こんにちは、はるをです!
この記事ではnetflixで5月15日に配信開始されたばかりの新作ドラマ「私たちの隠していること(英語版タイトル:Secrets We Keep)」について解説しています。
「私たちの隠していること」はデンマークの高級住宅街を舞台にしたNetflixのリミテッドシリーズ
物語は、隣人宅に住み込みで働くフィリピン人留学生の失踪をきっかけに、主人公の女性がその背後に隠された真実とコミュニティの闇に迫っていく様子を描きます。

単なるミステリーにとどまらず、社会階級、搾取といった現代社会の諸問題を扱い、視聴者に問いを投げかける衝撃的な作品です。
私たちの隠していること(netflixドラマ)|あらすじ
物語の舞台は、デンマークのコペンハーゲン郊外にある、それはもう絵に描いたような高級住宅街「保護区(Reservatet)」と呼ばれる場所です。
ここに住むセシリエという女性が、この物語の中心人物です。
彼女は弁護士の夫マイクと二人の子供に囲まれ、何不自由ない裕福な暮らしを送っていました。
そんなセシリエの日常に、突然、不穏な影が差し込みます。
それは、彼女の友人であり隣人でもある、ラスムスとカタリナ夫妻の家に住み込みで働いていたフィリピン人の若い女性、ルビーが突然失踪したことでした。
実は、ルビーは失踪する前夜に、セシリエに「あの家ではもう働けない」と悩みを打ち明けていたんです。
その時、セシリエは友人宅の問題だからカタリナに相談するようにと促してしまったんですね。
だからこそ、ルビーがいなくなったと聞いて、セシリエは強い責任を感じ、警察の捜査とは別に、独自にルビーの行方を追い始めます。
彼女の調査の中で、ルビーが失踪前夜に隣人宅のゴミ箱に妊娠検査薬を捨てていたことが分かり、ルビーが妊娠していた可能性が浮上するんです。
ルビーのバッグが森で発見されたり、ルビーがホテルに出入りしていたことが判明したりと、謎は深まっていきます。
やがて、港でルビーの亡骸が発見されるという衝撃的な展開に。
ルビーは予想通り妊娠していました。
当初、ルビーの子供の父親としてセシリエの夫マイクにも疑いがかかります。
マイクには前科があったからです。
でも、DNA検査でマイクは父親ではないことが証明されます。
巨大企業のCEOであるラスムスもイメージダウンを避けるためにDNA検査を受けますが、彼も父親ではありませんでした。
しかし、このDNA検査の結果から、ルビーの子供の父親が、ラスムスとカタリナの息子であるオスカーだと判明するんです。

さらに恐ろしい真実が明らかになります。
オスカーは、ルビーにいやがらせをして、その様子を録画していました。
そして、オスカーはセシリエの息子ヴィゴに、その動画を見せていたんです。
学校でヴィゴが見ていた動画が発覚し、親たちが集まって話し合いが行われたことで、オスカーの嫌がらせが明るみに出ます。
オスカーはヴィゴに口止めしようとしますが、ヴィゴは母親であるセシリエに全てを打ち明けます。
セシリエは警察に連絡し、警察がオスカーの家に捜査に入りますが、オスカーの母親カタリナが既に証拠となる映像などを全て処分してしまっていました。
マイクは弁護士として、オスカーには動画がないため加害者とは立証できないと主張し、逆にルビーが加害者だとまで言い出す始末です。
刑事のアイシャ・ペーターセンはヴィゴに証言を求めますが、証拠がない状況ではヴィゴが嘘をついていると反論される可能性を恐れたセシリエは断ります。
オスカーは結局、罪に問われることなく、名門の寄宿学校に送られることで事実上の責任逃れをします。
セシリエは、息子ヴィゴと親しくなりすぎていたことなどを理由に、自分の家で雇っていたエンジェルを解雇せざるを得なくなります。
そして、物語の最後にセシリエが直面するのは、ルビーが失踪した夜にカタリナとルビーが口論していたというオスカーの言葉。
ルビーが息子の嫌がらせを知ったカタリナがルビーを殺したのではないかと疑うセシリエが、カタリナにその疑惑を突きつけ、「もしそうなら?」と半ば認めるようなカタリナの言葉を聞いて呆然と立ち尽くすシーンで物語は終わります。
この作品は、単なる犯人探しというよりは、富裕層と移民の間に存在する見えない壁、特権階級の傲慢さや倫理観の歪み、そして社会の闇を深く描き出しているんですよね。
特に、被害者であるルビーが、証拠隠滅によって加害者であるかのように見なされてしまう理不尽な構図には、見ているこちらも胸が締め付けられました。
そして、セシリエが真実を知りながらも、愛する家族と「完璧な日常」を守るために沈黙を選び、不正義に加担してしまう結末は、なんとも重く、後味の悪いものでした。
でも、その「後味の悪さ」こそが、この作品が私たちに問いかけてくる「不都合な真実」なのだと思います。
セシリエの立場に立ったら、自分はどうするだろうか…そんなことを考えずにはいられない、深く考えさせられる作品でした。
私たちの隠していること(netflixドラマ)|キャスト
このドラマを彩る登場人物たちは、それぞれが複雑な内面を持っていて、彼らを演じる俳優さんたちの演技も見どころの一つでした。
私が特に印象に残った主要なキャストと登場人物たちをご紹介しますね。
まずは、物語の語り部とも言える主人公、セシリエ(Cecilie)を演じたのは、マリー・バッハ・ハンセン(Marie Bach Hansen)さんです。
彼女は裕福な郊外に住む母親で、隣人宅のルビーの失踪事件をきっかけに、その謎を独自に追っていくことになります。
正義感と、愛する家族を守りたいという思いの間で揺れ動くセシリエの姿は、見ているこちらも感情移入せずにはいられませんでした。
真実が明らかになるにつれて、彼女が直面する苦悩や絶望感を、マリー・バッハ・ハンセンさんがとても繊細に、しかし力強く演じていましたね。

このシリーズがNetflix初出演だったそうですが、他の北欧ドラマや映画でも活躍されている実力派の俳優さんだそうです。
セシリエの家で働くフィリピン人、エンジェル(Angel)を演じたのは、エクセル・ブサーノ(Excel Busano)さんです。
彼女は失踪したルビーの親しい友人で、ルビーの行方を案じ、仲間たちと共に捜索隊を作ったり、事件の真相に迫ろうとします。
エンジェルの視点からは、デンマークという異国の地で働く移民労働者たちが直面する厳しい現実や、雇い主との間に存在する「見えない壁」がリアルに伝わってきました。

彼女にとってこの作品が女優デビュー作だったとのこと、物語の鍵を握る重要な役柄を堂々と演じていて、その演技には引き込まれました。
ルビーの雇い主であり、セシリエの友人でもあるカタリナ(Katarina)を演じたのは、ダニカ・クルチッチ(Danica Curcic)さんです。
彼女は裕福な家庭の主婦であり、大企業のCEOであるラスムスの妻。
息子のオスカーを守るためなら手段を選ばない、ある意味恐ろしい母親を演じています。
物語が進むにつれて明らかになる彼女の行動や、終盤のセシリエとのやり取りは、強烈な印象を残しました。

ダニカ・クルチッチさんはNetflix作品の常連だそうで、その存在感ある演技で物語に緊張感を与えていました。
セシリエの夫で弁護士のマイク(Mike)を演じたのは、サイモン・シアーズ(Simon Sears)さんです。
彼は過去に服役した前科があるという設定で、当初はルビー失踪の容疑者の一人となります。
弁護士としての現実的な判断と、家族を守りたいという思いから、時にセシリエと対立することもあり、彼の行動も物語の重要な要素となっています。

ラスムスの弁護も担当しており、裕福なクライアントとの関係性も彼の判断に影響を与えているようでした。
失踪事件の引き金となるルビー(Ruby)を演じたのは、ドナ・レフコフスキー(Donna Levkovski)さんです。
彼女もまた女優デビュー作とのこと。
物語の中では序盤でいなくなってしまいますが、彼女の存在が、この高級住宅街に隠された秘密を暴き出すきっかけとなります。
ホフマン家の夫、ラスムス(Rasmus)を演じたのは、ラース・ランセ(Lars Ranthe)さんです。
大企業のCEOで裕福な実業家。
物語の中では、彼もルビーの子供の父親かと疑われますが、そうではありませんでした。
自分の体面や家族の地位を守ることを最優先する彼の姿勢は、特権階級の象徴として描かれています。
ラース・ランセさんの演技は、どこか得体の知れない不気味さを感じさせ、物語に緊張感を与えていました。
新米ながら事件の真相に迫ろうとする女性刑事、アイシャ・ペーターセン(Aicha Petersen)を演じたのは、サラ・ファンタ・トラオレ(Sara Fanta Traore)さんです。
外国人の失踪事件は警察にとって優先順位が低い中、彼女はルビーのために真摯に捜査を進めようとします。
警察内部の無関心と闘いながらも、セシリエと協力して真相に近づいていく姿は、観ていて応援したくなりました。

彼女もNetflix作品ではおなじみの俳優さんだそうです。
セシリエとマイクの息子、ヴィゴ(Viggo)を演じたのは、ルーカス・ズパーカ(Lukas Zuperka)さんです。
大人しい性格の少年ですが、隣家のオスカーから見せられた恐ろしい動画によって、事件に深く巻き込まれてしまいます。
彼の繊細な心理描写も物語の重要な部分でした。
そして、ホフマン家の息子、オスカー(Oscar)を演じたのは、フロデ・ビルデ・ロンショルト(Frode Bilde Ronsholt)さんです。
ルビーの事件の加害者であり、物語の「社会の闇」を象徴する存在です。
その年齢とは思えない冷淡さや、歪んだ支配欲を抱える姿は、観ていてとても disturbing(不穏)でした。
彼の表情がずっと変わらないのが、逆におそろしいと感じたという感想もありましたね。
他にも、ヴィゴの担任教師や、ルビーたちが通う教会の牧師、警察のカールなど、物語に深みを与える登場人物たちがたくさん出てきます。
それぞれのキャラクターが、この複雑な人間ドラマの中で重要な役割を果たしていて、誰一人として目が離せませんでした。
俳優さんたちの控えめながらもパワフルな演技が、北欧ノワールらしい冷たい雰囲気と相まって、物語の世界観をより一層引き立てていたように思います。
私たちの隠していること(netflixドラマ)|感想は面白い?
『私たちが隠していること』は、レビューサイトでもたくさんの感想が寄せられていて、見終わった後に他の人がどう感じたのかを知るのも面白いんですよね。
全体的に、この作品は観る人に強い印象と問いを残すようで、賛否両論、さまざまな意見があるみたいです。
まず、「ここが素晴らしい!」という絶賛の声としては、やはり物語に引き込まれて一気見したという感想が多いですね。
1話が30分強というコンパクトさもあって、ついつい次の話へ…となってしまう中毒性があるようです。
独特の雰囲気や世界観が好きという意見もよく見られます。
北欧ノワール特有のひんやりとした空気感と、美しい映像の中に潜む不穏さが、多くの人を魅了しているんですね。
また、俳優の演技が素晴らしいという声も多数あります。
特に主人公セシリエを演じたマリー・バッハ・ハンセンさんの演技は高く評価されていて、彼女に感情移入して物語を進めることができたという感想もありました。
登場人物たちのリアルな心理描写や、複雑な感情の機微を見事に表現していたという意見にも、私も本当に共感します。
そして、この作品の核心とも言える、社会問題への切り込み方を評価する声も非常に多いです。
単なるミステリーや犯人探しではなく、富裕層と使用人の間に存在する「見えない壁」や、階級格差や特権意識といった、現代社会が抱える深い闇を巧みに描き出している点に、多くの人が衝撃を受け、考えさせられたようです。
特に、被害者であるルビーが一方的に責められる理不尽な構図には、強い怒りややるせなさを感じたという感想が多く見られました。
現代社会の理不尽さや、富や権力がいかに不正を覆い隠してしまうかを容赦なく突きつけられたという意見も、まさにこの作品が伝えようとしていることだと思います。
一方で、「ここはちょっと…」という課題点を挙げる意見もあります。
最も多く見られるのが、やはりラストの「モヤモヤ感」ですね。
真相が全て明らかにならず、正義が果たされないまま終わってしまう結末に、パンチが足りない、すっきりしないと感じる人が多いようです。

私自身も、見終わった後に心に重いものが残ったのは確かです。
でも、これもこの作品が描きたい「現実」なのだと考えると、あえて未解決にした意図も理解できる気がします。
また、早い段階で犯人が予想できてしまったという意見もいくつかありました。
特にオスカーについては、序盤の描写から怪しいと感じたという人がいるようですね。
ミステリーとしての犯人探しのワクワク感は薄かったという感想があるのも頷けます。
ただ、前述したように、この作品の本質は犯人探しではないので、その点に期待して見ると、少し肩透かしを食うかもしれません。
その他には、物語のペースがゆっくりに感じたという声や、登場人物、特に一部の裕福なキャラクターたちの行動や考え方が気持ち悪くて共感できないという率直な意見もありました。
確かに、彼らの特権意識やルビーに対する態度は、見ていて不快感を覚えるシーンが多かったです。
また、フィリピン人コミュニティやアジア人女性の描写について厳しい意見もあり、これは見過ごせない点だと思います。
作品が社会問題を提起している意図は理解しつつも、描写の仕方によっては、かえって誤解や偏見を生む可能性もあるのだと、考えさせられました。
全体を通して、『私たちが隠していること』は、エンターテイメントとしての面白さと、観る者に深い問いを投げかける社会派ドラマとしての側面を併せ持つ作品と言えるでしょう。
その重いテーマや、後味の悪い結末から、誰にでもおすすめできるドラマではないという意見もありますが、現代社会の歪みや人間の暗部に真正面から向き合った、見応えのある秀作であることに間違いはないと思います。
『私たちが隠していること』に続編の可能性は?
さて、この『私たちが隠していること』、衝撃的な結末を迎えるだけに、「これで終わりなの?」「続きが見たい!」と思っている方も多いのではないでしょうか。
私も、あの後セシリエはどうなるんだろう、オスカーやカタリナは本当に罰せられないままなの?と、見終わった後にすごく気になりました。
まず、このシリーズは当初から全6話のリミテッドシリーズ(ミニシリーズ)として発表されています。
リミテッドシリーズというのは、基本的に物語がそのシーズンで完結することを想定して作られているシリーズなんですね。
ですから、現時点では公式に続編の発表はありません。
あのラストシーンは、セシリエが真実を知りながらも沈黙を選び、不正義に加担してしまうという、観る者に重い問いを投げかける形で終わっています。
ルビーの死の真相についても、カタリナが関与した可能性は強く示唆されていますが、決定的な証拠があるわけではなく、視聴者の想像に委ねられている部分が大きいんですね。
オスカーも法的には裁かれていません。
このように、物語が意図的に未解決の要素を残しているのは、この作品が描こうとしたテーマ、
「正義が必ずしも勝つとは限らない現実」
「特権階級の秘密が守られてしまう社会構造」
を強調するためなのだと考えられます。
なので、物語としてはあの結末で完結している、というのが公式の見方なのかもしれません。
私個人としては、セシリエがその後の人生をどう生きるのか、沈黙を選んだ彼女の中に芽生える罪悪感や、壊れてしまった完璧な日常とどう向き合っていくのかなど、気になるところはたくさんあります。
また、オスカーの歪んだ思想が今後どうなっていくのか、カタリナが本当にルビーを殺したのか、もし殺したのならその動機はなんだったのか、といった点も、掘り下げればドラマになりそうですよね。
ただ、リミテッドシリーズとして作られた作品が、予想外の人気を受けて続編や追加エピソードが制作される、というケースも中にはあります。
『私たちが隠していること』も、これだけ話題になっているので、もしかしたらNetflixが続編の制作を検討する可能性も、ゼロではないかもしれません。
でも、現時点ではあくまで可能性の話で、続編が決まっているわけではない、ということを覚えておいてくださいね。
あのモヤモヤする終わり方は、私たちが現実社会で目にしたり耳にしたりする、解決されないまま闇に葬られてしまう理不尽な出来事を反映しているのかもしれません。
だからこそ、余計に心に引っかかるのかもしれませんね。
続編があるのかないのか、今後何か発表があるか、一緒に注目していきましょう!
この作品は、見ていて心が痛むシーンも多いですが,、現代社会の光と影を鋭く描き出している、非常に考えさせられるドラマでした。
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