今回のワンピース1169話のエピソードは、エルバフという国が単なる寄り道ではなく、世界を二分する最終戦争の火種であることを改めて確信させてくれました。
ワンピースwiki｜1169話（最新話）までの振り返り
エルバフ過去編の悲劇を振り返る
前回の第1168話では、冬のエルバフを舞台に、ハラルド王を襲ったあまりにも残酷な運命の断片が描かれましたね。
イム様との間に結ばれた「深海契約」は、単なる強大な力や不死性を授けるものではなく、本人の自由意志を根こそぎ奪い去る呪いそのものでした。
最愛の身内であるイーダを毒殺で失い、その悲しみさえも利用されるかのように、ハラルド王は世界政府の闇へと引きずり込まれてしまったのです。
かつてロックスが残した忠告が、最悪の形で現実のものとなっていく展開には、読んでいて鳥肌が立つ思いでした。
家族の絆が引き裂かれ、平和を願った王が自らの手で国を戦火へと導かされるジレンマは、まさに最終章にふさわしい重厚なプロットと言えるでしょう。
ワンピース｜1169話あらすじネタバレ
1169話で明かされた驚愕の真相
さて、注目の最新話である第1169話「一刻も早く死ななくては」では、物語は14年前のギャバンの家から幕を開けます。
ここでシャンクスは、かつての船長であるロジャーに息子がいることを知らされ、彼を自分の「弟」のような存在だと笑い飛ばしました。
このシーンのおかげで、シャンクスがフィガーランド家の血筋としての自覚よりも、ロジャー海賊団という家族を何より大切にしていたことがはっきりと分かりましたね。
場面は再び悲劇の舞台アウルスト城へと移り、イム様の支配によって無意識のうちに衛兵を手にかけてしまったハラルド王の姿が映し出されます。
王は自分が自分でなくなっていく恐怖を悟り、エルバフの未来を守るために、息子であるロキに自らを討ち取るよう懇願しました。
ハラルド王はロキに対し、エルバフの秘宝である伝説の悪魔の実を食べて「英雄」になれと言い残し、完全にイム様の支配下へと堕ちてしまいます。
一方、実を求めて宝物庫に足を踏み入れたロキの前に、意思を持っているかのように笑う巨大なハンマー「鉄雷（ラグニル）」が襲いかかりました。
物語の終盤にはシャンクスとギャバンも城に駆けつけ、暴走するハラルド王との衝突は避けられない状況で幕を閉じます。
ワンピース｜1169話ネタバレ感想
ハラルド王の叫びに涙が止まらない
今回のエピソードを読んで一番心に刺さったのは、やはりハラルド王の「一刻も早く死ななくては」という魂の叫びでした。
国民を愛し、国際社会への復帰を夢見た名君が、死を以てしか自分を止められないと悟る絶望感は、これまでのワンピースの歴史の中でも一際辛いものです。
そんな父の汚名を一人で背負う覚悟を決めたロキの姿は、まるで『NARUTO』のイタチのように自己犠牲に満ちていて、これまでの「悪の王子」というイメージが180度変わりました。
また、シャンクスが語った「浅海契約」の制限についても興味深く、彼がかつて左腕を失った理由にこの契約の破棄が絡んでいる可能性が見えてきたのは大きな収穫です。
打算で腕を捨てたという説には少し寂しさも感じますが、それ以上にルフィという次世代の希望に全てを賭けたシャンクスの決意が、より多層的に感じられるようになりました。
不気味な笑声を上げるラグニルの正体も気になりますし、悪魔の実を食べた武器という設定がベガパンク以前から存在したのなら、それは歴史を揺るがす大発見になりそうですね。
ワンピース｜1170話のネタバレ考察
1170話の展開をガチ予想してみた
次回の第1170話では、いよいよロキが伝説の悪魔の実を口にする瞬間が描かれる可能性が極めて高いと見ています。
あのハンマー「ラグニル」が雷を帯びていることを考えると、ロキが食べる実は「ゴムゴムの実」の原種、あるいは雷を無効化する特殊な能力を持つ実ではないでしょうか。
もしロキが絶縁体の体を手に入れる実を食べるのであれば、暴走するラグニルを手懐け、不死身のハラルド王に致命傷を与える唯一の手段になるはずです。
また、シャンクスとギャバンが共闘してハラルド王を抑え込む展開も期待できますが、イム様の支配下にある王の力は計り知れません。
ここでシャンクスがロジャーと同じ技「神避」を放ち、父を救いたいと願うロキの道を切り開くような胸熱な演出を期待してしまいます。
ロキが「王殺し」の罪を自ら被ることを決意し、ヤルルやギャバンがそれを黙認するという、エルバフに伝わる「嘘」の起源が明かされるのも時間の問題でしょう。
さらに、ラストで登場した新キャラのガンコが現代の戦局にどう関わってくるのか、エルバフ編の再開に向けた大きな布動が見られるに違いありません。
まとめ
最終章の鼓動を感じて
王家の呪いと契約という支配の仕組みが明らかになったことで、ルフィたちが掲げる「自由」の価値がより一層輝きを増していくことでしょう。
ハラルド王が命を賭けて守ろうとしたエルバフの未来が、今のロキやルフィの手によってどのように開国へと向かうのか、続きが気になって夜も眠れません。
この過去編を読み終えた時、私たちはきっとエルバフの戦士たちが流した涙の意味を、本当の意味で理解できるはずです。
悲劇は力へと変わり、世界を終わらせる神話は今まさに動き出そうとしています。
この物語は、一本の古い糸を丁寧に解きほぐしていく作業に似ています。
解けた糸の先には、世界を縛る大きな「契約」という名の呪いがありますが、ルフィという名のハサミがそれを断ち切る瞬間を、私たちは目撃することになるのでしょう。
