朝ドラ「風、薫る」の第4話が放送されましたが、皆さんは今どんな気持ちで画面を見つめていましたか。
あまりにも早すぎる展開に、言葉を失ってしまった方も多いのではないでしょうか。
物語が始まってまだ4日目だというのに、ヒロインの心の支えであった父・信右衛門がこの世を去るという衝撃的なエピソードとなりました。
明治という激動の時代、人々の命を無慈悲に奪っていく感染症「コロリ」の恐ろしさが、これ以上ないほどリアルに、そして切なく描かれた回でした。
今回は、涙なしでは語れない第4話の内容を、前回の振り返りとともにじっくりと紐解いていきたいと思います。
風、薫る(朝ドラ)4話までの振り返り
■忍び寄る病魔の影と父の覚悟を辿る第3話の振り返り
前回の第3話では、那須の静かな村に「コロリ」という死の病が確実に忍び寄る様子が描かれました。
りんが密かに想いを寄せていた幼馴染の虎太郎、その母である栄が感染し、避病院へと運ばれていく姿は、平和だった日常が壊れていく前触れのようでした。
村の人々が感染者やその家族を忌み嫌い、差別的な視線を向ける中で、りんは必死に虎太郎を励まそうとしますが、彼は自分に近づくなと彼女を突き放してしまいます。
そんな娘の姿を見た父・信右衛門は、自らの過去を打ち明けながら「人は間違えるものだが、過ちに気づいて改めないことこそが真の過ちである」という論語の教えを諭しました。
しかし、その温かな教えを授けた直後、信右衛門自身が激しい苦しみに襲われ、倒れ込んでしまうという衝撃のラストで幕を閉じたのが前回でした。
風、薫る(朝ドラ)4話ネタバレあらすじ
■絶望の中で抗うりんと静かに最期を悟る父の第4話ストーリー
第4話は、倒れた信右衛門をりんなんとか助けようと奔走する、痛々しいほどの奮闘から始まりました。
信右衛門は自らがコロリに侵されたことを悟り、家族にうつさないために一人で納屋へと籠城し、戸につっかえ棒をして、かつて武士だった頃の刀を手に「入ることは許さない」と娘を拒みます。
母の美津と妹の安は東京へ見合い話に出かけたままですが、村はコロリの流行によって封鎖され、彼女たちは村境の橋で足止めを食らってしまいます。
かつて一ノ瀬家に仕えていた中村から、信右衛門が倒れたことを知らされた美津たちの動揺は、見ているこちらの胸を締め付けるものがありました。
家にある小銭をかき集めて看病人を雇おうとしたりんですが、タンスから取り出した銅貨はわずか5枚、現代の価値にして100円程度にしかなりません。
当時の労働賃金で人を雇うには10銭、つまり1000円から2000円相当が必要であり、この金銭的な絶望が、医療がまだ未熟で貧しさが命に直結していた明治の厳しさを物語っています。
納屋の外から折り鶴を供え、歌を歌って父を励まし続けたりんですが、信右衛門は朦朧とする意識の中で、かつて腹を切らずに生きて良かったと語り、娘に「生きろ、お前はきっと優しい風を起こせる」という言葉を遺します。
ついに動かなくなった父の姿を納屋の中で見つけた時、りんが泣き崩れながら叫んだ「間違えた」という言葉には、何もできなかった自分への悔しさが滲み出ていました。
風、薫る(朝ドラ)4話ネタバレ感想
■北村一輝さんの圧倒的な演技が描いた「理想の父親像」と喪失の痛み
第4話にして北村一輝さん演じる信右衛門が「退場」するという展開は、ネット上でも「早すぎる」と大きな衝撃を持って受け止められました。
朝ドラには「良い父親ほど早く亡くなる」というある種の方程式がありますが、信右衛門の存在感はわずか数話とは思えないほど大きく、その喪失感は計り知れません。
納屋に立てこもり、愛する娘を守るために孤独な死を選んだ父の姿は、武士としての誇りと父親としての深い愛情が混ざり合った、凄絶な美しさがありました。
特に、戸越しに語りかける信右衛門の弱々しくも力強い声と、それに応えて必死に明るく振る舞おうとするりんのやり取りは、涙なしに見ることは不可能です。
折った紙で何を作っているのかと聞かれた第2話の伏線が、この最期の瞬間に「翼がつながった折り鶴」として回収される演出には、制作者側の魂を感じました。
見上愛さんの、言葉にならない感情を瞳に宿してボロボロと流す涙の演技は、観る者の心を鷲掴みにし、彼女の孤独とこれからの決意を鮮烈に印象づけました。
風、薫る(朝ドラ)4話からどうなる?
■鹿鳴館の華・捨松との出会いがもたらす新たな運命への考察
さて、明日放送の第5話からは、信右衛門を失ったりんたちの生活が、一気に困窮を極めていく様子が描かれることになりそうです。
安の縁談は白紙に戻り、母の美津も自ら畑に出て働かざるを得ないほど、一ノ瀬家は厳しい現実に直面します。
そんな中で舞い込むりんへの新たな見合い話は、彼女に大きな葛藤をもたらすに違いありません。
特筆すべきは、ここで多部未華子さん演じる大山捨松が登場し、りんと運命的な出会いを果たすという点です。
アメリカで看護を学び、帰国後に「鹿鳴館の華」と呼ばれた捨松との遭遇は、父を救えなかった無力感に苛まれるりんにとって、看護という新たな道への「光」となるはずです。
一方、東京の直美も捨松の結婚記事を読み、未知の世界であるアメリカに興味を持ち始めることで、バラバラだった二人のヒロインの糸が「捨松」という存在を通じて結ばれていくのでしょう。
まとめ
■明治の闇を照らす「優しい風」の始まりを見届けて
第4話は、一人の偉大な父の死という悲劇で終わりましたが、それは同時に、りんが自らの足で歩き出すための過酷な産声でもありました。
「優しい風を起こせる」という父の最期の言葉は、のちに正規の教育を受けた看護師、すなわちトレインドナースとなる彼女の人生の指針となるはずです。
感染症を「穢れ」として避けるのではなく、衛生という知恵で立ち向かう看護の重要性が、これからどのように描かれていくのか。
第1週のクライマックスに向けて、物語はさらに加速し、私たちの心を揺さぶり続けることでしょう。
父を失った悲しみを胸に、りんがどのようにして「看護」という未知の世界へ一歩を踏み出すのか、明日の放送も目が離せません。
