2026年ミラノ・コルティナ五輪、氷上のチェスとも呼ばれる熱い戦いが続いていますが、皆さんは日本代表「フォルティウス」の勇姿をどう見ていますか。
長年カーリングを追いかけてきた僕としても、彼女たちが歩んできた道のりには、胸が熱くなるような特別な思いが込み上げてきます。
かつてのメインスポンサー撤退という絶望的な逆境を乗り越え、自分たちの力でつかみ取った夢の舞台だからこそ、今の苦戦を前に「一体何が起きているのか」と心配しているファンの方も多いはずです。
今日は、新時代のヒロインとして注目される彼女たちの現在地と、その心の内に秘めた情熱を、僕なりの視点で丁寧に深掘りしていきますね。
フォルティウス(カーリング)メンバー
■誇り高きフォルティウスのメンバー
現在のフォルティウスを支えているのは、これまでの挫折を糧にして成長を遂げた、経験豊かで個性あふれる5人のメンバーです。
チームを象徴するスキップは、34歳にして5度目の挑戦でついに五輪切符を執念でもぎ取った吉村紗也香選手で、その負けず嫌いなリーダーシップと粘り強さは、まさにチームの魂と言えるでしょう。
サードを務めるのは同じく34歳の小野寺佳歩選手で、2014年ソチ五輪を経験している彼女の力強いスイープと精度の高いソフトウェイトショットは、今のチームに欠かせない大きな武器になっています。
セカンドの小谷優奈選手は27歳とチームの中では若いですが、ここ数年の国際大会を通じて飛躍的な成長を見せ、チームに新しい戦術の風を吹き込んでいます。
リードを担当する36歳のベテラン、近江谷杏菜選手は、プラントベースの食事を実践するなどストイックに自己管理を徹底しており、その安定したパフォーマンスはチームの土台を支えています。
そしてリザーブには、32歳前後の小林未奈選手が控えており、いつでも仲間を鼓舞し、支える準備ができている心強い存在です。
フォルティウスなぜ弱い?勝てない理由は?
■なぜ苦戦しているのか?勝てない理由の分析
ミラノ五輪の1次リーグで現在1勝5敗という非常に厳しい状況に立たされている彼女たちですが、なぜこれほどまでに苦戦しているのか、冷静に分析してみましょう。
現地で解説を務める石崎琴美さんも指摘していますが、最大の課題は「8エンド目」以降のレイトエンドでのショットの選択と、自分たちの石の残し方にあります。
実際にアメリカ戦や韓国戦でも、第7エンドまでは同点や接戦を繰り広げながら、終盤の勝負どころで痛恨のスチールを許し、一気に突き放される展開が目立ってしまいました。
技術的にはドローウェイト、特にソフトウェイトの精度のばらつきが目立ち、氷の微妙な変化を読み切るのに苦労している印象を強く受けます。
僕が試合を見ていて特に感じるのは、昨年12月の最終予選で見せていた「覚悟の決まった表情」に比べ、五輪本番では重圧からか、どこか表情が硬くなっている点です。
カナダ戦の第3エンド、中心に置けば1点という場面でストーンがハウスを抜けてしまった吉村選手のショットは、見ていて本当に僕も涙が出そうになるほど悔しかったです。
ただ、世界ランク1位のスイスを相手に、終盤で見事な逆転劇を見せて大金星を挙げたあの力こそが、彼女たちの真の実力であると信じて疑いません。
フォルティウス・ロコソラーレ対戦成績
■ロコ・ソラーレとの気になる対戦成績
カーリングファンなら誰もが熱くなる「北海道ダービー」ですが、ロコ・ソラーレとの激闘の歴史を振り返ると、非常に興味深いデータが見えてきます。
2026年現在までの公式戦通算成績は54試合行われ、ロコ・ソラーレが31勝、フォルティウスが23勝と、通算ではロコがリードを守っています。
かつてはロコが急成長を遂げる中で、フォルティウスは何度もあと一歩のところで代表の座を逃し、スポンサー契約が終了するという暗い時期さえ経験しました。
しかし、2025年の五輪代表決定戦では、タイブレークまでもつれ込む死闘の末に、フォルティウスが7-2という圧倒的なスコアでロコを破り、雪辱を果たしたのです。
「さっちゃんの存在があるから成長できた」とライバルの藤沢五月選手に感謝を述べる吉村選手の言葉からは、互いを高め合ってきた美しい関係性が透けて見えますよね。
フォルティウス・ロコソラーレ関係はライバル?
■二大チームの国際舞台での実績を比較
世界という大きな舞台での実績を比較してみると、やはりこれまでのロコ・ソラーレが築いてきた壁は、非常に高く厚いものであることがわかります。
ロコ・ソラーレは平昌での銅、北京での銀という、日本のカーリング史上初となる五輪2大会連続メダルという、まさに伝説的な記録を持っています。
一方のフォルティウスは、2014年ソチ五輪での5位入賞がこれまでの最高位であり、世界選手権でもメダル獲得にはまだ手が届いていないのが現状です。
ロコが「そだねー」という言葉に象徴されるような、明るくリラックスした笑顔のチーム文化なら、フォルティウスは「より強く」を意味するチーム名の通り、どこまでもストイックでクールな美しさが際立ちます。
ただ、2025年の日本選手権を制し、今の日本を代表して戦っているのは間違いなくフォルティウスであり、彼女たちは今、新しい歴史を作ろうとしている最中なのです。
■世界大会実績比較表(主要なもの)
| 大会 | フォルティウス | ロコ・ソラーレ |
|---|---|---|
| オリンピック | 1回出場(2014ソチ:5位) | 2回出場(2018平昌:銅、2022北京:銀) |
| 世界選手権 | 3回出場(最高6位・2015年) | 2回出場(2016年:銀、2023年:6位) |
| PACC / PCCC | 3回出場(2021金、2013/14銅) | 複数回(2015金、2017/18準優勝など) |
| グランドスラム | マスターズ準優勝(2019、日本勢初) | カナディアン・オープン優勝(2023)ほか複数ベスト4 |
| その他 | – | ワールドカップ優勝(2018-19)、パンコンチネンタル金(2022) |
まとめ
ここまで丁寧にフォルティウスの今をお伝えしてきましたが、彼女たちは決して「弱い」チームなどではありません。
今の苦戦は、かつてロコ・ソラーレが通ったような、世界最高峰の舞台で勝ち切るための、避けては通れない産みの苦しみの中にいるのだと僕は感じています。
駐車場での練習やチーム存続の危機といった、想像を絶する困難を乗り越えてきた彼女たちの精神力なら、この悔しさを必ず未来の強さへと変えてくれるはずです。
たとえ今回の五輪の結果が絶望的であっても、最後まで「より強く」前を向いて戦い抜く彼女たちの姿を、僕はこれからも熱く応援し続けます。
皆さんも、日本カーリングの新しい時代を切り拓こうとしている彼女たちに、温かいエールを送り続けていきませんか。
