でんじろう先生といえば、あの大きな空気砲から放たれる煙の輪を真っ先に思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
テレビで見ない日はないほどお馴染みの顔ですが、実はその裏側には、今の輝かしい姿からは想像もつかないような泥臭い苦労や、驚くべき人生の転機がいくつも隠されているんです。
今回は、お茶の間の人気者である米村でんじろう先生の素顔について、Wikipediaにも負けないくらいの熱量で、どこよりも深く掘り下げていきたいと思います。
これを知れば、いつもの実験ショーがまた違った角度で見えてくるかもしれませんよ。
米村でんじろう先生｜プロフィール、年齢・本名は？
■本名と意外な苗字の秘密
まずは基本のプロフィールから見ていきましょう。
でんじろう先生は1955年2月15日生まれ、千葉県市原市の自然豊かな場所で育ちました。
「米村でんじろう」という名前はあまりにインパクトが強いため芸名だと思われがちですが、実は「米村 傳治郎（よねむら でんじろう）」という立派な本名なんです。
ただ、最初から「米村」だったわけではなく、かつては「戸谷（とや）」という苗字を名乗っていました。
大学院時代に出会った奥様と結婚する際、彼女の実家に婿養子として入ったことで現在の苗字になったというエピソードがあります。
愛する人の苗字を継いで今の「でんじろう先生」があると思うと、なんだかロマンチックな感じがして素敵ですよね。
米村でんじろう先生｜学歴(出身高校・大学)は？
■3浪の末に掴んだ学歴と苦悩
今でこそ科学の天才というイメージがありますが、実は学生時代はかなりの劣等生だったとご本人が振り返っています。
特に大学受験では壮絶な苦労を経験されており、なんと3浪もしているんです。
現役時代は学力が全く足りず、模試では常に合格可能性が低いままで、英語は赤点ばかりの落ちこぼれだったそうです。
浪人中も予備校の授業についていけず、自宅で一人勉強する「宅浪」を選びますが、精神的に追い詰められてノイローゼに近い状態になったこともあるといいます。
牛乳配達のアルバイトをしながら必死に勉強を続け、3年目にしてようやく東京学芸大学理科B類（物理）への合格を勝ち取りました。
あの底抜けに明るい笑顔の裏に、こうした暗く長いトンネルのような時代があったことは、同じように何かに躓いている人にとって大きな勇気になるのではないでしょうか。
米村でんじろう先生｜経歴
■伝説の教師時代から独立へ
大学卒業後はそのまま社会に出るのが怖くて大学院へ進学したという、少し意外な一面も持っています。
その後、研究生を経て自由学園の講師になりますが、ここで「教科書にとらわれない自由な授業」の楽しさに目覚め、本格的に教師の道を志すようになりました。
1985年から東京都立稲城高等学校に赴任しますが、当時の学校は荒れていて授業が成立しないような状況だったそうです。
そこで生徒たちの興味を引くために始めたのが、あの「百人おどし」などの参加型実験だったんですね。
しかし、次に赴任した進学校の小金井北高等学校では、「受験に役立たない実験はやめてくれ」と保護者や他の教師から批判を浴びるという苦い経験もしています。
この葛藤の末に、40代という年齢で安定した教師の職を捨て、世界でも珍しい「サイエンスプロデューサー」として独立する決断を下しました。
自分の信念を貫くために組織を飛び出すそのバイタリティには、同じ30代として本当に頭が下がる思いです。
米村でんじろう先生｜弟子
■支え合う弟子たちとの絆
でんじろう先生の活動は、現在「米村でんじろうサイエンスプロダクション」に所属する多くの弟子たちによって支えられています。
一番弟子として知られるチャーリー西村さんは、1996年の立ち上げ当初から先生を支え、今では海外公演もこなすベテランです。
また、現在は独立して人気YouTuberとして活躍している市岡元気さんも、かつてはこのプロダクションで腕を磨いたお弟子さんの一人でした。
他にもジャイアン村上さんや海老谷浩さんなど、個性豊かなスタッフたちが各地のサイエンスショーで活躍しています。
先生は彼らに対して、時には「実験で助手を溶かしたことがある」なんていう、警察が来るほどのお騒がせエピソードを作ってしまうこともあるそうですが、それも強い信頼関係があってこそなのかもしれません。
師匠の背中を見て育った弟子たちが、また新しい世代に科学の楽しさを繋いでいく様子は、一つの伝統芸能を見ているような温かさがあります。
米村でんじろう先生｜結婚した嫁(妻)は？
■結婚と奥様への深い愛情
でんじろう先生を語る上で欠かせないのが、大学院時代に出会った奥様の律子さんです。
1982年に結婚しましたが、当のでんじろう先生は研究に没頭するあまり定職についていない時期があり、家計は教師をしていた彼女が支えていたそうです。
いわば、先生の才能を誰よりも早く見抜き、無名時代を支え抜いた「最高の理解者」なんですね。
前述の通り、苗字も奥様側の「米村」を継いでおり、家庭内での絆の深さが伺えます。
先生が多忙で家を空けることが多い中でも、家庭をしっかり守り、健康面をサポートし続けてきた律子さんの存在なくして、今の活躍はあり得なかったでしょう。
「しくじり先生」に出演した際、仕事に没頭しすぎて家庭を疎かにしてしまった過去を反省する場面もありましたが、それもまた人間味あふれる先生らしいエピソードです。
米村でんじろう先生｜子供は息子？
■子供と息子の噂について
でんじろう先生にお子さんがいるのか、気になる方も多いですよね。
公式には詳細をあまり公表していませんが、少なくとも一人の息子さんがいらっしゃることが分かっています。
過去の取材記事では、先生が50歳の時点で同居していた息子さんがいたという記録が残されています。
現在は成人されていると思われますが、一般の方として生活しているため、お名前や画像などは一切公開されていません。
ネット上では、弟子の市岡元気さんが息子ではないかと噂された時期もありましたが、これは完全な誤解で、実際には師弟関係です。
家族のプライバシーを徹底して守る姿勢からは、表舞台での派手な活動とは裏腹に、一家の主としての誠実な一面が感じられます。
米村でんじろう先生｜実家の家族構成
■実家と4人兄弟の絆
でんじろう先生の原点は、千葉県の房総半島にある加茂村という小さな村にあります。
実家は兼業農家で、でんじろう先生は4人兄弟の末っ子として可愛がられて育ちました。
年の離れた兄弟だったため、幼少期は一人で遊ぶ時間が多く、それが結果として工作や実験に没頭する時間を生んだようです。
残念なことに、高校3年生の時に工場で働いていたお父様を労災事故で亡くされており、これがその後の進路選択にも大きな影響を与えました。
経済的に苦しい中で国立大学を目指したのも、働き者の母親に少しでも負担をかけたくないという親孝行な気持ちがあったからなんです。
家で一人引きこもるように勉強していた先生を、周りの大人が温かく見守ってくれたことが唯一の救いだったと回想されています。
米村でんじろう先生｜出身中学・小学校は？
■好奇心の塊だった小中学校時代
「三胞子（さんぱこ）」とも呼ばれるほど理科以外の成績が芳しくなかった小学校時代から、先生の好奇心はすでに爆発していました。
『鉄腕アトム』のお茶の水博士に憧れ、捨てられたラジオを分解して電磁石を作ったり、手製の望遠鏡を組み立てたりして遊んでいたそうです。
中学生になるとその探究心はさらに加速し、化学部に所属しながら、なんと自作の「火縄銃」作りに没頭しました。
山中で発射実験を行った際、火薬を詰めすぎて銃身が破裂し、左手に大怪我を負ってしまうという壮絶な失敗談もあります。
今の「安全な実験」を推奨する先生からは想像もつきませんが、こうした自らの痛い経験が、今の指導に繋がっているのかもしれません。
また、高校時代にはバイクの車輪を改造して「ろくろ」を作り、陶芸まで楽しんでいたというから驚きです。
まとめ
米村でんじろう先生の歩んできた道は、決してエリート街道ではなく、むしろ失敗と挫折、そして試行錯誤の連続でした。
3浪という苦い経験や、進学校での挫折を乗り越え、それでも科学の力を信じて「楽しさ」を追求し続けたからこそ、今の地位があるのです。
単なる物知りな博士ではなく、自らが泥にまみれて実験を繰り返してきた「実践の人」であることが、老若男女を惹きつける最大の魅力なのでしょう。
これからも、私たちを驚かせるような新しい実験を次々と生み出してくれることを、一人のファンとして心から楽しみにしています。
もし、あなたが何かに失敗して立ち止まっているのなら、でんじろう先生の「3浪時代」を思い出してみてください。
一度の失敗が人生の終わりではなく、むしろそれが新しい道への大きな跳躍台になることを、先生の人生そのものが証明してくれています。
暗闇の中でじっと耐えた種が、やがて美しい花を咲かせるように、彼の情熱もまた、長い冬を越えて今まさに満開の時期を迎えているのかもしれません。
