オーシャンズ12:難解トリックの裏側を徹底考察!
皆さん、こんにちは!
オーシャンズシリーズって、何度見ても新しい発見があって本当に飽きないですよね。
特に『オーシャンズ12』は、複雑な時系列と巧妙な騙し合いで、「あれ、どういうこと?」って頭を抱えた人も多いんじゃないでしょうか。
オーシャンズ12ネタバレ解説|あらすじ
■あらすじ:華麗なる詐欺師たちの危機
物語は、前作『オーシャンズ11』でカジノ王テリー・ベネディクトから1億6,000万ドルを奪ってから3年後、平和に暮らしていたダニー・オーシャンたちのもとに、怒れるベネディクトが突然現れるところから始まります。
彼は、盗まれた全額に利子をつけた約1億9,000万ドルを2週間以内に返済するよう迫り、返せなければ命はないと脅します。
堅気の仕事がまるでうまくいっていなかったオーシャンズの面々にとって、これはまさに「泣きっ面に蜂」という状況なんです。
彼らは、アメリカ国内での活動が困難なため、一攫千金を狙ってヨーロッパへ渡ります。
しかし、そこで彼らを待ち受けていたのは、狙った獲物をことごとく先に盗み、現場に黒い狐の置物を残していく、謎のライバルナイトフォックスでした。
実は、この危機自体がナイトフォックスが仕掛けたゲームであり、ダニーたちはヨーロッパ最高峰の泥棒との対決に引きずり込まれることになるわけです。
この映画の核は、泥棒界の仁義を破ったライバルにいかにしてお灸を据えるか、という壮大な「演技」と「詐欺」の勝負だったんですよ。
オーシャンズ12ネタバレ解説|卵
■卵:盗まれた秘宝「ファベルジェの卵」
オーシャンズとナイトフォックスが、世界一の泥棒の称号をかけて奪い合ったのが、ロシアのロマノフ王朝に納められた豪華な装飾品、ファベルジェの卵です。
この卵を巡る勝負こそが、この映画の最も難解で面白い部分ですよね。
トゥルアー(ナイトフォックス)は、この卵を先に盗んだ方が優秀だとダニーに勝負を挑みましたが、実はダニーたちはトゥルアーに会うより前に、既に本物を手に入れていました。
ここで重要なのが、ダニーがトゥルアーの師匠である伝説の大泥棒ルマークから情報を得ていたことです。
ルマークは、当局が公に輸送すると発表していた「輸送車」の情報が偽物だと見抜き、本物の卵は徒歩旅行者のバックパックに入れられて電車で運ばれるとダニーに教えていたのです。
オーシャンズはパリ北駅でその列車に乗り込み、喧嘩騒動を起こす隙に、ライナスのバックパックに本物の卵をすり替えました。
つまり、ナイトフォックスが超絶技巧で美術館に侵入し、レーザーセンサーを軽やかにかわして盗んだ卵、そしてその後にテスたちオーシャンズが捕まってしまった「ジュリア・ロバーツ作戦」で狙った卵も、全てオーシャンズがすり替えたレプリカだったという、二重のトリック構造になっているんです。
この事実を知ると、物語前半のオーシャンズの「空回りしている」演技の素晴らしさに、思わずニヤリとしちゃいますよね。
オーシャンズ12ネタバレ解説|ベネディクト
■ベネディクト:執念のカジノ王の復讐
カジノオーナーのテリー・ベネディクト(アンディ・ガルシア)は、オーシャンズ11の面々がラスベガスから盗み出した大金を、利子をつけて返済させることに執念を燃やしました。
彼がオーシャンズの居場所を知り、メンバー一人ひとりのもとを訪ねて脅迫できたのは、ナイトフォックスからのリークがあったからです。
ベネディクトの目的は、盗まれた金(1億6,000万ドル+利子)を取り戻すことでしたが、ナイトフォックスの目的は「世界一の泥棒」の称号を争うことにあったため、ベネディクトは実はナイトフォックスに利用されていた側面が大きいんです。
最終的に、オーシャンズはベネディクトに一文も返さなくて済むことになり、返済金は勝負に負けたナイトフォックスが肩代わりして支払うことになりました。
映画のラストで、ベネディクトが小切手を受け取るシーンの背景には、庭師のような服装をしたトゥルアー(ナイトフォックス)が水をまいている姿が一瞬映ります。
これは、トゥルアーが負けた腹いせにその金を再び盗み返そうと企んでいる、あるいは次の強盗のための下見をしている、といった考察がありますが、泥棒としてのプライドを粉砕されたトゥルアーが何を考えていたのか想像するのも楽しいですよね。
オーシャンズ12ネタバレ解説|ナイトフォックス
■ナイトフォックス:欧州最高峰の怪盗との対決
ナイトフォックスことフランソワ・トゥルアー(ヴァンサン・カッセル)は、裕福な実業家の息子で、退屈しのぎと自己顕示欲のために窃盗を行うフランスの貴族です。
彼は犯行現場に小さな黒い狐の置物を残すのがトレードマークです。
彼がオーシャンズの前に立ちはだかった動機は、非常に人間臭い、「嫉妬」でした。
トゥルアーが師匠ルマークの元を訪れた際、ルマークが、ダニー・オーシャンを「世界一の大泥棒」だというビジネスマンの発言を否定しなかったことに腹を立てたのです。
彼は自分が真の世界一だと証明するため、泥棒界の掟を破ってオーシャンズの情報をベネディクトにリークし、彼らをヨーロッパに引きずり込み、「ファベルジェの卵」を巡る世界一決定戦を仕掛けたわけです。
トゥルアーの超人的な身体能力を駆使したレーザー回避シーンは圧巻でしたが、彼の自己中心的な動機(自分が一番だと認められたいというショボい動機)が、ダニーたちが仕掛けた壮大なペテンの「カモ」になってしまう要因となりました。
オーシャンズはトゥルアーの監視を逆手に取り、彼らが空回りし、逮捕されることすらも「演技」として見せつけました。
結果、トゥルアーはオーシャンズに大敗を喫し、ベネディクトへの返済金全額を肩代わりするという屈辱を味わうことになります。
まとめ
この映画は、技術やトリックだけでなく、プロの泥棒たちのプライドと人間模様のトリックが深く絡み合っていて、何度見ても最高のクライムムービーだと私は確信しています。
皆さんもぜひ、ダニーたちの華麗なる「演技」に注目して、もう一度『オーシャンズ12』を楽しんでみてくださいね!
最後までお付き合いいただいてありがとうございました。