朝の澄んだ空気の中で、トキとヘブンの距離が少しずつ近づいていく様子に胸を熱くしていたのも束の間、物語は大きな転換点を迎えましたね。
第13週「サンポ、シマショウカ。」は、まさに心臓がいくつあっても足りないような波乱の幕開けとなりました。
ばけばけ(朝ドラ)62話までの振り返り
まずは、切なさが漂った前回61話の余韻から整理していきましょう。
トキは毎晩ヘブンに怪談を語り聞かせる幸せな時間に没頭していましたが、その裏では、滞在記が完成すれば彼は日本を去ってしまうのではないかという消えない不安を抱えていました。
そんな彼女の元に、かつて東京で別れた元夫・銀二郎から、松江に帰るという衝撃的な手紙が届いたのが前回でしたね。
一方のヘブンもまた、机に飾られた写真の女性、イライザからの手紙を受け取っており、互いに誰に会うのかを明確に言えないまま、穏やかな日常に過去の影が忍び寄っていました。
ばけばけ(朝ドラ)62話ネタバレあらすじ
そして迎えた第62話、ついに物語の歯車が大きく動き出しました。
トキがヘブンの家で働いている不在の隙に、洋装に身を包んだ銀二郎が松野家を訪れます。
彼は祖父の勘右衛門や父の司之介に対し、4年前に突然出奔したことを深く謝罪しました。
厳格な勘右衛門が「もう忘れた、また稽古しよう」と木刀を手に彼を許すシーンには、武士の情けと家族の絆を感じずにはいられませんでした。
しかし、銀二郎が語った再訪の目的は、単なる謝罪ではなく、トキとやり直したいという切実な想いでした。
驚くべきことに、彼は東京で会社を興しており、月給200円、現代の価値に換算すれば年収1000万円近くにもなる成功を収めていたのです。
この破格の収入を聞いた瞬間に目の色を変える松野家の現金さには少し笑ってしまいましたが、司之介の口からさらに衝撃的な事実が飛び出しました。
なんと、銀二郎の籍はまだ抜かれておらず、戸籍上は今も「松野銀二郎」のまま、二人は正式には離婚していなかったのです。
その頃トキは、翌日の休暇の理由をヘブンに「前の夫(ツレアイ)に会う」と正直に打ち明けていました。
ヘブンもまた、アメリカからやってくる同僚の記者イライザを船着き場で心待ちにしていました。
ついに上陸したイライザは、ヘブンと再会するなり「会いたかったわ、レフカダ」と親密なハグを交わします。
その様子を遠くから見つめるようなトキのモヤモヤとした表情が、見ているこちらの胸を締め付けます。
ばけばけ(朝ドラ)62話ネタバレ感想
今回のエピソードを見ていて私が一番揺さぶられたのは、銀二郎が「光が見えない暗闇の中にいた」と過去の苦しみを吐露した場面です。
以前の彼は家の重圧に耐えかねて逃げ出すしかありませんでしたが、今の彼は愛する人を養える自信と実力を手にして戻ってきました。
それに対してヘブンは、今のところ1年限りの任期で松江にいる「通りすがり」の存在に過ぎません。
経済的な安定を約束する「籍の入った夫」と、魂の深い部分で共鳴し始めた「雇い主の外国人」との間で、トキの心がどう揺れ動くのか、もう目が離せません。
特にイライザとのハグを見た後のトキが、銀二郎からの手紙を手に川を眺めるシーンは、彼女の孤独と葛藤が凝縮されているようで本当に切なかったです。
ばけばけ(朝ドラ)62話からどうなる?
さて、明日放送される第63話では、いよいよ4年ぶりの直接対面が描かれます。
家族が見守る中でトキと銀二郎は再会し、失われた時間を取り戻すかのように会話を重ねていくことになるでしょう。
一方でヘブンは、イライザを花田旅館へと案内し、そこに英語教師の錦織も合流してお茶会を開く展開が予想されます。
イライザと錦織がヘブンの人柄について語り合う一方で、トキと銀二郎は二人で「思い出の場所」へとランデブーに向かいます。
かつて夫婦だった二人が、再びあの頃のような穏やかな関係に戻れるのか、それとも今のトキの心にはすでに別の誰かが住み着いているのかが試される重要な回になるはずです。
「板挟み」の連続のような展開ですが、トキが自分自身の言葉で、今の素直な気持ちを誰に伝えるのかを見守りたいと思います。
まとめ
かつての夫が成功して戻ってくるという、まるで怪談よりも劇的な再会劇が幕を開けました。
銀二郎の真っ直ぐな瞳と、ヘブンのどこか寂しげな横顔のどちらをトキが選ぶのか、明日からの展開を一緒にハラハラしながら見守りましょう。
まるで消えかかった蝋燭の炎が再び激しく揺らめき始めたような、そんな予感に満ちた第62話でした。
