朝ドラ『風、薫る』第72話、正直に言って、朝からこれほどまでに感情を揺さぶられるとは思いませんでした。
山本の死というあまりに重い現実が、凛の心に深い影を落としている様子が痛々しくて見ていられなかったですよね。
プロの看護師としての「責任」と、ひとりの人間としての「良心」の間で激しく揺れ動く彼女の姿は、私たちの日常にも通じる普遍的な悩みのように感じました。
今回は、そんなドラマの Turning point とも言える第72話を、これまでのあらすじから次回の考察まで徹底的に掘り下げていきたいと思います。
風、薫る(朝ドラ)72話までの振り返り
■山本の最期と凛の決断:前回71話までの振り返り
第71話では、末期がんで死期を悟った山本の「家に帰りたい」という切実な願いを叶えるため、凛が大きな決断を下しました。
病院の規則を破って彼を自宅へと連れ出した凛は、山本が妻のテイと過ごす最後の穏やかな時間を見守りました。
病気で食事が喉を通らないはずの山本が、テイを安心させるために「牛鍋がうまかった」と優しい嘘をつくシーンは、本当に涙なしには見られませんでした。
しかし、幸せな時間は長くは続かず、病院に戻った山本は凛の肩を掴み、「助けて」という言葉を残して息を引き取ってしまいます。
この出来事が、誇りを持って看護の道を進んでいた凛の精神を、根本から揺るがすことになってしまったのです。
風、薫る(朝ドラ)72話ネタバレあらすじ
■72話のストーリー解説:日常という名の過酷な試練
第72話は、山本の死によって凛が深い自責の念に苛まれる場面から始まります。
バディである直美や、母親であり先輩ナースでもある美津も彼女を心配しますが、凛の心は完全に放心状態でした。
そんな彼女に、多田院長は「プロのトレインドナースとして通常通り勤務するように」という、一見すると非常に冷徹な命令を下します。
凛は必死に感情を押し殺してナース服を纏いますが、業務中に手が震えてしまい、患者の前でも普段通りの笑顔を保つことができません。
フラッシュバックする山本の「助けて」という声と、救えなかった無力感が彼女を追い詰めていきます。
そこへ今井医師が現れ、「医療に携わる者として失格だ」と厳しい言葉を投げかけた後、「君は看護婦だ」という重みのある一言を残しました。
病院側は、規則違反を公にせず組織を守るために凛を不問に付すという、現実的で少し不気味な対応を見せ、凛の葛藤はさらに深まっていきます。
風、薫る(朝ドラ)72話ネタバレ感想
■72話の感想:今井医師の言葉が投げかける「看護師の孤独」
今回の放送を見ていて、一番心に残ったのはやはり凛の「手の震え」の描写です。
見上愛さんの演技が本当に素晴らしく、指先から伝わってくる絶望感に、こちらの胸も苦しくなりました。
今井医師の「君は看護婦だ」という言葉、皆さんはどう受け取りましたか?
一見突き放すような冷たさもありますが、私には「感情に溺れるのではなく、その苦しみも含めて背負い続けるのがプロだ」という、彼なりの鼓舞のように聞こえました。
一方で、多田院長の「通常勤務」の指示には、組織防衛という大人の事情が透けて見えて、少しモヤモヤした方も多いのではないでしょうか。
凛にとっては、罰を与えられた方がまだ救いがあったのかもしれませんが、何事もなかったかのように働かされることこそが、彼女にとって最大の罰になってしまっているのが本当に切ないです。
第15週のタイトル「差し出せぬ手」が、救いたいのに救えなかった山本の命や、傷ついた凛に掛ける言葉が見つからない周囲の思いを象徴していて、胸に刺さります。
風、薫る(朝ドラ)72話からどうなる?
■次回73話の展開考察:長屋の危機と直美が流す涙の理由
さて、次回予告ではまた一波乱起きそうな予感が漂っていましたね。
ある夜、眠っている凛と直美のもとに、以前直美が看護した丸山が助けを求めてやってきます。
二人が向かったのは、直美がかつて住んでいた長屋でした。
そこには体調を崩した大家トヨの姿があり、直美が来てくれたことを喜ぶのですが、予告映像での直美の涙が不穏です。
史実を紐解くと、直美のモデルである鈴木雅さんの実母の名前もトヨであり、このドラマにおけるトヨさんは、直美にとって「家族」に近い、極めて大切な存在であることがわかります。
もしトヨの容体が急変するようなことがあれば、今度は直美が深い悲しみに襲われることになるでしょう。
その時、同じく深い傷を負っている凛が、今度は直美の手を握りしめ、支えることができるのかが大きな注目ポイントになりそうです。
凛が看護の仕事から距離を置き、新潟へと向かうという不穏な展開も示唆されていますが、この長屋での出来事がその決定打になってしまうのかもしれません。
まとめ
■凛と直美が「最強のバディ」へ向かうために
第72話は、凛にとって Professional pride が崩れ去るような辛い回でしたが、ここが彼女の成長の土台になることは間違いありません。
患者に寄り添いすぎるあまり、自らの心まで壊してしまいそうな凛と、冷静沈着に見えてその裏に熱い想いを秘めた直美。
二人が互いの弱さを補い合い、支え合うことでしか乗り越えられない壁が、今まさに目の前に立ちはだかっています。
次回の放送では、直美の過去や「家族」への想いも深く描かれることでしょう。
明日の朝も、ハンカチを準備して見守りたいと思います。
凛ちゃんと直美ちゃん、二人ならきっとこの嵐を乗り越えて、また新しい「風」を吹かせてくれると信じています。
