タイガースファンのみならず、プロ野球界全体に激震が走った今シーズンの相次ぐ主力離脱に、僕の心もいまだにチクリと痛みます。
リーグ連覇を目指す藤川球児新監督にとって、攻守の要である近本光司選手と、絶対的セットアッパーの石井大智投手を欠く現状は、まさに最大の試練と言えるでしょう。
しかし、絶望してばかりはいられません。
彼らがいつ、どのようなプロセスを経て聖地・甲子園の芝生の上に帰ってくるのか、最新のリハビリ状況と過去の症例を照らし合わせながら、一人の熱狂的な虎党として徹底的に考察していきたいと思います。
阪神タイガース|近本の復帰はいつ?今期は絶望?
■近本光司の復帰時期と復活への道
不動の1番打者としてチームを牽引していた近本選手を襲ったのは、2026年4月26日の広島戦、八回に受けた左手首への死球でした。
診断結果は「左手首の骨折」という、打者にとっても守備の要にとっても非常に重いもので、翌27日には早々に登録抹消となってしまいました。
現在は5月1日からスタートした、尼崎の新施設「日鉄鋼板SGLスタジアム」での地道なリハビリに励んでいます。
5月中旬の時点では左腕をギプスでがっちりと固定し、まずは患部に負担をかけないウォーキングなどのメニューを消化している段階です。
一般的にプロ野球選手が手首を骨折した場合、骨がくっつくまでには3週間から1ヶ月程度を要しますが、実戦でバットを振り抜くにはさらなる時間が必要です。
近本選手のような、鋭いスイングとダイナミックな守備を身上とするプレーヤーにとって、手首への負荷は想像を絶するものがあります。
無理に復帰を早めて打撃フォームを崩したり、インパクトの瞬間に痛みが走るような事態は、5年25億円という大型契約の初年度であることを考えても絶対に避けなければなりません。
今後のスケジュールとしては、6月上旬にギプスが外れて可動域を広げるリハビリへと移行し、6月中旬から下旬にかけてようやく屋外でのティー打撃やフリー打撃が再開される見込みです。
そこから2軍戦での調整登板を経て、1軍の舞台に帰ってくるのは、「7月中旬のナゴヤドームや甲子園での連戦」から「オールスター明けの後半戦開幕」あたりが最も現実的なラインだと僕は見ています。
オールスターのファン投票で両リーグ最多得票を集めたこともある近本選手ですが、今季は球宴出場を辞退してでも、万全な状態での後半戦復帰を最優先させるはずです。
「ただ当たっただけ」と淡々と語る彼の強靭なメンタルがあれば、きっとナインの待つグラウンドへ力強く戻ってきてくれると信じています。
阪神タイガース|石井の復帰はいつ?今期は絶望?
■石井大智の怪我と今季絶望の可能性
一方で、昨季50試合連続無失点という世界記録を樹立した石井投手の離脱は、さらに長期にわたる戦いとなっています。
運命の分かれ道となったのは、2月11日の沖縄キャンプでの紅白戦、本塁カバーに入った際に左足アキレス腱を断裂するという痛ましいアクシデントでした。
当初は「損傷」と発表されていましたが、精密検査の結果はより深刻な「断裂」であり、すぐに縫合手術を受けることになったのです。
アキレス腱断裂はアスリートにとって選手生命を左右しかねない大怪我であり、競技復帰には通常半年から1年という長い月日を要します。
石井投手は4月下旬にようやく装具が取れ、屋外でのポール間ウォーキングを再開できるまでになりました。
5月1日には約2ヶ月ぶりに30メートルの距離でキャッチボールを再開しましたが、本人は「左脚の筋力はまだ女性ぐらい」と、リハビリの難しさを吐露しています。
投手にとって左足はステップする際の重要な軸足であり、マウンドの傾斜を駆け下りる際にアキレス腱にかかる負荷は、日常生活の比ではありません。
順調に回復が進んだとしても、傾斜を使った本格的なピッチング練習は6月から7月、打者を立たせてのシート打撃登板は8月頃になるでしょう。
実戦復帰の目安は「今季終盤の9月以降」となりますが、アキレス腱は再断裂のリスクが極めて高い部位でもあります。
もし少しでも違和感や不安が残るようであれば、無理をしてCSや日本シリーズに間に合わせるよりも、来春の完全復活を目指して今季絶望という選択をすることも十分に考えられます。
「後ろを見ながら後ろ歩きをしているような感覚」と語る石井投手の孤独な闘いを、僕たちファンは静かに、そして熱く見守り続けるしかありません。
石井投手が再び「勝ちマッスル」と叫び、甲子園の歓喜の渦の中心に立つ日を、僕はずっと待ち続けています。
阪神タイガース|近本と石井の離脱で藤川監督の采配は?
■藤川監督の布陣と若手の台頭
投打の柱を失った藤川監督ですが、この逆境を「チーム力の底上げ」というポジティブなエネルギーに変えようとしています。
近本選手の穴を埋めるべく、藤川監督はドラフト1位の立石正広選手を三塁に固定し、佐藤輝明選手を右翼、森下翔太選手を左翼へ配置転換するという大胆なスタメン改造を断行しました。
この「ドラ1カルテット」を核とした新布陣が、巨人との伝統の一戦で見事にハマり、3連勝を飾ったのは大きな収穫でした。
特にルーキーの立石選手は、デビュー5戦目でプロ初本塁打を放つなど、近本選手の不在を感じさせないほどの強烈な輝きを放っています。
また、石井投手が抜けたリリーフ陣では、新外国人のモレッタ投手や、2年目の木下里都投手が勝ちパターンに食い込む勢いで成長しています。
藤川監督は「動かなければ何も動きません」と語り、既存の戦力を巧みにパズルのようにはめ込みながら、最適な解を模索し続けています。
近本選手や石井投手の不在は、他の選手たちにとっては「自分がヒーローになるチャンス」でもあります。
昨季、湯浅投手が離脱した際に石井投手が台頭したように、今度は別の若手投手が「新・守護神」として覚醒するシーンが見られるかもしれません。
苦しい時期ではありますが、新しい力が次々と芽吹くプロセスを楽しめるのも、層の厚い今のタイガースならではの醍醐味だと言えるでしょう。
まとめ
近本光司選手と石井大智投手、この二人が不在のラインナップを見るのは、ファンとしてやはり寂しいものです。
しかし、近本選手はオールスター明けの勝負どころに照準を合わせ、石井投手もまた、不屈の闘志で一歩ずつマウンドへの階段を上っています。
彼らが不在の間、立石選手を筆頭とする若手たちが必死にチームを支え、首位を快走する姿は、まさに連覇への強い執念を感じさせます。
主力二人が万全の状態で一軍に合流したとき、タイガースは今よりもさらに一回りも二回りも強い「最強軍団」へと進化しているはずです。
怪我という不運を乗り越え、より強くなって帰ってくる彼らの姿を想像しながら、これからも熱い声援を送り続けていきましょう。
「ピンチはチャンス」、この言葉を胸に、秋には最高の笑顔で藤川監督の胴上げを見られることを確信しています。
