こんにちは、はるをです!
この記事ではnetflixで4月4日に配信開始されたばかりの新作映画「TEST/テスト」について解説しています。
「TEST/テスト」はクリケットを舞台に、3人の男女の人生が交錯するヒューマンドラマ。
インドとパキスタンの歴史的な試合の裏側で繰り広げられる人間模様を描く!

インド映画ファンはもちろん、全ての人に贈る必見作だよ

TEST/テスト(netflix映画)解説|あらすじ
■まるで人生そのもの!熱いクリケットの試合が交錯させる、それぞれの試練を描いた人間ドラマ『TEST/テスト』のあらすじ
物語は、歴史的なクリケットの試合という、インドの人々にとって特別な瞬間を舞台に幕を開けます。
そんな熱狂渦巻く中、ごく平凡に生きてきた3人の男女の人生が、まるで運命のいたずらかのように、否応なく交錯していきます。
まずご紹介したいのは、アルジュン・ヴェンカタラーマン。
彼は、かつては国民的英雄だったクリケットのスター選手なのですが、今は不調にあえぎ、キャリアの岐路に立たされています。
かつての輝きを失いかけ、引退のプレッシャーに押しつぶされそうな彼にとって、このインド対パキスタンのテストマッチは、まさに最後の、そして最大の試練となるのです。

故郷チェンナイでの試合に、彼は文字通り全てを懸けて臨みます。
しかし、その重圧は彼の心身を蝕み、家族との関係にも暗い影を落としてしまうのです。
特に、クリケットが大好きな息子のアディに対して、つい厳しい言葉をかけてしまう場面は、見ていて胸が痛みました。
一方、クムダは、アルジュンの息子アディが通う学校の先生。
彼女は、生徒たちを温かく見守る優しい女性ですが、実は誰にも言えない深い悩みを抱えています。
それは、長年望んでいる子供をなかなか授かることができず、高額な不妊治療に最後の望みを託しているということ。
彼女にとって、この治療のタイムリミットもまた、目前に迫っているのです。
そんな中、彼女の夫であるサラーヴァナンは、ある壮大な夢を追いかけています。
彼はMIT(マサチューセッツ工科大学)を卒業した優秀な科学者なのですが、今は食堂を経営しながら、水で動く画期的な燃料電池の開発に情熱を注いでいるんです。
彼の発明は、世界を変える可能性を秘めているのですが、政府からの認可はなかなか下りず、資金繰りにも苦労する日々を送っています。

このように、それぞれが人生の大きな岐路に立たされている3人。
クリケットの試合が進むにつれて、彼らの運命は複雑に絡み合い、予期せぬ方向へと転がり始めます。
サラーヴァンの研究資金の窮状は、次第に彼を追い詰め、危険な賭けへと手を染めさせてしまうのです。
そして、クムダとアルジュンの間には、過去のある出来事から生まれた、複雑な感情が横たわっています。

物語は単なるスポーツドラマに留まりません。
賭けの世界の暗い影、試合を不正に操作しようとする陰謀、そして控えめながらも政治的な駆け引きといった、社会の裏側も垣間見せてくれます。
しかし、この映画の核となるのは、そうしたスリリングな展開の中で、登場人物たちがどのように共存し、生き残り、そして一日一日を生きていくのかという、人間そのものの姿を深く描いている点だと感じました。
彼らはそれぞれの人生を一変させるような、重大な決断を迫られることになるのです。
その決断は、彼ら自身の未来だけでなく、愛する人たちの人生をも大きく左右していくことになります。
果たして、歴史的なクリケットの試合の結末とともに、彼らの人生はどのような結末を迎えるのでしょうか?
最後まで目が離せない、息詰まるような人間ドラマが繰り広げられます。
TEST/テスト(netflix映画)|キャスト
この魅力的な物語を彩るのは、インド映画界を代表する豪華なキャスト陣です。それぞれのキャラクターが抱える葛藤や人間性を、見事に体現しています。
まず、不調にあえぐスタークリケット選手、アルジュン・ヴェンカタラーマンを演じるのは、シッダールトです。
彼は、過去の栄光と現在の苦悩の間で揺れ動き、もがき苦しむアルジュンの姿を、繊細かつ力強く演じています。
特に、長年連れ添った妻のパドマや、大好きな息子のアディとの間で、言葉にならない感情が交錯するシーンは、彼の内面の葛藤がひしひしと伝わってきて、とても印象的でした。
また、クリケット選手としてのプライドと、父親としての愛情の間で揺れる彼の姿は、観る者の心を強く揺さぶります。
シッダールト自身も、この役を演じるにあたり、9ヶ月もの間クリケットのトレーニングを積んだそうで、その努力が、試合のシーンでのリアルな動きや佇まいに表れていると感じました。
彼の演技は、実際の国際的なクリケット選手であるR・アシュウィンからも、その信憑性を称賛されているそうで、プロのアスリートの現実的な描写に期待が高まります。
アルジュンのキャラクターは、ヴィラット・コーリという実在の有名クリケット選手の、父親の死後すぐに重要な試合に出場した経験からインスピレーションを得ているそうで、彼の内面に宿る並外れた献身と精神的な強さが、アルジュンのキャラクターにも深く反映されているように感じました。
シッダールトは、アルジュンのキャラクターを、尊敬するクリケット選手ラーフル・ドラヴィッドに捧げているそうです。
アルジュンの息子アディの学校教師であり、夫のサラーヴァナンとの間で子供を望むという切実な願いを持つクムダを演じるのは、ナヤンターラーです。
タミル語映画界では「女性スーパースター」と称される彼女は、その圧倒的な存在感と、内面の複雑な感情を繊細に表現する演技力で、観る者を惹きつけます。
子供を渇望する女性の揺れる心情や、夫への愛情と苛立ち、そして過去に深い関わりを持つアルジュンへの複雑な思いなど、多層的な感情を見事に演じきっています。
特に、生徒であるアディを優しく見守る眼差しには、彼女自身の母性的な願望が滲み出ているように感じました。
ナヤンターラー自身も母親であることから、役柄に深く共感し、出演を即決したというエピソードからも、彼女の役への強い思い入れが伝わってきます。
彼女の演技は、批評家からも際立っていると評されており、この映画における感情的な支柱となっていると言えるでしょう。
そして、画期的な燃料電池の開発に人生を懸ける科学者サラーヴァナンを演じるのは、R・マドハヴァンです。
彼は、才能に溢れながらも、理想と現実のギャップに苦悩するサラーヴァナンの姿を、時にコミカルに、時にシリアスに演じ分けています。

妻クムダへの愛情と、自身の夢への執着の間で揺れる彼の葛藤は、観る者の心を締め付けます。
また、物語が進むにつれて、彼の焦燥感が募り、倫理観が揺らいでいく様子は、観ていてハラハラさせられました。
R・マドハヴァンは、この作品でプロデューサーとしても名を連ねており、役柄とS・サシカント監督の経験不足を理由に、当初脚本を断っていたというエピソードも興味深いですね。
しかし、監督の熱意と説得力のあるビジョンに心を動かされ、最終的に出演を決めたそうです。
彼の、どこか憎めないけれど危うい魅力を持ったサラーヴァナンというキャラクターは、この映画の物語を大きく動かす重要な存在です。
批評家の中には、彼の演技が目覚ましいと評する声もあれば、過剰だと感じる人もいるようで、彼の個性的な演技は、観る人によって様々な印象を与えるかもしれません。
さらに、アルジュンの妻パドマ役には、ミーラー・ジャスミンが、10年ぶりにタミル語映画界に復帰!
夫の不調を心配しながらも、懸命に支えようとする妻の姿を、控えめながらも存在感のある演技で表現しています。
彼女の久しぶりのスクリーン復帰は、往年のファンにとっても嬉しいニュースだったのではないでしょうか。
他にも、ナーサル、カーリー・ヴェンカット、ヴィナイ・ヴァルマといった、インド映画界ではお馴染みの名優たちが脇を固め、物語に深みを与えています。
このように、『TEST/テスト』は、実力と人気を兼ね備えた俳優たちの熱演によって、それぞれのキャラクターが抱える人間ドラマを、より一層リアルに、そして感動的に描き出しているのです。
彼らの演技を通して、観客はそれぞれのキャラクターの喜びや悲しみ、葛藤に共感し、物語の世界に深く引き込まれていくことでしょう。
TEST/テスト(netflix映画)解説|感想は面白い?
さて、この『TEST/テスト』ですが、見た人たちは一体どんな感想を抱いたのでしょうか?様々なレビューや意見を調べてみましたので、ご紹介しますね。
全体的な印象としては、賛否両論があるようです。
多くの人が、個性豊かなキャラクターたちの描写や、それを演じるキャストの演技を高く評価しています。
特に、ナヤンターラーの演技は際立っているという意見が目立ち、彼女が演じるクムダというキャラクターの感情の機微や、内面の葛藤に共感したという声が多くありました。
また、R・マドハヴァンやシッダールトの演技についても、役柄に合った熱演を見せているという評価がある一方で、一部では過剰に感じられたり、一本調子に感じられたという意見も見られました。
ストーリーについては、クリケットの試合という舞台設定や、それぞれのキャラクターが抱える個人的な問題が絡み合い、スリリングな展開を見せるという点を評価する声がありました。
特に、インドとパキスタンという宿敵同士の戦いを背景に、人々の熱狂やプレッシャーが描かれる様子は、臨場感があったという感想も。
また、スポーツ界の裏側にある賭けや八百長といった要素が、物語に深みと緊張感を与えているという意見もありました。
しかしその一方で、ストーリーの展開が強引だったり、都合の良い展開が多いと感じた人もいるようです。
また、前半のじっくりとしたキャラクター描写に比べて、後半のサスペンス要素がやや唐突に感じられ、二つの異なる映画を無理やり繋ぎ合わせたような印象を受けたという批判的な意見もありました。
さらに、上映時間が2時間25分とやや長く、中だるみを感じたという声もいくつか見られました。
映像や音楽といった技術的な面については、クリケットの試合シーンの撮影がリアルで迫力があったという声が多く、まるで実際の試合を見ているかのような臨場感を味わえたという感想がありました。
また、音楽を担当したシャクティシュリー・ゴーパランの楽曲についても、映画の感情的な風景を豊かに表現していると評価する声がありました。
撮影や編集についても、一定の評価を得ているようです。
全体として、『TEST/テスト』は、魅力的なキャラクターと実力派キャストの演技は高く評価されているものの、ストーリーの展開や構成には課題が残る、という印象のようです。
しかし、人間の欲望や葛藤、倫理観といった普遍的なテーマを描こうとする意欲は感じられ、観る人によっては深く考えさせられる部分もあるかもしれません。
私個人の感想としては、確かにストーリーには少し粗削りな部分も感じましたが、それぞれのキャラクターが追い求めるものや、人生の岐路で下す決断には、心を揺さぶられるものがありました。
特に、子供を強く望むクムダの切実な思いや、過去の栄光にしがみつきながらも未来に不安を感じるアルジュンの姿、そして夢を追いかけるあまりに道を踏み外してしまうサラーヴァナンの姿は、人間誰しもが抱えるかもしれない普遍的な悩みや葛藤を描いているように感じ、共感できる部分が多かったです。
レビューの中には、「忍耐を試されるほど退屈」という厳しい意見もありましたが、個人的には、それぞれのキャラクターの背景や心情を丁寧に描こうとする前半部分はじっくりと見入ってしまいましたし、後半のサスペンスフルな展開もハラハラしながら楽しめました。
ただ、確かに少し冗長に感じる部分もあったので、もう少しテンポ良く物語が進んでいけば、さらに引き込まれたかもしれません。
いずれにせよ、『TEST/テスト』は、観る人によって様々な感想を抱かせる、挑戦的な作品と言えるのではないでしょうか。
TEST/テスト(netflix映画)|見どころ解説
最後に、『TEST/テスト』をより深く楽しむために、特に注目してほしい見どころをいくつかご紹介しますね!
まず何と言っても、インドとパキスタンというライバル同士の、歴史的なクリケットのテストマッチを舞台に物語が展開していくという、その設定自体が見どころの一つです。
クリケットは、私たち日本人には馴染みが薄いかもしれませんが、インドでは国民的なスポーツであり、その試合はまさに国を挙げての一大イベントなんです。
その熱狂ぶりは、まるで私たちにとってのサッカーのワールドカップや、かつてのプロ野球の巨人戦のようなものかもしれませんね。
映画では、その試合の模様が非常にリアルに、そして迫力満点に描かれており、クリケットファンはもちろん、そうでない人もその熱気に巻き込まれること間違いなしです。
特に、実際の試合で使用されるカメラと同じものが使われたり、元プロのクリケット選手がエキストラとして参加していたりするそうで、その臨場感は格別です。
次に注目してほしいのは、R・マドハヴァン、ナヤンターラー、シッダールトという、インド映画界を代表するトップスターたちの豪華な共演です。
それぞれが強烈な個性を持ち、確かな演技力で観客を魅了する彼らが、それぞれのキャラクターの葛藤や人間性をどのように表現するのか、ぜひ注目してみてください。
特に、過去に共演経験のあるR・マドハヴァンとシッダールトの再共演や、タミル語映画界の「女性スーパースター」であるナヤンターラーの存在感は、この映画に特別な輝きを与えています。
また、10年ぶりにタミル語映画界に復帰したミーラー・ジャスミンの演技も見逃せません。
そして、物語の重要な要素となるのが、スポーツ界の裏側に潜む、賭けや八百長といった暗い側面です。
国民的スポーツであるクリケットの世界にも、そうした不正が存在するという現実を、この映画は生々しく描き出しています。
主人公たちが、そうした闇の力にどのように翻弄され、どのような選択を迫られるのか、そのスリリングな展開は見逃せません。
また、この映画は単なるスポーツドラマやサスペンスドラマに留まらず、家族の絆、愛、夢、そして倫理観といった、普遍的なテーマを深く掘り下げています。

キャリアの危機に瀕しながらも家族を思うアルジュン、子供を強く望むクムダ、そして自身の夢に全てを懸けるサラーヴァナン。
彼らがそれぞれの目標に向かって突き進む中で、何を守り、何を犠牲にするのか。
その葛藤を通して、「正しい生き方とは何か」「本当に大切なものとは何か」といった問いを、観る者に投げかけてきます。
さらに、この映画の着想の原点が、クリケットの有名選手であるヴィラット・コーリが、父親の死後すぐに重要な試合に出場したという実話にあるという点も、注目すべきポイントです。
このエピソードは、アスリートの並外れた献身と精神的な強さを象徴しており、映画の主人公であるアルジュンのキャラクターにも、その精神性が深く影響を与えていると言われています。
また、監督のS・サシカントは、スポーツ心理学の文脈におけるナルシシズムのポジティブな側面を探求しようとしたそうで、成功を追い求める人間の内面にある複雑な感情にも光を当てています。
そして、物語が進むにつれて、それぞれのキャラクターが置かれた状況がどのように変化し、どのような決断を下していくのか、その人間ドラマとしての面白さも、この映画の大きな見どころです。
特に、物語の後半には、予期せぬ展開も待ち受けており、最後まで目が離せません。
このように、『TEST/テスト』は、熱いクリケットの試合という舞台設定、実力派キャストの熱演、そして普遍的なテーマを深く描いた人間ドラマという、様々な魅力が詰まった作品です。
ぜひ、これらの見どころに注目しながら、この映画を堪能してみてください。きっと、あなたの心にも何か深く残るものがあるはずです。
私も、またじっくりと見返して、新たな発見を楽しみたいと思っています!
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