幸せな結婚へと一歩踏み出したはずのトキとヘブン先生でしたが、第69話では「建前」という日本特有の壁が二人の前に大きく立ちはだかりましたね。
大切な人を想うからこそついてしまう嘘が、真実を重んじるヘブン先生の心に深い傷を残してしまう展開に、僕も画面の前で胸が締め付けられる思いでした。
今回の放送では、雨清水家の複雑な事情やタエ様の親心が描かれ、ついに始まった披露パーティーで最悪の結末を迎えるまでの激動の15分間を詳しく紐解いていきたいと思います。
ばけばけ(朝ドラ)69話までの振り返り
■祝福から一転して不穏な空気へ!前回第68話までの振り返り
第68話は、まさに松野家にとって奇跡のような幸福に包まれた回でした。
異人嫌いとして知られ、ヘブン先生のことを「ペリー」と呼んでいた祖父の勘右衛門さんが、トキの真っ直ぐな思いを聞いて「好いちょるなら仕方ない」と結婚を許したシーンは本当に感動的でしたよね。
それどころか、勘右衛門さん自身も長年の友人である上野タツさんにプロポーズし、まさかのダブル婚約という最高にハッピーな結末を迎えました。
しかし、その裏ではトキがヘブンの家で女中として働くことで得ていた月給20円という破格の収入が、松野家や没落した雨清水家を支える生命線になっていたというシビアな現実もありました。
トキが結婚を家族に切り出せなかったのは、自分が妻になることでその給金が途絶え、家族が路頭に迷うことを恐れていたからなのですが、その事情を知らないヘブン先生は、自分が外国人だから隠されているのだと誤解し、不信感を募らせていたのです。
ばけばけ(朝ドラ)69話ネタバレあらすじ
■優しさが仇となる「建前」の連鎖!第69話のストーリー詳報
物語は、ヘブン先生がトキと三之丞が密会している場面を目撃し、不満を爆発させるところから始まります。
学校で通訳の錦織友一がヘブン先生に対し、三之丞がトキの弟であることを説明しますが、なぜ隠すのか納得できないヘブンに、錦織は「日本には建前という文化がある」と英語で諭しました。
「トキさんはあなたとうまくやりたいから隠し事をしているだけだ」という錦織の必死のフォローも、まっすぐなヘブン先生の心にはなかなか届きません。
一方、雨清水家では母・タエが息子・三之丞にトキの結婚を報告しますが、三之丞はトキから毎月10円の援助を受けている負い目からか、知らないふりを装って驚いて見せました。
その後、タエは花田旅館を訪れ、トキに自分が雨清水家に嫁ぐ前から大切にしていた櫛をお祝いとして手渡し、心からの祝福を伝えます。
タエは、自分がかつて三之丞に「人を使う仕事に就きなさい」と無茶を言ったせいで息子が働けなくなり、トキに金銭的負担をかけていることを深く詫びました。
しかしタエは同時に、「あの子は社長をしていることになっている、その嘘を貫かせてあげたい」とトキに頭を下げ、真実を隠し通すことを頼み込むのでした。
そして迎えた両家の顔合わせを兼ねた披露パーティーでは、司之介や勘右衛門がヘブンを「特別な存在」として温かく迎え、和やかなムードで始まります。
しかし、トキが三之丞を「会社の社長さんです」と紹介した瞬間、全ての嘘を悟っていたヘブン先生の表情が凍りつきました。
「というわけで、これで晴れて皆家族じゃ」という司之介の言葉に対し、ヘブン先生はついに立ち上がり、「カゾク、ナル、デキナイ!」と叫んでその場を拒絶してしまったのです。
ばけばけ(朝ドラ)69話ネタバレ感想
■「ばけばけ」第69話の切なすぎる感想
今回のエピソードを見ていて、タエ様の「親心」とヘブン先生の「誠実さ」が真っ向からぶつかり合ってしまったのが、本当に見ていて辛かったですね。
日本人にとっての「建前」は、相手のプライドを守ったり関係を円滑にしたりするための「優しい嘘」であることが多いですが、ヘブン先生にとっては単なる不誠実な「嘘」に過ぎないのだと痛感しました。
特にタエ様が「あなたから頂いたお金で買うわけにはいかないから」と、自分の私物を櫛として贈ったシーンには、没落士族としての誇りとトキへの申し訳なさが詰まっていて涙が出そうになりました。
でも、その一方で三之丞に「偽りの社長」という役割を演じさせ続けることは、彼を本当の意味で救うことにはならないのではないか、とも感じてしまいます。
ヘブン先生のモデルである小泉八雲は、幼少期に両親の離婚や見捨てられた経験を持つため、家族間の隠し事には人一倍敏感であるという背景を聞くと、彼の「カゾク、ナル、デキナイ」という言葉の重みがより一層増して聞こえます。
誰一人として悪意があるわけではないのに、全員が少しずつ「良かれと思って」隠し事をした結果、一番大切な信頼関係が崩れそうになる展開は、現代の人間関係にも通じる深い教訓を含んでいる気がします。
ばけばけ(朝ドラ)69話からどうなる?
■次回第70話はどうなる?ヘブン先生の決断と家族の反応を考察
次回の第70話では、この凍りついたパーティー会場でヘブン先生がどのような「本音」を語るのかが最大の焦点になるでしょう。
「カゾク、ナル、デキナイ」という発言は、結婚を白紙に戻すという意味ではなく、「嘘で塗り固められた関係では、本当の家族にはなれない」という彼なりの悲痛な叫びなのではないでしょうか。
予告映像では、ガクッと頭を垂れるトキの姿が映し出されており、彼女が自らの隠し事をどう釈明するのか、あるいはついに全ての真実を話す決意をするのかが注目されます。
また、錦織友一が通訳として、この文化的な断絶をどう仲裁していくのかも期待したいポイントで、彼の有能さが試される回になりそうです。
個人的な予想としては、一度は決裂しかけるものの、ヘブン先生が自分の暗い過去を打ち明け、それに応えるようにトキが泥臭い家の事情をさらけ出すことで、本当の意味での絆が芽生えるのではないかと考えています。
「嘘」を「化かす」ことで乗り越えてきたトキが、今度は「真実」でどう自分たちの運命を切り拓いていくのか、明日の放送から目が離せません。
まとめ
■嘘が招いた新婚の危機、その先に待つ「真の家族」の形
第69話は、明治という変化の時代において、武士の誇りと異文化の価値観が激しく衝突する、物語の大きな転換点となりました。
タエ様が守りたかった息子の面目と、ヘブン先生が求めていた魂の誠実さが、皮肉にも「結婚」という最も幸福な場所で火花を散らしてしまいました。
三之丞を「社長」と偽って紹介したトキの言葉は、ヘブン先生を家族として信用していない証拠として受け取られてしまったのが、何よりも悲しい出来事です。
しかし、この深い絶望こそが、表面的な付き合いではない「本物の夫婦」へと化けていくための必要な試練なのかもしれません。
明日の第70話で、このギスギスした関係がどう決着し、週末に向けてどのような希望を見せてくれるのか、一視聴者として心から見守っていきたいと思います。
