朝ドラ「風、薫る」の第8話、ご覧になりましたか?
正直に言って、朝からこれほどまでに感情を揺さぶられるとは思っていませんでした。
物語は第2週「灯の道」に入り、展開の速さに驚かされっぱなしですが、今回のエピソードはまさに「激動」という言葉がふさわしい内容でした。
それぞれの場所で、二人のヒロインが直面した過酷な現実と、そこから立ち上がろうとする微かな希望を、僕なりに徹底的に読み解いていこうと思います。
風、薫る(朝ドラ)8話までの振り返り
■前回の物語を少しおさらいしましょう
まずは、今回の嵐のような展開に至るまでの経緯を少しだけ振り返ってみましょう。
栃木の元家老の家に生まれたりんは、没落した実家を救うために、18歳も年上の運送業者・奥田亀吉のもとへ嫁ぎました。
しかし、そこは「幸せな新婚生活」とはほど遠い、酒と嫌味にまみれた過酷な場所だったんです。
第7回では、りんは娘の環を出産しましたが、亀吉は娘の名前にも興味を示さず、冷たい態度を貫いていました。
一方で東京の直美も、理不尽な理由で仕事を解雇され、職探しに奔走する厳しい日々を送っていましたね。
まさに二人のヒロインにとって、人生の大きな壁が立ちはだかっていたのが前回までの状況でした。
風、薫る(朝ドラ)8話ネタバレあらすじ|りん(見上愛)の側
■奥田家の崩壊と、一ノ瀬りんが見せた覚悟
第8話、りんのパートは、一通の小包から始まります。
那須の実家の美津から届いたのは、なんと新しい「双六」でした。
「新双六 淑女鑑」と名付けられたその上がりは、華やかなドレスをまとった「常世の淑女」です。
りんは、かつて出会った大山捨松の姿を思い出しながら、環に「いつか女学校へ行って、いっぱい勉強しましょうね」と語りかけます。
双六に描かれた教員や医者といった働く女性たちの姿に、りんは自分の失われた「翼」を投影していたのかもしれません。
しかし、そこへ泥酔した亀吉が帰宅し、状況は一変します。
彼は美津からの小包を「俺がくれてやった金で買ったものだ」と吐き捨て、挙句の果てには環の名前を「書きづらい」と蔑み、大切な双六を踏みつけるんです。
亀吉のコンプレックスが爆発し、ついにりんとの口論が修羅場へと発展しました。
りんが湯呑に用意したのが水だと知るや否や、亀吉はその湯呑を投げつけ、それが運悪く行灯に当たって火が燃え広がってしまいます。
燃え盛る火を前に、亀吉は妻と子を置き去りにして、母親の貞の手だけを引いて逃げ出すという、あまりにも身勝手な行動に出ました。
りんは間一髪で環を抱えて燃える家を脱出し、裸足のまま那須の実家へと駆け込みます。
実家で土下座し、「奥様、やめます」と告げたりんの瞳には、これまでの絶望を振り払うような強い決意が宿っていましたね。
美津はそんな娘に対し、叔父である信勝の住所が書かれた紙と財布を渡し、東京へ逃げるよう促します。
風、薫る(朝ドラ)8話ネタバレあらすじ|直美(上坂樹里)の側
■東京の喧騒の中で直美が触れた、貴婦人の孤独
場面は変わり、東京で生きる直美の物語も大きく動き出しました。
直美は吉江先生やメアリーと共に、教会の炊き出しの荷物を運んでいる最中、馬車に乗った大山捨松と遭遇します。
「鹿鳴館の華」と称される捨松ですが、その美しさはどこか影を帯びていました。
捨松は馬車の中で、「私は本当にこの国のためになっているのか」「何のために結婚したのか」と、英語で苦悩を独りごちていたんです。
ふとした拍子に直美が落としてしまったジャガイモを、捨松がそっと拾い上げるシーンが印象的でした。
「So, let us fight. This is my life.(さあ、戦いましょう。これが私の人生よ)」と直美に告げた捨松の言葉は、単なる励ましを超えた、同じ時代を生きる女性への連帯のように感じられました。
炊き出しの場で、アメリカの食べ物である「スープ」を配りながら、直美は自分の行く末を模索します。
「アメリカに逃げるのか」と少年に問われ、「逃げるつもりじゃない」と答えつつも、自分の本当の目的を見いだせずにいる直美。
しかし、捨松との出会いが、彼女の心の中に小さな火を灯したことは間違いありません。
風、薫る(朝ドラ)8話ネタバレ感想
■8話を見て僕が感じたこと:時代という名の荒波
今回の第8話を観て、僕は正直、三浦貴大さん演じる亀吉の「クズ夫」ぶりに本気で腹が立ってしまいました。
もちろん、彼も成り上がりゆえの劣等感に苦しんでいるのでしょうが、妻子を火の中に置き去りにするのはあまりに酷すぎます。
それでも、りんが箒を手に取り、かつて学んだ薙刀の型で亀吉に立ち向かった瞬間、彼女の中にある「武家の娘」としての矜持が見えて、鳥肌が立ちました。
「学ぶことは翼となり、刀となる」という亡き父の言葉が、ようやく彼女の中で実を結び始めた瞬間だったように思います。
また、多部未華子さん演じる捨松の、華やかさの裏にある孤独も胸に刺さりました。
国のため、女性の地位向上のために戦う彼女もまた、古い価値観との板挟みで、自分自身の人生を問い直していたんですね。
対照的な境遇にいるりんと直美ですが、どちらも「今の自分」を脱ぎ捨てて、新しいステージへ進もうとするエネルギーに満ちていました。
朝ドラらしい爽やかさは控えめかもしれませんが、この「重厚さ」こそが本作の魅力だと僕は確信しています。
風、薫る(朝ドラ)8話からどうなる?
■運命の交差は目前?次回以降の考察と予想
さて、気になるのは次回の展開、そして一ノ瀬家の扉を叩いたのは誰かという点です。
実家に戻ったりんが母から東京行きを勧められた直後、激しく扉が叩かれました。
僕の予想では、あの訪問者は幼馴染の竹内虎太郎ではないかと考えています。
亀吉側の人間であればもっと威圧的なはずですし、虎太郎ならりんの異変を察知して駆けつけた可能性が高いですからね。
予告映像やあらすじから推測するに、次回は虎太郎が荷車にりんと環を隠し、船乗り場まで運ぶという隠密行が描かれるはずです。
いよいよ物語は、りんと環の東京への脱出劇、そして直美との運命的な出会いへと加速していくでしょう。
直美の方も、心の支えだったメアリーが日本を離れるという危機が訪れるようです。
二人とも、これまでの居場所を失うことで、ようやく「看護師」という共通の目的地へと導かれていくのではないでしょうか。
まとめ
■灯の道はどこへ続くのか
第8話は、これまでの平穏(と言えるかは怪しいですが)を完全に破壊し、物語を新たな局面へと押し進める非常に重要な回でした。
奥田家の火災は、りんを「家の道具」という束縛から解放するための、皮肉な儀式のようにも見えました。
「風、薫る」というタイトルが示すように、向かい風を真っ向から受ける彼女たちが、いつか自分たち自身の力で心地よい風を吹かせる日が来ることを願わずにはいられません。
次回の放送では、ついに東京での新生活が始まろうとしています。
信勝のもとに辿り着いたものの、途方に暮れるであろうりんの姿が目に浮かぶようです。
でも、彼女ならきっと大丈夫。
あの強い眼差しがあれば、どんな困難も切り拓いていけるはずだと僕は信じています。
それでは、また明日の放送を楽しみに待ちましょう。
