冬の寒さを吹き飛ばすような熱い戦いが続く第104回全国高校サッカー選手権ですが、3回戦の駒沢陸上競技場で起きたあのシーン、皆さんの目にはどう映りましたか?
日本サッカー界を代表する名門・東福岡と、テクニカルなサッカーで観客を魅了する興國の一戦は、あまりにも残酷で、それでいて考えさせられる幕切れとなりました。
一人のサッカーファンとして、そして長年ブログを書いてきた人間として、あのアディショナルタイムに起きた「オフサイド疑惑」について、僕なりの視点も交えながら詳しくお話ししていこうと思います。
東福岡・興国の試合内容【第104回全国高校サッカー選手権】
■駒沢を揺るがした激闘の結末!東福岡対興國の試合概要
2026年1月2日、優勝候補の一角と目されていた赤い彗星・東福岡と、初制覇を狙う大阪の興國が激突しました。
試合は序盤から東福岡が主導権を握り、2点のリードを奪う展開となりますが、ここから興國が驚異的な粘りを見せて追い上げを開始します。
後半30分に1点を返した興國が、運命の後半アディショナルタイム40+3分に同点ゴールを叩き込み、試合は2-2のままPK戦へと突入しました。
このPK戦を4-5で制した興國が、悲願のベスト8進出を決めた一方で、東福岡の選手たちはピッチに崩れ落ちるという波乱の結果となったのです。
しかし、この劇的な同点ゴールこそが、今もなおSNSやメディアで激しい議論を巻き起こしている疑惑の場面でした。
僕自身、テレビの前で声を上げてしまうほどの衝撃的な幕切れで、高校生たちの3年間の重みを思うと胸が締め付けられるような思いがしました。
東福岡・興国の高校サッカーでオフサイド判定について
■なぜ「オフサイド」なのか?40分+3分に起きた疑惑の詳細
疑惑の中心にあるのは、興國の笹銀志選手が決めた値千金の同点弾です。
興國のロングスローから始まった攻撃で、左サイドから笹選手がクロスを上げ、それをファーサイドの徳原天仁選手がヘディングで折り返しました。
そのこぼれ球を、クロスを上げた後に勢い余ってゴールラインの外側にいた笹選手がピッチ内に戻って押し込んだのですが、この瞬間に彼がオフサイドポジションにいたのではないかと指摘されています。
映像を詳しく確認すると、徳原選手がヘディングでパスを送った瞬間、笹選手は明らかにゴールラインを越えたピッチ外に位置していました。
東福岡のゴールキーパーやディフェンダー陣は、この時ゴールラインよりもピッチの内側に位置しており、笹選手とゴールの間には守備側の選手が二人以上いない状態だったように見えます。
会場内の大型スクリーンにリプレイ映像が流れた瞬間、スタンドは騒然となり、東福岡の選手たちも必死に副審へアピールを続けましたが、判定が覆ることはありませんでした。
正直なところ、一人のサポーターとしてあの映像を見せられたら、選手たちが納得できないのは当たり前だと言わざるを得ません。
東福岡・興国の高校サッカーでオフサイドは誤審?
■難解なルールを紐解く!オフサイドの定義と「ゴールラインの外」
ここで重要になってくるのが、IFAB(国際サッカー評議会)が定める競技規則第11条の細かい規定です。
通常、オフサイドは「ボールが味方から出た瞬間」に判断されますが、このケースのように選手がピッチの外に出ている場合もルールは適用されます。
ルールでは、意図的かどうかに関わらずゴールラインの外に出ている攻撃側の選手は、オフサイドの判断において「ゴールライン上にいる」ものとみなされるのです。
つまり、徳原選手がヘディングした瞬間、ピッチ外にいた笹選手は「ゴールライン上に立っている」と仮定して、相手の最後尾から2人目の選手よりゴールに近いかどうかが判定されます。
映像を見る限り、東福岡の選手たちは全員がゴールラインよりわずかに前にいたため、笹選手は疑いの余地がないオフサイドポジションにいたことになります。
一部では東福岡の選手のクリアミス(意図的なプレー)によるオンサイドの可能性も指摘されましたが、体勢的に「意図的なプレー」とみなすには無理があるとの見方が有力です。
サッカーのルールは本当に奥が深く、審判の方々がコンマ数秒の世界でこれを正確にジャッジするのがいかに困難か、改めて痛感させられますね。
東福岡・興国の高校サッカーでオフサイドに対する反響「VARで誤審判定すべき」
■鳴り止まない悲痛な声と「ビデオ判定」への切なる反響
この判定を受けて、試合後の平岡監督は「確認作業はしてほしかった」と吐露しながらも、毅然とした態度で「これもサッカーなので仕方ない」と語り、審判へのリスペクトを示しました。
しかし、ネット上では「明白な誤審」「あまりにも残酷すぎる」といった東福岡への同情の声や、審判のレベルアップを求める意見が溢れかえっています。
特に「テレビ中継があるなら映像を確認できたはずだ」という指摘は多く、高校サッカーにもVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)を導入すべきだという議論が再燃しています。
ただ、VARの導入には多額の費用と専門のスタッフが必要で、J1リーグですら年間億単位のコストがかかっているという現実的な壁が存在します。
それでも、コメント欄には「VARほど大掛かりでなくても、簡単なビデオ判定だけでもできないか」といった、選手たちの未来を守るための切実な提案が数多く寄せられていました。
僕も一人のサッカーファンとして、一生懸命に青春を捧げてきた高校生たちが、このような形で涙を飲む姿を見るのは本当に心が痛みます。
まとめ
■判定のその先へ。私たちがこの試合から受け取るべきもの
今回のオフサイド見逃し疑惑は、テクノロジーが普及した現代における「アマチュアスポーツの審判の在り方」を私たちに重く問いかけました。
東福岡の主将、齊藤選手が「自分たちの一瞬の隙が出た」と判定のせいにせず自分たちにベクトルを向けた姿勢は、何よりも気高く、見る者の心を打ちました。
判定そのものは覆ることはありませんし、興國高校の選手たちが最後まで諦めずにゴールを奪いに行った情熱も、決して否定されるべきではありません。
私たちはこの悔しさを単なる批判で終わらせるのではなく、今後の大会環境の改善や、より公平なジャッジシステムを構築するための建設的な議論につなげていくべきでしょう。
選手たちが流した涙が、いつか日本サッカーの進化という形で報われる日が来ることを、僕は願ってやみません。
不完全さもまたスポーツの一部かもしれませんが、それでもいつか、誰もが心の底から納得できる環境で決着がつく日が来ることを信じています。
