亀」でハデスの気を乱したりと、戦術的に優位に立ちます。
しかし、冥界の王は伊達ではありません。ハデスは始皇帝の「波流亀」の攻略のため、自らの胸を槍で切り裂くという、あまりにも悲壮な覚悟を見せます。
ハデスは自らの特殊な血液「プルートイーコール」を神器に注ぎ込み、神器を命を削る引き換えに「宿命の四血槍(イコール・デスモス)」へと強化して形勢を逆転させます。
ハデスの最大奥義「血が導きし曙光(イーコール・エーオース)」の一撃は、始皇帝の神器を崩壊させ、左肩を抉り取る致命傷を与えてしまいます。
絶体絶命の窮地に立たされた始皇帝でしたが、彼は決して屈しませんでした。
防御の要であった神器「神羅鎧袖」を、攻撃特化の剣「神羅鎧袖改 始皇勾践剣(しこうこうせんけん)」へと再錬成させ、残されたすべてを次の一撃に賭ける決死の選択をします。
この再錬成は、パートナーであるアルヴィトが自身の能力の全てを始皇帝に託すという、一蓮托生の極限の覚悟によって実現しました。
そして、互いの命と矜持を賭けた最後の一撃が衝突した瞬間、始皇帝はハデスの槍自体の気の要を「波流亀」で乱し、イコールデスモスを破壊します。
最強の矛を失ったハデスの胴体を、始皇帝は渾身の「蚩尤剣鎧式・始皇承力燕斬」で貫き、激闘の末に勝利を収めるのです。
終末のワルキューレ ネタバレ|始皇帝は死亡?勝敗は?
■勝敗、そして今は?
第7回戦、始皇帝VSハデス戦は、試合時間12分57秒、決まり手「始皇承力燕斬」により、人類代表・始皇帝の勝利で幕を閉じました。
この勝利によって、人類側はラグナロク史上初めて神側に対し4勝3敗とリードを奪うことに成功しました。
そして、この戦いの結末が感動的だったのは、ハデスの散り際です。
彼は敗北の瞬間、憎しみを見せることなく、自分を打ち破った始皇帝を「それでこそ王だ」と静かに称賛し、その存在を「王」として認めました。
始皇帝もまた、死闘を共にしたハデスに対し深く感謝を捧げ、「朋(とも)よ」と呼び、最高の敬意を払って冥王の魂を見送ったのです。
さて、気になる始皇帝の生死ですが、彼はハデスの強烈な攻撃を受け、左腕を失い、ハデスに負わせた傷がミラータッチ共感覚を通じて自身にも影響したことで、意識不明の重体という非常に危険な状態に陥りました。
しかし、彼は死亡していません。
一蓮托生の関係にあるパートナーのアルヴィトと共に、専用の治療室で回復のために眠りについています。
現在、ハデスの弟であるアダマスが始皇帝への復讐を示唆する発言をしているため、ブリュンヒルデによって暗殺されないよう秘密裏に匿われている状態です。
王の戦いは、リングを降りたあとも続いているわけですね。
終末のワルキューレ|始皇帝の声優
■声優:あの人気キャラと同じ?
アニメで始皇帝に命を吹き込んでいるのは、人気若手声優の石川界人(いしかわ かいと)さんです。
石川さんは2020年に第14回声優アワードで助演男優賞を受賞されている実力派で、彼の持つ落ち着いた低音ボイスとカリスマ性は、始皇帝の堂々たる王の雰囲気にぴったりだと感じています。
彼の代表作をいくつか挙げると、
- 『ハイキュー!!』影山飛雄役
- 『ワンパンマン』ジェノス役
- 『僕のヒーローアカデミア』飯田天哉役
など、クールで熱いバトルシーンを演じるキャラクターを数多く担当されています。
アニメ版『終末のワルキューレIII』で始皇帝とハデスの戦いが描かれることが期待されますが、石川さんの声で「朕は倒れぬ!」や、あの「好(ハオ)!」が聞けるかと思うと、今からワクワクが止まりません!
■王の矜持を貫く男
『終末のワルキューレ』の始皇帝は、その壮絶な幼少期の痛みを力に変え、誰にも屈しない王の信念を貫き通した、最高のエンターテイナーです。
特にハデスとの戦いで見せた、満身創痍になりながらも立ち上がる姿や、左腕を失いながらも防御を捨てて攻撃に転じた決死の覚悟は、読者に大きな感動を与えてくれました。
彼の「痛みを知るからこそ、王として立てる」という哲学は、現代を生きる私たちにも、逆境を乗り越える勇気を与えてくれる気がします。
彼の存在は、まるで、壊れやすいガラス細工の中に、世界で最も硬いダイヤモンドを埋め込んだような、危うさと強さが共存する美しい矛盾の体現者だと言えるでしょう。
これからも王として、ラグナロクの戦いを見守り、そして物語のどこかで再びその覇気を見せてくれることを期待しています!

