いよいよ第11週「ガンバレ、オジョウサマ。」の幕開けとなった朝ドラ「ばけばけ」、今回も濃密な15分でしたね!
特にヘブン先生が放ったあの「爆弾発言」で、松野家の面々が凍り付く様子は、ユーモラスであると同時に、彼らの抱える「貧乏」という現実が改めて突きつけられた瞬間でもありました。
今回は、いよいよ核心に迫るヘブンの「ラストピース」の謎と、次週で予想されるトキの心の変化を、熱く深く考察していきましょう!
ばけばけ(朝ドラ)51話までの振り返り
■50話振り返り:通りすがりの悲しい真実
前回の第10週は、ヘブン(トミー・バストウ)が松江の寒さに倒れ、トキ(髙石あかり)が献身的に看病する場面から始まりました。
病の床でヘブンが思わず漏らした「私はただの、通りすがりのただの異人です」という言葉は、トキの心に深く刺さりましたよね。
トキは、ヘブンとの距離が縮まったと感じていた矢先に、この大きな「壁」を感じて動揺します。
そんなトキを励ますべく、松江中学の生徒・小谷(下川恭平)が、トキの愛する怪談の聖地、清光院へとランデブーに誘ってくれました。
しかし、トキが熱く怪談の世界観を語り始めたのに対し、小谷はついていけず、まさかの「時間の無駄です」という言葉とともに去っていくという、衝撃的な失恋(?)劇が繰り広げられたのです。
この一件で、トキは「怪談好き」という自分の核となる部分を理解されない寂しさを感じましたが、一方でヘブンは「(デートは)楽し…ノー、ありませんでした」というトキの言葉を聞いて、どこか安堵しているように見えましたね。
ヘブンの「通りすがり」というテーマが、トキとヘブン、そしてトキと小谷の関係を対比させることで、より際立つ週となりました。
ばけばけ(朝ドラ)51話ネタバレあらすじ
■第51話あらすじ:新年の爆弾とリヨの強気
第51話は、明治24年の新年を迎えた松江からスタートしました。
トキはヘブンに日本の新年の挨拶を、羽織袴の着付けとともに教え、「シンネン アケマシテ オメデトウゴザイマス」と見事に披露するヘブン先生が可愛かったですね。
そして、錦織(吉沢亮)がやって来て、学校以外では「ヘブンさん」と呼び合う仲へと進展したのも、二人の距離が縮まった証拠でしょう。
そんな中で、ヘブンが今年の抱負として語ったのが、日本滞在記を書き上げたいこと、そして「ラストピース」を見つけたいということでした。
この「ラストピースが見つかって、滞在記が書き上がったら…」というトキの不安は、錦織の「ここにいる意味がなくなるだろうな」という冷静な返答によって現実味を帯びてしまいます。
その後、松野家一同とヘブンが花田旅館で行った新年会で、事態は一変します。
乾杯の音頭を頼まれたヘブンは、「ショウガツ、タノシ、スバラシ。デモ、サムイ。ツギ、フユ、ワタシ、マツエ、イナイ」と、来年の冬は松江にいない、つまり帰国するかもしれないという爆弾発言を宣言。
宴会の空気は一瞬で凍りつき、トキは慌てて「アメリカン冗談だけん」と取り繕いましたが、トキ自身の心の中は「やっぱり通りすがりなんですかね」という不安でいっぱいでした。
一方で、ヘブンに恋する知事の娘・リヨ(北香那)は、ヘブンが1年契約だと知っていたため驚かず、「寒さがいやなら我が家に暖炉を作ればいいこと」「私が繋ぎ止めてみせます」と、強気の宣言を残していきました。
ばけばけ(朝ドラ)51話ネタバレ感想
■51話感想:ラストピースはトキの怪談!
今回の見どころは、なんといっても羽織袴姿で一生懸命日本の挨拶をするヘブン先生の愛らしさと、松野家総出の新年会の賑やかさでした。
特に、ヘブン先生がトキの祖父・勘右衛門(小日向文世)を「ラストサムライ」と呼んだ時、いつもはヘブンに敵意むき出しの勘右衛門が、満面の笑みで応じているのを見て、なんだか胸が熱くなりました。
世代や文化を超えて、お互いの「存在」を認めるやり取りに、このドラマのテーマが凝縮されている気がします。
そして、新年会で誰よりも早く酔っ払っていたウメちゃん(野内まる)の「あいつが一番飲んじょる」という平太(生瀬勝久)のツッコミと、彼女の呑気な「おめでとうございまーす!」で、張り詰めた空気が一瞬和むのも絶妙でした。
ラストピースは「日本の心」
さて、ヘブンが求めている「ラストピース」ですが、錦織の提案した「正月」ではなかったようですね。
ヘブンのモデルである小泉八雲は、妻となる小泉セツから怪談を聞いたことをきっかけに、日本の精神文化の深遠さに目覚め、生涯をかけて『怪談』などの作品を生み出しました。
そう、ヘブンの探している「ラストピース」とは、まさにトキが愛してやまない「怪談」、すなわち日本人の持つ独特な死生観や、自然や霊を敬う心そのもの、つまり「日本の心」に他ならないと確信しています。
トキは、洋装のリヨ(北香那)が持っていない、その「見えないもの」を愛する心を持っています。
この先、ヘブンがそのラストピースをトキの語る怪談の中に見つけ出し、トキこそが自分の探していた「ピース」だと気づく展開が待ち遠しいです!
ばけばけ(朝ドラ)51話からどうなる?
■次回展開予想:松野家総出の奇策とトキの恋心
次週以降の展開は、ヘブンの「帰国宣言」を受けて、松野家がパニックに陥るところから始まります。
ヘブンがいなくなれば、トキは高額な給金を失い、再び借金取りに追われる地獄の日々が再開してしまうからです。
そこで松野家が考えたのが、県知事の娘で金銭的に余裕があるリヨの恋を応援し、リヨにヘブンを射止めさせて松江に引き留めようという「トンデモ奇策」です。
松野家は、リヨがヘブンと結婚すれば、トキも県知事一家の女中になり給料が上がると目論みますが、これは完全にヘブンとリヨの気持ちを無視した親心…いえ、借金返済プランですね。
しかし、この計画に対してトキだけは素直に応援できません。
トキは、リヨがヘブンを快気祝いパーティーに招待し、そこで告白するという話を聞いて、胸のモヤモヤが加速するでしょう。
これは、トキがヘブンのことを「通りすがりの異人」として割り切れず、すでに特別な感情を抱いていることの表れでしょうね。
そして、次週のクライマックスは、リヨの告白に対し、ヘブンが自分の過去を語り始める場面です。
ヘブンは、アメリカ時代に黒人のルーツを持つ女性と結婚しようとしたものの、州法で異人種の結婚が禁止されていたために新聞社を解雇され、深い傷を負ったという、彼の「通りすがり」になった悲しい過去を明かします。
この過去を知ることで、トキはヘブンの孤独や、彼が日本に居場所を探し求めている真の理由を理解するでしょう。
リヨの恋が終わることで、トキとヘブンの関係は、いよいよ「怪談」というラストピースと「孤独の共有」を通じて、一気に夫婦へと向かう流れが作られるはずです。
まとめ
■通りすがりの異人が松江に定着する鍵
朝ドラ「ばけばけ」第51話は、新年のめでたい空気の中で、ヘブンの帰国宣言という最大の危機が浮上した回でした。
しかし、この危機は、トキのヘブンへの気持ちを自覚させ、松野家がヘブンを「大事な収入源」としてではなく、「家族の一員」として引き留めようとする原動力にもなっていきます。
ヘブンが探す「ラストピース」は、異文化の表面的な面白さではなく、トキの心に深く根差した日本のスピリチュアルな世界です。
この「見えないものへの愛」こそが、ヘブンの滞在記を完成させ、彼を松江に定着させる鍵となる。
そう考えると、トキの不器用で純粋な「怪談愛」が、世界文学の偉大な作品を生み出すことになる…なんともロマンチックな展開が待っている予感がして、毎朝テレビの前から離れられません!
ヘブン先生が「通りすがり」ではなく、トキの隣に「居場所」を見つける日が、もうすぐそこまで来ていますよ!
(注:小泉八雲の史実では、彼の妻セツは最初の夫・前田為二と離婚し、その後八雲と再婚しています。)
