ついに、あの衝撃作『推しの殺人』が完結してしまいましたね。
毎週木曜の夜、僕たちの心をこれほどまでにかき乱し、震えさせてきたドラマは他にありません。
アイドルという光り輝くステージの裏側に隠された、あまりにも深く、そして残酷な闇の連鎖。
最終回を見終えた今、胸の中にポッカリと大きな穴が開いたような、でもどこか救われたような不思議な感覚に包まれています。
考察ブロガーとして、この熱量が冷めないうちに、皆さんと一緒に物語の結末を噛み締めたいと思います。
推しの殺人(ドラマ)ネタバレ|最終回までの振り返り
■絶望の淵に立たされた前回12話の衝撃を振り返る
まずは最終回を語る前に、あの地獄のような展開だった12話をおさらいしておかなければなりません。
高宮ルイのこれまでの人生を根底から破壊するような事実が次々と突きつけられ、見ていて本当に息が詰まる思いでした。
彼女たちをSNSで執拗に追い詰めていた謎の存在「先生」の正体が、実はルイの実の父親である谷村敏勝だったという事実は、今思い出しても鳥肌が立ちます。
しかも、ルイが幼い頃に母と妹を失ったあの凄惨な火災さえ、実は父親による放火だったなんて、運命のいたずらにしてはあまりに酷すぎますよね。
一方で、弁護士の矢崎恭介が連続殺人犯としての本性を現し、河都の妻・麗子を無残に殺害していたことも判明しました。
姿を消していた河都が戻り、矢崎の罪を暴く計画をルイたちに持ちかけましたが、結局はその作戦も失敗に終わってしまいました。
ビルの屋上で望月刑事と揉み合った末に、河都が自ら飛び降りて命を絶つという、救いのない幕切れに言葉を失ったのを鮮明に覚えています。
推しの殺人(ドラマ)ネタバレ考察|最終回・解散ライブ当日
■最終回で描かれた決死のラストステージと真相
迎えた最終回、ベイビー★スターライトの3人はついに解散ライブという運命の日を迎えます。
しかし、その晴れの舞台である楽屋に届いたのは、「最高の舞台で殺してあげる」という不気味な脅迫状と、死を連想させる黒いバラの花束でした。
現場に駆けつけた望月刑事も、過去の隠蔽工作を知りながらルイを守ろうとするあまり、辞職を考えるほど正義と感情の間で激しく葛藤していました。
そんな極限の心理状態の中、ライブが幕を開けると、ルイ、テルマ、イズミの3人は、なんとステージ上で自分たちが犯した「殺人の隠蔽」という大罪をファンの前で告白し始めたのです。
アイドルの仮面を脱ぎ捨て、泥沼の中にいた本当の自分たちをさらけ出す彼女たちの姿は、目を逸らしたくなるほどに気高く、涙なしには見られませんでした。
イズミの大切な子供である希望が連れ去られるという緊急事態も発生しましたが、なんとか最悪の事態は免れ、彼女たちは命を削るようにして最後のパフォーマンスを披露します。
推しの殺人(ドラマ)ネタバレ考察|最終回、犯人・最後の結末は?
■すべての結末:罪を背負った彼女たちが選んだ未来
連続殺人犯である矢崎は、ルイに対して異常なまでの執着を見せ、彼女を自分の「コレクション」に加えようと最後まで執拗に迫ってきました。
しかし、ルイたちは睡眠薬を使って彼を無力化し、その隙に斧や犠牲者の遺品といった決定的な証拠を世間に暴露するという、命懸けの計画を遂行しました。
ついに矢崎は警察の手によって逮捕され、長く続いた支配と恐怖の悪夢にようやく終止符が打たれることとなります。
ベビスタの3人は、自分たちの嘘をすべて清算し、自らの犯した罪から逃げずに正面から向き合って、償う道を選ぶという覚悟を決めたのです。
ドラマのラストでは、彼女たちが警察に連行される直接的な描写はあえて避けられ、アイドルとしての絆を象徴する感動的なライブシーンで幕を閉じました。
それは、決して手放しで喜べるハッピーエンドではありませんでしたが、彼女たちが自分たちの足で真実の中を歩き出すための、力強い再生の儀式だったのだと僕は強く感じました。
推しの殺人(ドラマ)|感想
■視聴者たちが抱いた熱い反響とやりきれない想い
放送が終了した直後、ネット上ではまさに賛否両論、感情の行き場を失った視聴者たちの熱いコメントが溢れかえっています。
特に、矢崎役を演じた増田貴久さんの、あの静かな微笑みの裏に潜む狂気的な演技には、多くのファンから「震えるほど怖かった」と絶賛の嵐が巻き起こっています。
また、「ルイ、テルマ、イズミの3人はずっと最高のアイドルだ」と、彼女たちの不器用な友情と覚悟に涙したという意見も非常に多く見られました。
一方で、ミステリーとしての解決がやや早急に感じられたり、逮捕シーンが省略されたことへの物足りなさを指摘する声も一部では上がっています。
個人的には、すべてを説明しすぎない余白があったからこそ、彼女たちが背負った罪の重さと、それでも消えない「推し」への愛が際立ったのではないかと思っています。
今もSNSでは「矢崎ロス」や「ベビスタロス」を嘆く声が絶えず、このドラマが僕たちの心にどれほど深い爪痕を残したのかを、改めて実感させられます。
まとめ
■夢と罪の果てに見えたもの
『推しの殺人』という物語は、単なるサスペンスの枠を超え、誰かを「推す」ということの本質的な危うさと救いを僕たちに突きつけました。
理想を押し付け、消費するだけの側面に警鐘を鳴らしつつ、最後に残ったのは、不完全な人間同士が痛みを分かち合うことの尊さだった気がします。
彼女たちが選んだ「罪を抱えたまま、嘘のない世界で生きる」という選択は、綺麗事ではないからこそ、僕たちの胸に深く突き刺さったのではないでしょうか。
ステージの照明が消えた後も、彼女たちの歌声とあの決死の覚悟は、僕たちの心の中でずっと響き続けるはずです。
素晴らしい作品を届けてくれたキャストやスタッフの皆さんに、今はただ最大級の敬意と感謝を伝えたい気持ちでいっぱいです。
最後に、Huluでは結成秘話を描いた12.5話や、望月刑事との過去に迫る13.5話も配信されているので、物語をより深く味わいたい方はチェックしてみてくださいね。
降り注ぐ光と影のコントラストが、まるで一輪の黒いバラのように、どこまでも美しく、そして切ない名作でした。

