朝ドラ「ばけばけ」の第80話を観終わって、なんだか胸の奥がぎゅっと締め付けられるような、言葉にできない切なさに包まれてしまいました。
幼なじみという近すぎる関係だからこそ、お互いの状況の変化がこれほどまで残酷に響いてしまうのかと、脚本のふじきみつ彦さんの筆致の鋭さに改めて唸らされる回でしたね。
今日は、そんな第80話の内容を振り返りつつ、物語が大きな転換点を迎えた背景や、これからの展開について徹底的に考察していきたいと思います。
ばけばけ(朝ドラ)80話までの振り返り
■友情と現実の狭間で揺れた第79話までの流れ
これまでの物語では、ヘブンが書き続けてきた日本滞在記がついに完成し、そのお祝いとして松野家で賑やかなパーティーが開かれました。
しかし、その様子を取材した梶谷の記事「ヘブン先生日録」が新聞で連載されるようになると、状況は一変します。
トキは一躍「時の人」となり、町を歩けば「ステーキは素敵」などと揶揄されたり、拙い英語を披露してほしいとせがまれたりする有名人になってしまったのです。
こうしたトキの華やかな変化は、川の向こう側の天国町で苦しい生活を送る親友のサワや、遊女として生きるなみの耳にも届いていました。
特にサワは、自分も天国町を脱出するために正規の教員を目指して必死に勉強している最中であり、一足先に幸せを掴んだように見えるトキに対して、複雑な嫉妬心を抱き始めていたのです。
一方でなみは、贔屓客である福間からの身請け話に心が揺れ、自由への期待と不安の間で葛藤を続けていました。
錦織もまた、知事の江藤からヘブンを松江に留めた功績を高く評価される一方で、校長就任という重い打診を受け、自分の進むべき道に迷いを感じていたところでした。
ばけばけ(朝ドラ)80話ネタバレあらすじ
■決意と拒絶が交差した第80話のストーリー
第80話は、サワが教員資格取得のために「白鳥倶楽部」で一人黙々と勉強に励んでいるシーンから始まります。
そこへトキが訪ねてきますが、サワの態度は驚くほどそっけなく、二人の間には明らかな距離感が生じていました。
山橋や土江といった周囲の男たちがトキに夢中で話しかけている隙に、サワはいたたまれなくなったのか、逃げるようにその場を去ってしまいます。
そんなサワを追いかけたトキでしたが、サワは「自分は誰の力も借りず、誰にも頼らずに正規の教師になる」と強い決意を口にし、自立への執念を見せました。
一方、遊郭ではなみが大きな決断を下し、福間の身請け話を受け入れて「待っちょれ川の向こう側ー!」と空に向かって叫び、天国町からの脱出を宣言しました。
その頃、県知事室では江藤が錦織に対し、彼が校長に就任した際の後任となる英語教師の身上書を提示します。
その名前が松江中学の同級生である庄田多吉だと知った瞬間、錦織の表情は一変し、隠しきれない動揺と困惑が顔に張り付きました。
物語の終盤、トキはサワを心配して天国町の長屋を訪れますが、サワの母・キヌから「今日は遅くなる」と居留守を使われてしまいます。
衝立の影からサワの足が見えていることに気づかないまま、トキは寂しそうにその場を去り、長屋の子供たちとスキップをしながら家路につくという、あまりにも対照的な光景で幕を閉じました。
ばけばけ(朝ドラ)80話ネタバレ感想
■心がヒリつくような80話のリアルな感想
今回の放送を観ていて、サワの「そっけなさ」が単なる意地悪ではなく、自分自身を守るための精一杯の防壁であることに胸が痛みました。
トキが悪気なく「頑張って」と声をかける姿は、どん底の生活から必死に這い上がろうとしているサワにとって、どれほど残酷な「成功者の余裕」に見えたことでしょうか。
小学校を中退して働き詰めだったトキを「自分より悲惨だ」と思うことで心の平穏を保っていたサワにとって、今のトキの姿は耐え難いものなのかもしれません。
一方で、なみが叫んだ「川の向こう側」という言葉には、明治という時代を生きる女性たちの切実な願いが凝縮されていて、目頭が熱くなりました。
さとうほなみさんが演じるなみの、どこかカラッとした、それでいて重い業を背負ったお芝居が、この結末に深い救いを与えてくれたように感じます。
それにしても、庄田多吉の名前を聞いた時の錦織のあの表情には、一体どんな過去が隠されているのか気になって夜も眠れそうにありません。
吉沢亮さんが見せた、あの「歓迎していない」どころではない拒絶の表情は、これまでの穏やかな錦織からは想像もつかないものでした。
山橋が気を利かせて庄田を呼ぼうとしたのを食い気味に断る様子からも、二人の間には「秀才同士」以上の、何か決定的な確執があることは間違いなさそうです。
ばけばけ(朝ドラ)80話からどうなる?
■次回81話・17週「ナント、イウカ。」で予想される展開の考察
来週から始まる第17週のタイトルは「ナント、イウカ。」となっており、言葉の壁や心のすれ違いが大きなテーマになりそうですね。
まず注目したいのは、庄田多吉が本格的にサワの物語に絡んでくるという点です。
東京から戻ってきた庄田は、教員試験の勉強に行き詰まっているサワに対し、勉強を手伝うと申し出ることになります。
最初はそっけなかったサワですが、次第に庄田の人間性や知識に触れ、彼を尊敬し、心を開いていく様子が描かれるようです。
これはサワにとっての「春」の予感であり、トキへの嫉妬心から彼女を救い出すきっかけになるのではないでしょうか。
一方で、トキはサワとの関係修復ができずに深く落ち込みますが、ヘブンが司之介と結託して彼女を励ますために何かを披露してくれるようです。
ヘブンがトキに向かって「ダイジョウブ」と優しく声をかけるシーンは、きっと視聴者の心も温めてくれる名場面になるでしょう。
そして最大のミステリーである「錦織さんの謎」ですが、庄田の登場によってついにその闇が明かされる可能性が高いです。
ネットでは「錦織は実は試験に合格していないのではないか」という鋭い考察も飛び交っており、庄田が「半分弱」と謙遜しながらも実際には資格を持っていることが、錦織を追い詰めるのかもしれません。
なみが福間を連れてトキの新居を訪れるという予告もあり、天国町を去った彼女たちの再会がどのような変化をもたらすのかも見逃せませんね。
まとめ
第80話は、それぞれのキャラクターが「自分の足で立つこと」や「愛する人と生きること」を選択し、それぞれの道を歩み始める重要な回でした。
特にサワとトキの友情が一時的に壊れてしまう展開は辛いものがありますが、これも二人が本当の意味で対等な関係になるために必要なプロセスなのだと信じたいです。
明治という激動の時代、西洋化の波に揉まれながらも、自分の居場所を見つけようとあがく彼女たちの姿は、現代を生きる私たちの心にも深く刺さります。
錦織の過去、サワと庄田の急接近、そしてトキの心の再生。
来週から始まる第17週も、一瞬たりとも目が離せない密度の濃い一週間になりそうで、今から月曜日が待ち遠しいです。
物語がどこへ向かっていくのか、これからも皆さんと一緒にじっくりと見守り、考察していければと思います。
