ドラキュラ/デメテル号最期の航海|あらすじレビュー!※ネタバレ注意

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こんにちは、はるをです!

この記事では2023年に公開された映画「ドラキュラ/デメテル号最期の航海(英語版タイトル:The Last Voyage of the Demeter)」について解説しています。

「ドラキュラ/デメテル号最期の航海」は大海原を舞台に、逃げ場のない恐怖を描いた、息をのむ吸血鬼スリラー。

ドラキュラ伝説を新たな視点で描き、閉ざされた船内で繰り広げられる血塗られた航海の物語です。

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古典的吸血鬼ドラキュラの新たな恐怖を描いた予測不能なモンスターパニックだよ

Universal Pictures Japan

ドラキュラ/デメテル号最期の航海解説|あらすじ・キャストは?感想は面白い?

物語は、1897年、ルーマニアからイギリスのロンドンに向けて出航した商船デメテル号を舞台に展開されます。

この船には、謎に包まれた50個もの木箱が積まれており、その中には恐ろしい秘密が隠されているのです。

航海の始まりは比較的平穏でしたが、日が経つにつれて船内では不可解な出来事が頻発するようになります。

飼っていた家畜が次々と無残な姿で発見されたり、夜の見回りをしていた乗組員が何かおぞましい影を目撃したりと、不吉な予感が船全体を覆い始めます。

そして、ある夜、乗組員たちは積荷の中から瀕死の女性アナを発見します。

彼女はドラゴンの紋章が描かれた木箱の中に隠れていたのですが、実は生贄として捧げられた過去を持っていたのです。

クレメンスという医師が輸血などの手当を施し、一時的に命を取り留めますが、彼女の出現は更なる恐怖の幕開けとなります。

なぜなら、彼女こそが、木箱に潜んでいた吸血鬼ドラキュラの存在を告げる証だったからです。

それからというもの、毎夜のように乗組員たちは正体不明の怪物に襲われ、一人、また一人と姿を消していきます。

逃げ場のない大海原の真ん中で、彼らは見えない恐怖と戦い続けなければなりません。

密室状態の船内は疑心暗鬼に包まれ、生き残るために必死の抵抗を試みますが、ドラキュラの容赦ない攻撃に翻弄されていくのです。

船長の航海日誌には、この約1カ月にわたる、無慈悲な存在との壮絶な闘いの記録が克明に記されていきます。

果たして、彼らはこの悪夢のような航海から生きて帰ることができるのでしょうか?

そして、ドラキュラの魔の手はどこまで伸びるのでしょうか……。

ドラキュラ/デメテル号最期の航海|キャスト

次に、この恐怖の航海を彩るキャストと登場人物について詳しく見ていきましょう。

主人公のクレメンス医師を演じるのは、コーリー・ホーキンス。

彼はケンブリッジ大学を卒業した優秀な医師ですが、当時の社会における人種差別により、なかなか職を得られずにいました。

デメテル号への乗船は、彼にとって世界を知るための数少ない機会だったのです。

知性と正義感にあふれるクレメンスは、船内で起こる異変にいち早く気づき、真相を突き止めようと奔走します。

彼の冷静な判断力と人道的な行動は、極限状態に置かれた乗組員たちにとって一筋の光となります。

コーリー・ホーキンスの、知的ながらも内に秘めた強い意志を感じさせる演技が、クレメンスというキャラクターに深みを与えています。

デメテル号のエリオット船長を演じるのは、リーアム・カニンガム。

彼は長年の航海経験を持つ、厳格ながらも乗組員たちを大切に思う船長です。

自身の船と航海の安全に強い責任感を抱いていますが、予測不能な事態に直面し、苦悩する姿が痛々しいです。

特に、彼の幼い孫であるトビーを深く愛しており、その身に危険が迫った時の取り乱しようは観る者の心を締め付けます。

リーアム・カニンガムの、ベテランらしい重厚な演技が、船長の威厳と人間的な弱さをリアルに表現しています。

謎の多いアナを演じるのは、アシュリン・フランシオーシ。

彼女はドラキュラの故郷近くの村で、生贄として捧げられる運命にあった女性です。

ひょんなことからデメテル号に乗り合わせますが、その過去ゆえにドラキュラの恐ろしさを誰よりも知っています。

重度の貧血に苦しみながらも、生き残るために、そしてドラキュラに立ち向かうために、強い意志を見せる勇敢な女性です。

アシュリン・フランシオーシの、憂いを帯びた表情と、決意を秘めた眼差しが、アナの複雑な内面を繊細に描き出しています。

航海士のヴォイチェクを演じるのは、デヴィッド・ダストマルチャン。

彼は船長からの信頼も厚く、乗組員たちのまとめ役となる人物です。

真面目で実直な性格ですが、想像を絶する恐怖を前に、徐々に追い詰められていく姿が印象的です。

デヴィッド・ダストマルチャンの、朴訥とした中にも滲み出る人間味が、ヴォイチェクというキャラクターをより身近な存在に感じさせます。

そして、最も恐ろしい存在、ドラキュラ伯爵を演じるのは、ハビエル・ボテット。

彼はその独特な体型と動きで、数々のホラー映画で異形のクリーチャーを演じてきた俳優です。

本作におけるドラキュラは、従来の貴族的なイメージとは異なり、より野性的で獣のような恐ろしい存在として描かれています。

言葉を発することはほとんどなく、その異様な姿と動きだけで、観る者に底知れぬ恐怖を与えます。

ハビエル・ボテットの、人間離れした動きと容貌が、本作のドラキュラの異質さを際立たせています。

その他にも、

■船長の孫であるトビー少年(ウッディ・ノーマン)

■副船長のラーセン(マルティン・フルルンド)

■コックのジョセフ(ジョン・ジョン・ブリオネス)

など、個性豊かな乗組員たちが登場し、それぞれのドラマが繰り広げられます。

彼ら一人ひとりのキャラクターが丁寧に描かれているからこそ、犠牲になっていく姿がより一層悲しく、恐怖感を増幅させるのです。

ドラキュラ/デメテル号最期の航海解説|結末は?ネタバレ注意

次に、この過酷な航海の最後の結末について触れたいと思います

はるを
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ネタバレを含みますので、まだご覧になっていない方はご注意くださいね。

激しい戦いの末、デメテル号はついにイギリスの海岸へと漂着します。

しかし、船内には誰一人として生きた乗組員の姿はありませんでした。ただ、船長の書き残した航海日誌だけが、そこで起こった惨劇を物語っています。

クレメンスとアナは、ドラキュラを倒すために最後の力を振り絞ります。

アナは、自らがドラキュラを引きつける囮となり、その隙にクレメンスが攻撃を仕掛けようとしますが、ドラキュラの強大な力に苦戦を強いられます。

しかし、アナの機転により、ドラキュラは落下してきた支柱とマストに挟まれ、一時的に動きを封じられます。その隙に、クレメンスとアナは海へと飛び込み、船から脱出を試みます。

しかし、船が完全に沈没する前に海岸に辿り着き、ドラキュラは再びその姿を現します。

一方、海に漂流していたクレメンスとアナですが、アナは輸血によって一時的に抑えられていた吸血鬼化が進行し始めます。

クレメンスは再び輸血をしようとしますが、アナは自らの運命を悟り、自ら朝日を浴びて焼死という悲しい最期を迎えます。

ただ一人生き残ったクレメンスは、ロンドンへと辿り着きます。

しかし、彼の安堵も束の間、夜の街で、デメテル号で使っていたノックの合図を耳にします。

振り返ると、そこには人間の姿に身をやつしたドラキュラがいたのです。ドラキュラは、クレメンスにつけた傷に触れると、再び闇の中へと姿を消します。

この遭遇により、クレメンスはドラキュラが生き延び、ロンドンに潜んでいることを確信します。

彼は、デメテル号の乗組員たちの無念を晴らし、この恐ろしい吸血鬼を根絶することを心に誓い、その影を追うのでした。

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物語は、クレメンスの新たな戦いが始まることを示唆して幕を閉じます。

デメテル号の航海は悲劇的な結末を迎えましたが、その恐怖は新たな場所へと広がっていくのです。

ドラキュラ/デメテル号最期の航海|レビュー・感想は面白い?

さて、この映画を実際に見た人たちの感想はどうだったのでしょうか?様々な意見がありますが、いくつかご紹介したいと思います。

多くの人がまず指摘するのは、舞台設定の斬新さです。

ドラキュラの物語といえば、古城や夜の街を舞台にしたものが多いですが、本作では大海原を航海する閉鎖された船の中という、逃げ場のない状況が恐怖感を高めています。

まるで「吸血鬼版エイリアン」のようだという声も聞かれました。

一方で、ドラキュラの描写については賛否両論あります。

従来の紳士的なイメージとはかけ離れた、獣のようなクリーチャーとして描かれているため、原作ファンの中には違和感を覚えた人もいるようです。

しかし、その異形な姿が、より直接的な恐怖を煽るという意見もあります。

物語の展開については、「序盤の不穏な空気感が素晴らしい」という声がある一方で、「中盤以降はやや単調に感じる」という意見も。

また、「最後まで絶望的な状況が続くのが辛い」と感じた人もいるようです。しかし、その容赦のない展開こそが、本作のリアリティであり、見どころの一つだという意見もあります。

キャストの演技については、全体的に高評価を得ています。

特に、主人公クレメンスを演じたコーリー・ホーキンスの、知性と葛藤を表現した演技は多くの観客の心を捉えたようです。

アナを演じたアシュリン・フランシオーシの、悲壮感漂う演技も印象に残ったという声が多く聞かれました。

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個人的な感想としては、私もこの舞台設定は非常に面白いと感じました。

大海原という広大な空間でありながら、船という極めて閉鎖的な場所で、徐々に追い詰められていくというコントラストが、何とも言えない恐怖を生み出していました。

ドラキュラの描写についても、確かに従来のイメージとは異なりますが、私はこれはこれで、新たなドラキュラの恐怖を描き出す試みとして興味深く見ました。

ただ、物語の展開には、もう少しメリハリがあっても良かったかなと感じる部分もありました。

ドラキュラ/デメテル号最期の航海|見どころ・続編は?

最後に、この映画の見どころを改めてまとめておきましょう。

まず、何と言っても逃げ場のない船上という舞台設定が生み出す、独特のサスペンスと閉塞感。

どこまでも広がる海の上で、徐々に数を減らしていく乗組員たちの恐怖と絶望は、観る者の心にも深く突き刺さります。

次に、従来のイメージを覆す、野獣のようなドラキュラの造形。その異形な姿は、言葉を超えた本能的な恐怖を喚起し、新たなドラキュラの魅力を発見させてくれます。

そして、個性豊かな乗組員たちの人間ドラマ

極限状態の中で見せる彼らの葛藤や勇気、そして絆は、ホラー映画でありながら、人間ドラマとしても見応えがあります。

特に、人種差別という困難を抱えながらも乗組員のために尽力するクレメンスの姿は、観る者に深い感動を与えます。

また、ゴシックホラーの雰囲気を大切にした、重厚な美術や撮影も見逃せません

薄暗い船内や荒れ狂う海の描写は、作品の持つ陰鬱な世界観をより一層引き立てています。

さらに、本作はブラム・ストーカーの原作の一部分に焦点を当てた、知られざるドラキュラの物語であるという点も魅力です。

ブラム・ストーカー - Wikipedia

原作を読んだことがある人も、そうでない人も、新鮮な気持ちでドラキュラの恐怖を体験できるでしょう。

そして、ラストシーンが示唆する、クレメンスの新たな戦いの始まり

この続きがあるのかどうかは分かりませんが、彼の復讐心と決意は、観終わった後も心に残る力強さを持っています。

いかがでしたでしょうか。『ドラキュラ/デメテル号最期の航海』は、単なるホラー映画としてだけでなく、人間の極限状態における恐怖や勇気、そして知られざるドラキュラの物語を描いた、見応えのある作品だと私は思います。

もし機会があれば、ぜひ皆さんもこの恐怖の航海を体験してみてください。きっと、今までとは違うドラキュラの魅力に気づくことができるかもしれませんよ。

それでは、今回はこの辺で。また次回の映画のお話でお会いしましょう!

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