毎朝8時の15分間、画面からあふれ出す圧倒的な熱量に心が震えて止まりません。
東京編が始まってから一気にスピード感が上がりましたが、第23話はまさに文壇の怪人たちが大集結する神回と言っても過言ではない怒涛の展開でした。
岩国でのあの苦しく理不尽な日々を乗り越えて上京した珠が、ついに憧れていた文学の熱気に直接触れる瞬間を目撃できて、画面の前で思わずガッツポーズをしてしまいました。
遠藤憲一さん演じる豪快すぎる編集長や、高良健吾さん演じるミステリアスな大作家の登場など、画面のどこを切り取っても見どころしかありません。
今回もドラマの細かな描写やキャラクターの心理変化を深く掘り下げながら、物語の魅力を余すところなく語り尽くしていきたいと思います。
ブラッサム(朝ドラ)23話までの振り返り
物語は山口の岩国で起きたあの悲しい事件から大きな転機を迎えました。
代用教員として子どもたちに真摯に向き合っていた珠でしたが、同僚の島村辰彦との噂を理由に、理不尽極まりない形で学校を解雇されてしまいました。
男性である島村はお咎めなしで教壇に立ち続け、女性である珠だけがすべての責任を押し付けられるという理不尽さに、胸が締め付けられるような思いをした方も多かったはずです。
さらに周囲の心ない噂は留まることを知らず、実家や本家の酒造会社でも居場所を失った珠は、人生のどん底に突き落とされていました。
そんな絶望的な状況の中で救いとなったのが、継母リョウのあたたかい一言と、東京の大学へ進学する木村保との再会でした。
自分自身の人生を誇りを持って生きてほしいという家族の願いを受け、珠は住み慣れた故郷を離れ、新しい自分に生まれ変わるために上京することを決意したのです。
弟の守が涙を流して引き留めようとするシーンは、何度思い出しても涙がこぼれそうになります。
そうして辿り着いた東京の本郷で待っていたのは、下宿先の「他人の男女は同居禁止」という厳しいルールでした。
ふたりはとっさに「兄妹」だと偽って同居をスタートさせましたが、大家の辰五郎やその娘のマキからの怪しまれる視線に冷や冷やさせられる日々が続きます。
さらに保の実家からの仕送りが突然止まるという経済的な大ピンチに見舞われ、保は早朝の新聞配達の仕事を始め、珠もまた自立のために働き口を探し始めました。
街を歩き回ってようやく見つけたのが、西洋レストラン「悠樂軒」のウエイトレスの求人広告だったわけです。
ブラッサム(朝ドラ)23話ネタバレあらすじ
物語は珠が西洋レストラン「悠樂軒」でウエイトレスとして働き始める初日の場面から賑やかにスタートしました。
店長の熊田に迎えられた珠は、同僚となる先輩ウエイトレスの松子や、スギ、ヨネといった個性溢れるスタッフたちと出会います。
着物の上から真っ白なエプロンを身にまとった珠の姿はとても新鮮で、新しい世界へ踏み出した彼女のキラキラとした高揚感が画面越しにも伝わってきました。
ハイカラな客で満席となる店内で、珠はさっそく文壇の超重要人物たちと相次いで遭遇することになります。
まず姿を現したのが、日本屈指の文芸雑誌「首都公論」を率いる敏腕編集長の黒崎大三郎と、副編集長の山中勇三でした。
黒崎は初対面の珠に対してビフテキ、カツレツ、コロッケ3つという驚愕の量を注文し、一人で平らげる圧巻の大食漢ぶりを見せつけます。
仕事は胃袋で決まるんだと豪快に笑う黒崎は、去り際に50銭という当時の給仕にとっては破格の大金チップをテーブルに残していきました。
チップの意味がわからず忘れ物だと慌てる珠に対し、副編集長の山中が優しく声をかけて心付けだと教えるやり取りも実に魅力的でした。
さらに別の場面では、店の片隅で一心不乱に洋書を読みふける一人の男の姿がありました。
コーヒーに角砂糖を8個も放り込み、ドロドロのを飲むと頭が冴えるんだとクールに語るその人物こそ、珠が憧れてやまない売れっ子作家の秋山格之介でした。
先輩の松子から彼の正体を聞かされた珠は、あの名作『羅城門』を生み出した本物の作家が目の前にいることに深く感動し、目を輝かせます。
店内にはさらに、編集者たちの会話を盗み聞きして文壇の流行をメモする文学青年の左良太もおり、珠は彼に対して自分もすでに小説を書いていると誇らしげに明かしていました。
家に帰った珠は、仕事先で出会った文化人たちの話を楽しそうに保に語り、もらったチップを見せて笑い合います。
保は珠が綺麗にメイクをしていることに全く気づかない鈍さを見せつつも、彼女の安全や生活を心から心配していました。
多忙な家事とレストランでの給仕仕事をこなしながらも、夜になると机に向かって一心不乱に原稿用紙へペンを走らせる珠の姿で、この回は締めくくられました。
ブラッサム(朝ドラ)23話ネタバレ感想
今回の放送は間違いなく東京編の前半における最高潮のひとつであり、画面全体から漂う大正浪漫の情熱にすっかり魅了されてしまいました。
何と言っても遠藤憲一さん演じる黒崎編集長の存在感がズバ抜けていて、画面に登場した瞬間に場の空気をすべて持っていくようなパワーがありました。
昼食にビフテキとカツレツとコロッケを同時に頼んで豪快に頬張る姿は、当時の出版界の勢いと彼の規格外のスケール感を完璧に表現していました。
井浦新さん演じる山中副編集長との対比も実に見事で、豪快な「攻め」の編集長を隣で冷静に支える「守り」の佇まいから、ふたりの深い信頼関係が滲み出ていました。
そして高良健吾さん演じる秋山格之介の初登場シーンには、思わず息をのむほどの格好良さがありました。
角砂糖を8個もコーヒーに入れるという凄まじい甘党ぶりには思わずクスッと笑ってしまいましたが、シニカルで浮世離れした佇まいはまさに天才作家そのものでした。
岩国にいた頃の珠は、周囲の狭い価値観や古いしきたりに縛られて息をひそめるように生きていましたが、東京の西洋レストランという文化の交差点で生き生きと働く姿には胸が熱くなります。
同僚のウエイトレスたちやトレンディエンジェルの斎藤さん演じる店長など、コミカルで賑やかなキャラクターたちが作品の良いアクセントになっていました。
保が珠のメイクの変化にまったく気づかない場面では、不器用な男性特有の愛おしさがあふれていて、見ていて思わずほっこりとした気持ちになりました。
文壇のトップに君臨する人々と同じ空間で空気を吸い、刺激を受けながら夜な夜なペンを走らせる珠の情熱は、何かを表現したいと願うすべての人々の心に深く刺さるはずです。
ブラッサム(朝ドラ)23話からどうなる?
次回第24話では、珠の情熱が一気に爆発し、物語がさらに大きなうねりを見せることになりそうです。
仕事の合間を縫って書き上げた自作の短編小説を、なんと来店した黒崎編集長に直接手渡すという驚くべき行動に出ます。
無名の新人であり給仕に過ぎない珠が、文壇のカリスマである黒崎に原稿を突きつけるという展開は、彼女の度胸と強い執念を感じさせます。
しかし、プロの厳しい目を持つ黒崎が、素人の書いた原稿をそのまま素直に褒めちぎるとは到底思えません。
おそらく最初は厳しい言葉で叩きのめされるか、あるいは独自の美学で突き放されるような試練が待っているのではないかと予想されます。
その厳しい批評こそが、珠を本当の意味でプロの作家へと成長させる最初の壁になるのではないでしょうか。
一方で、本郷の下宿先でも看過できない大きな問題が浮上してきます。
大家の辰五郎とその娘のマキから、保と珠の関係が実は兄妹ではなく恋仲に発展したのではないかと激しく問いただされることになります。
嘘をつき通す限界が近づいており、大家さんたちに真実を明かすことになるのか、それとも保が男としてどのような決断を下すのかが大きな見どころです。
さらに、レストランで出会った文学青年の左良太との交流が深まることで、保の胸の中に芽生え始めた嫉嫉や焦りの感情がどのように変化していくかも見逃せません。
夢に向かって暴走気味に突き進む珠と、生活と恋心の間で揺れる保の距離感がどのように変化していくのか、一時も目が離せない展開が続きそうです。
まとめ
第23話は、ヒロインの珠が「書く人」として本格的に覚醒していくための最高の舞台装置が揃った素晴らしい回でした。
豪快で魅力あふれる編集者たちや、ミステリアスで天才的な作家との出会いは、彼女の人生にとって一生の財産になることは間違いありません。
挫折や悲しみを経験したからこそ、新しい世界で出会う人々や文学の輝きが、より一層まばゆく感じられます。
自分の力で運命を切り拓こうとする珠のたくましい姿は、毎朝私たちに大きな勇気と希望を与えてくれます。
自分の書いた小説を黒崎編集長に手渡した彼女が、これからどんな言葉を受け取り、どうやって作家への階段を上っていくのか、期待で胸が膨らむばかりです。
明日放送される第24話も、テレビの前で正座しながら珠の挑戦を全力で応援し、見届けていきたいと思います。
