2026年の秋場所が閉幕し、土俵の熱気はそのまま11月の九州場所へと引き継がれます。
横綱大の里の涙の復活優勝や新三役の躍進など、今場所も好角家の心を強く揺さぶる名勝負がたくさん生まれました。
本場所が終わった直後のこのタイミングこそ、土俵のドラマを振り返りつつ来場所の番付編成をじっくり読み解く一番面白い瞬間だと感じています。
今場所の激戦の星取りと各力士の取り口を徹底的に分析しながら、2026年九州場所の番付の動きや見どころをどこよりも詳しく紐解いていきます。
大相撲2026秋場所の総括
2026年9月場所の幕内最高優勝を果たし、賜杯を抱いたのは東横綱の大の里でした。
序盤から力強い出足と突き押しで白星を重ねた大の里は、12日目を終えた時点で後続に2差をつけて独走態勢に入りました。
しかし13日目に大関霧島の下手投げに屈し、続く14日目にも大関琴櫻に寄り切られてまさかの2連敗を喫する波乱となりました。
11勝3敗で並んだ大関安青錦との千秋楽相星決戦は、まさに今年一番の緊張感が漂う大一番となりました。
立ち合いから一気にもろ手で突き立てた大の里がそのまま突き出しで安青錦を破り、12勝3敗で6場所ぶり6度目の優勝を飾りました。
昨年11月の九州場所で左肩を負傷して以来、苦しい怪我の治療とスランプを乗り越えての賜杯奪還となり、優勝インタビューで見せた大粒の涙には胸が熱くなりました。
惜しくも連覇を逃した安青錦も、左足のケガを抱えて場所前の稽古が満足にできない状態の中で11勝4敗の優勝次点となり、大関としての驚異的な勝負強さを示しました。
新関脇として土俵に上がった藤ノ川は大関陣をなぎ倒す破竹の快進撃を見せ、11勝4敗で見事な敢闘賞を獲得しました。
また東前頭3枚目の美ノ海も10勝5敗の好成績を収めて条件付きの敢闘賞を千秋楽で手繰り寄せ、故郷・沖縄に大きな吉報を届けました。
一方で大関取りに挑んだ熱海富士は10日目に勝ち越しを決めながら終盤でまさかの5連敗を喫し、8勝7敗で大関昇進の夢は一度白紙に戻る格好となりました。
横綱豊昇龍の全休や三役陣の明暗など、世代交代の波と激動のドラマが凝縮された非常に見ごたえのある15日間だったと実感しています。
大相撲2026九州場所の番付予想|三役は?
九州場所の最高位である東横綱には、復活優勝を果たした大の里がどっしりと鎮座します。
一人横綱として重圧に耐え抜き、秋場所3連覇を達成した姿には横綱としての強い風格が漂い始めています。
西横綱には、秋場所を全休した豊昇龍がそのまま据え置かれる見込みです。
焦らず怪我を完治させて、九州の地で再び鋭い出投げや豪快な技を見せてくれることを切に願っています。
大関陣の筆頭である東大関には、11勝を挙げて優勝争いを演じた安青錦が就くでしょう。
審判部は11勝での九州場所での綱取りについて慎重な姿勢を示していますが、内容次第で一気に横綱昇進の道が開けるはずです。
西大関には9勝6敗と地力を保った琴櫻が入り、2枚目の東大関には千秋楽に意地の勝ち越しを決めた霧島が座ると予想されます。
激変が予想される関脇陣では、新関脇で11勝と大ブレイクした藤ノ川が東関脇へ昇進するのが確実視されます。
小さな体から繰り出す強烈な出足と寄りには凄みがあり、早くも大関候補としての期待が高まります。
西関脇には8勝7敗で踏みとどまった熱海富士が留まる形になり、悔しさをバネにした九州場所での出直しが注目されます。
小結陣は東西ともに総入れ替えとなり、旋風を巻き起こした強力な2人が昇進してくる見通しです。
東小結には、10勝を挙げて敢闘賞を獲得した美ノ海が沖縄県出身者として歴史上初となる新三役の座を射止めるでしょう。
33歳という遅咲きの苦労人が三役の土俵でどんな相撲を見せてくれるのか、今から楽しみで仕方がありません。
西小結には、西前頭2枚目で9勝6敗と勝ち越した義ノ富士が返り三役として返り咲く可能性が極めて高いです。
初日から5連敗を喫しながらも脅威の9連勝を見せた粘り腰は本物であり、三役定着へ向けた大きな足がかりとなるはずです。
5勝10敗と大きく負け越した伯乃富士と大栄翔の2小結は、残念ながら平幕へと押し下げられることになります。
大相撲2026九州場所の番付予想|前頭は?
役力士への挑戦権をかけた前頭筆頭から5枚目付近も、大幅な配置換えが起こる激戦区となります。
東前頭筆頭には、東前頭6枚目で10勝5敗と圧巻の復活劇を見せた朝乃山が大きく番付を上げてくると見ています。
寄り切りの力強さが完全に戻ってきており、来年初場所での幕内最高位への復帰に向けた絶好のポジションを掴み取るはずです。
西前頭筆頭には、西2枚目で7勝8敗と粘った高安、あるいは西4枚目で8勝7敗と勝ち越した藤凌駕が入る展開が予想されます。
高安は7勝8敗と負け越したものの、横綱大の里を破る金星を挙げて土俵を大いに沸かせ、番付の下げ幅は最小限に抑えられるでしょう。
前頭2枚目付近には、9勝6敗と好成績を残した藤青雲が東7枚目から一気に駆け上がってくると考えられます。
前頭3枚目には、東9枚目で10勝5敗と2桁勝利を挙げた宇良がその卓越した技能で上位に返り咲きます。
小結から陥落する伯乃富士は、この前頭3枚目あたりの位置で再起を図ることになりそうです。
前頭4枚目には、東8枚目で9勝6敗と勝ち越した尊富士と、小結から陥落する大栄翔が並ぶ配置が濃厚です。
前頭5枚目には、西8枚目で9勝6敗の平戸海や、怪我に泣きながらも5勝を挙げた琴勝峰が位置することになるでしょう。
この上位陣の枠組みは誰が誰を倒してもおかしくない群雄割拠の状態であり、初日から熱い取組が連日繰り広げられるに違いありません。
大相撲2026九州場所の番付予想|幕内・十両
■中下位の動きと幕内十両入れ替え
前頭中位から下位にかけては、勝ち越し点に応じた昇降格がシビアに反映されるエリアです。
10勝5敗と大勝ちした若元春は東11枚目から前頭6枚目付近までジャンプアップし、金峰山や朝紅龍も番付を伸ばしてきます。
幕内と十両のボーダーラインである幕尻攻防戦では、5人から6人規模の比較的大きな入れ替えが発生する見込みです。
幕内から十両へ陥落するのは、全休を余儀なくされた若隆景と若ノ勝の2名に加え、大幅な負け越しとなった湘南乃海や翔猿、正代が確定的です。
正代は3勝12敗と振るわず、元大関として非常に悔しい11年ぶりの十両転落という厳しい現実を突きつけられることになります。
残り1枠は、5勝10敗だった千代翔馬が落とされるか、それとも十両からの昇進数の関係で奇跡的に残留するかが大きな議論の的となっています。
十両から幕内へと花道を歩む確定組としては、東十両筆頭で10勝を挙げた出羽ノ龍と、西十両筆頭で8勝の旭海雄のモンゴル出身コンビが新入幕を果たします。
さらに最大の胸熱トピックとして、11月に42歳の誕生日を迎える鉄人・玉鷲が東十両3枚目で10勝5敗を挙げ、見事に幕内への返り咲きを決めます。
40代を超えてなお十両を脱出し幕内へ復帰する姿は相撲史に残る偉業であり、その不屈の闘志には言葉もないほどの感動を覚えます。
十両優勝を果たした北の若も11勝4敗の好成績で再入幕を確実にし、西十両5枚目で10勝を挙げた期待の若手・嵐富士も新入幕を掴み取ります。
東十両2枚目で8勝を挙げた大青山も再入幕の有力候補であり、フレッシュな顔ぶれが九州の土俵を大いに活気づけてくれるはずです。
大相撲2026九州場所の番付予想|幕下は?
■幕下の昇降格と注目の新十両
関取の座を巡る関門である十両と幕下の入れ替え線も、非常に難解で興味深い局面を迎えています。
十両側では、東14枚目で5勝10敗と大きく負け越した栃大海の幕下陥落が避けられない状況です。
西14枚目で6勝9敗だったベテラン錦木も陥落の当落線上にあり、近年の厳しい査定基準を考えると幕下へ落とされる可能性が残ります。
幕下から関取昇進(新十両)を文句なしで掴み取るのは、西幕下筆頭で6勝1敗の好成績を収めた旭富士です。
伊勢ヶ濱部屋のホープである旭富士は、序ノ口からの各段連続優勝記録こそ途切れたものの、その圧倒的な相撲内容は本物と言えます。
幕下4枚目で4勝3敗と勝ち越した竜鳳や碇潟、8枚目で6勝を挙げた天昇山が引き上げられるかどうかは、編成会議の判断が分かれる焦点となります。
昇進候補の星がやや弱いことから、入れ替え枠が1枠に留まるという見方が強いですが、新十両・旭富士の誕生は確定的です。
旭富士が十両の土俵でいきなり大暴れし、かつての遠藤や尊富士のように新十両優勝を果たして1場所で幕内へ駆け上がる展開を密かに期待しています。
まとめ
2026年九州場所の予想番付を概観すると、世代交代の波とベテランの意地が激しく交錯する極めてドラマチックな構図が見えてきます。
復活を果たした横綱大の里が絶対的な強さを取り戻すのか、それとも大関安青錦がリベンジを果たして綱取りへ王手をかけるのかが最大の見どころです。
怪我で全休となった横綱豊昇龍が万全の体調で土俵に戻り、二横綱によるハイレベルな優勝争いが繰り広げられることを心から願っています。
41歳で幕内復帰を果たす玉鷲の挑戦や、沖縄初の三役となる美ノ海の躍進など、個々の力士が紡ぐストーリーから目が離せません。
10月下旬に日本相撲協会から発表される正式な新番付を心待ちにしながら、福岡での熱い15日間に思いを馳せたいと思います。
