オフシーズンに飛び交う「ノンテンダー」って何?戦力外との違いを徹底解説!
野球ファンの皆さん、こんにちは!
オフシーズンになると、メジャーリーグ(MLB)や、時折日本のニュースでも「ノンテンダー」という言葉を耳にしますよね。
「なんだか選手にとっては厳しい話っぽいけど、戦力外通告と何が違うんだ?」と、詳しく調べている方が多いのではないでしょうか。
私もこのビジネス的な側面が絡む契約の話にはいつも注目していて、その非情さに胸を痛めつつも、プロ野球の奥深さを感じています。
今回は、この少し複雑な「ノンテンダー」について、MLBの事例を交えながら、その意味からNPBとの違い、そして最新の話題まで、徹底的にわかりやすく解説していきますね。
これを読めば、あなたもオフシーズンの契約ニュースが100倍面白くなりますよ!
ノンテンダーとは?
■ノンテンダーって何?意味と仕組み
まず、ノンテンダー(Non-tendered)という言葉の基本的な意味から見ていきましょう。
直訳すると、「契約を提示しない」という意味になります。
「テンダー(Tender)」は「提示する」や「申し出」という意味の動詞なので、ノンテンダーはその否定形なんですね。
これは、球団が保有権を持つメジャー40人枠内の選手に対して、来季の契約を提示しないと決める手続きのことを指します。
その結果、契約を提示されなかった選手は、即座にフリーエージェント(FA)になるんです。
主にこの対象となるのは、メジャー在籍期間(サービスタイム)が3年以上6年未満で、年俸調停権(サラリーアービトレーション)を持つ選手たちです。
通常、年俸調停権を持つ選手は、前年度の成績や同等の選手との比較によって年俸が上がっていく傾向があります。
しかし、球団が「その選手の来季の推定年俸は、我々の評価や予算に見合わない」と判断した場合、高額になるであろう調停を避けるために「契約を提示しない」という選択をするのが、このノンテンダーという制度の核心なんです。
MLBdenoノンテンダーの仕組み
■MLBのシビアなプロセスと期限
ノンテンダーは特にMLBにおいて、オフシーズンの重要なイベントの一つとして機能しています。
MLBでは、選手の契約をテンダーするかノンテンダーするかの締め切り日が、毎年オフシーズンに厳格に定められています。
この期限は、通例、ワールドシリーズ終了後の11月下旬、具体的には感謝祭前の最後の金曜日に設定されています。
例えば、2025年については、11月21日の午後5時(東部時間)がこの期限でした。
この期限までに契約を提示(テンダー)されれば、選手は球団の保有権下に残ったまま、年俸交渉に進むか、合意に至らなければ年俸調停(アービトレーション)に進みます。
もし球団がノンテンダーを選択すると、その選手はウェイバー公示を経ることなく、すぐにFA市場に放り出され、全球団と自由に交渉できるようになるわけです。
この瞬間、数十人の選手が一気にFA市場に流れ込むため、オフシーズンの補強戦略において大きな動きとなるんです。
ノンテンダーと自由契約・戦力外との違いは?
このノンテンダーという行為は、日本のファンにとっては「戦力外通告」や「自由契約」とどう違うのか、非常にわかりにくいポイントですよね。
まず整理したいのは、「ノンテンダー」「戦力外通告」「ウェイバー公示」は球団が行う行為であり、「自由契約」は選手の状態を指す、という点です。
ノンテンダーも戦力外通告も、最終的には選手を自由契約の状態にするという点では共通しています。
しかし、その目的と意味合いに決定的な違いがあるんです。
戦力外通告は、選手の怪我や成績不振などを理由に「来季の戦力構想から完全に外れた」ことを選手に伝える、文字通り「クビ」に近い通告です。
一方、ノンテンダーは、主に「コスト削減」や「高騰する年俸の回避」が目的です。
つまり、「君は良い選手だけど、来季の予想年俸(例えば$8.9MMなど)はウチの予算では高すぎるよ」という、コストパフォーマンスの問題が主因となります。
ノンテンダーされた選手はFAとなるため、他球団と交渉できるのはもちろん、元の球団と年俸を下げて再契約することもルール上は自由にできます。
実際に、メジャーではノンテンダー後に元チームと再契約するケースも珍しくありません。
戦力としては評価しているけど、お金の折り合いがつかないから一旦市場に出す、というシビアなビジネス戦略なんですね。
NPBでのノンテンダー
■NPBでのノンテンダーという名の「戦力外」
MLBのコスト管理戦略として非常に合理的なノンテンダーですが、NPB(日本プロ野球)では事情が異なります。
日本では、戦力外通告や自由契約という表現が一般的で、「ノンテンダー」という用語が広く知られるようになったのは比較的最近のことです。
特に2021年オフ、北海道日本ハムファイターズが、西川遥輝選手、大田泰示選手、秋吉亮選手のFA資格取得者3名に対し、「来季の契約を提示せず、保留手続きを行わない」と発表し、その際に「ノンテンダーとする」という言葉を使ったことで大きな話題になりました。
球団側は「再契約の可能性を閉ざすものではない」と説明し、MLBに近いニュアンスで発表しましたが、結果的に3選手とも日本ハムとは再契約せず、他球団に移籍するか、秋吉選手のように独立リーグへ進むことになりました。
これに対し、日本プロ野球選手会は「選手の価値を一方的に下げるものだ」と強く抗議文を提出し、ファンや社会一般に誤解を与えるとして、球団に用語の使用停止を求めました。
NPBにおける「契約保留権を放棄し自由契約にする」行為は、野球協約上、実質的に戦力外通告と同じ手続きを踏む必要があるため、日ハムの行った「ノンテンダー」は、言葉を飾った事実上の戦力外通告と捉えられています。
選手会からの要望を受け、日本ハムは2022年3月に「ノンテンダーという用語は今後使用しない」と発表しています。
ですから、NPBでは「ノンテンダー」という耳慣れない言葉は、球団側からはもう聞かなくなる可能性が高いでしょう。
MLB2025-2026オフシーズンのノンテンダー
■2025-2026オフシーズンの激震事例
さて、ここからは本場MLBの2025-2026オフシーズンで実際にノンテンダーとなった、非常にショッキングな事例をいくつか紹介します。
今回のノンテンダー期限は2025年11月21日でしたが、毎年驚きがありますが、今年は特に大物が市場に放出されて、野球ファンとしてはたまらない気持ちになりましたね。
まず、2023年のワールドシリーズ優勝チーム、テキサス・レンジャーズからは、なんと2023年ALCS MVPのア・ドリス・ガルシア選手(OF)がノンテンダーとなりました。
ガルシア選手は2025年に打率.227、19本塁打と成績を落とし、彼の来季の予想年俸が1,200万ドル(約17億円)程度だったため、レンジャーズはコストに見合わないと判断したようです。
さらにレンジャーズは、正捕手のジョナ・ハイム選手(C)と、ワールドシリーズの最終アウトを取ったリリーバーのジョシュ・スボーツ投手までノンテンダーにしたというのですから、優勝チームの解体戦略の非情さを感じます。
また、ボストン・レッドソックスのナサニエル・ロウ選手(1B)も、予想年俸1,300万ドルが高すぎると判断されノンテンダーに。
彼らはゴールドグラブ級の守備力を持つ優秀な選手ですが、やはり「推定年俸」がネックになってしまいました。
ドジャースの信頼できるリリーバーだったエバン・フィリップス投手(RHP)は、7月にトミー・ジョン手術を受け、2026年シーズンをほぼ全休する見込みだったため、予想年俸600万ドルを回避するためにノンテンダーとなりました。
球団は再契約の可能性も探るとコメントしていますが、怪我明けの選手に対するMLBのシビアな判断基準がよくわかりますね。
そして個人的に最も驚いたのが、トロント・ブルージェイズのクローザー、2度もオールスターに選出されたジョーダン・ロマーノ投手です。
彼も右肘の手術を受けており、来季の推定年俸770万ドルを球団がリスクと見なし、市場に出されてしまいました。
彼のような実績あるクローザーがFA市場に出るとなれば、リリーフ陣が手薄なチームはすぐに獲得に動くでしょう。
こうした「まだ活躍できる」選手たちが、年俸の高さや怪我のリスクによって放出されるのが、ノンテンダーFAの醍醐味であり、恐ろしいところです。
まとめ
■ノンテンダーはコストと評価のシビアな現実
「ノンテンダー」とは、球団が年俸調停権を持つ選手に対して、高騰するであろう来季の契約を提示しない選択をし、その選手を即座にフリーエージェントにする行為です。
これはMLBにおいて、高すぎる年俸を回避し、ロースターの柔軟性を確保するためのコスト削減を目的とした戦略的な手続きであり、日本の「戦力外通告」が主に戦力構想外であることを意味するのとは、その発動の目的が異なります。
ただし、NPBでは「ノンテンダー」という用語が、戦力外通告と混同され、また選手会からの批判もあったため、今後は国内で聞く機会は減るかもしれません。
しかし、MLBのオフシーズンにおいて、ノンテンダーは毎年多くの実力者を市場に解き放ち、選手の市場価値が試される、非常にスリリングな期間です。
まるで、市場の原理という名の巨大なオークションに、選手たちが自分の価値を証明するために立つようなものですね。
野球のプレーだけでなく、この契約の裏側にあるビジネスの仕組みを知ることで、オフシーズンも熱い視線で楽しめますよ!
