今日の『ばけばけ』、胸が締め付けられるような、それでいてどこか救われるような、そんな不思議な余韻に包まれる回でしたね。
第104話では、物語が静かに、けれど確実に核心へと踏み込んでいくのを感じて、私も画面の前で思わず居住まいを正してしまいました。
これまで描かれてきた「呪い」という不穏なテーマが、トキの圧倒的な優しさによって、美しくも切ない愛の物語へと昇華された瞬間を見届けたような気がします。
ばけばけ(朝ドラ)104話までの振り返り
■前回の振り返り:熊本での行き詰まりと謎めいた女性・イセとの出会い
第103話を振り返ってみると、熊本に移り住んでからのヘブンが、ある種の「壁」にぶつかっていたのが印象的でしたね。
明治の急速な近代化が進む熊本の景色に馴染めず、紀行文の筆が思うように進まないヘブンの姿は、創作活動の苦しみを象徴しているかのようでした。
そんな夫を助けたい一心で、トキは書生の丈や正木と一緒に、地元に伝わる古い言い伝えや物語を必死に集め始めました。
そのネタ探しの道中で出会ったのが、村の人々から「呪われた女」として遠ざけられていた吉野イセという女性です。
彼女が放つ、どこか浮世離れした、けれど痛々しいほどの孤独を纏った雰囲気に、トキは何か通じ合うものを感じたのかもしれません。
ばけばけ(朝ドラ)104話ネタバレあらすじ
■第104話ストーリー:語られた「人形の墓」の悲劇とトキが下した決断
物語は、トキがイセを松野家に招き、ヘブンの前で村の伝承を語ってもらうところから始まります。
ヘブンは最初、村人たちが語るありふれた言い伝えには、「それは知っています」と不機嫌さを露わにしていました。
しかし、トキが「イセさんが呪われている理由を聞かせてほしい」と食い下がると、場の空気は一変します。
イセがついに重い口を開いて語ったのは、10歳の頃に両親を相次いで亡くし、村の禁忌を破ったために兄までも喪ってしまったという、壮絶な過去でした。
その村には「1年に2人亡くなると3人目が死に、4人目以降は呪われる」という恐ろしい言い伝えがあり、それを防ぐための「人形の墓」を作らなかったことが原因だと、彼女は自分を責め続けてきたのです。
村中から疎まれ、孤独と貧困の中で「私は呪われている」と信じ込んで生きてきたイセに対し、トキが取った行動には驚かされました。
トキは、不幸な人の温もりが残る場所に座ると不幸が移るという言い伝えを逆手に取り、イセが座っていた場所にそのまま座り込みます。
「不幸せ、私に乗り移ったけん」と微笑み、震える手でイセを励ますトキの姿は、まさに聖母のような慈愛に満ちていました。
しかし、その後トキは呪いの重みに耐えかねたかのように、意識を失って倒れてしまうという衝撃のラストを迎えました。
ばけばけ(朝ドラ)104話ネタバレ感想
■第104話の感想:人間味溢れるトキの強さと、芋生悠さんの憑依したような名演
今回のエピソードで一番心に響いたのは、やはりトキという女性の「本質的な強さ」です。
単なるお人好しではなく、相手の苦しみを自分の身体で引き受けようとするその覚悟には、独身男の私としても、深い敬意を抱かずにはいられません。
特に、イセが「呪われていますけ」と漏らした時の、あの諦めに似た悲しい表情を、トキが真っ向から受け止めたシーンは圧巻でした。
イセ役の芋生悠さんの演技も素晴らしく、エキセントリックでありながら、その奥底にある「一人の女性としての痛み」を絶妙な塩梅で表現していましたね。
制作統括の方が「綱渡りのような名演」と絶賛するのも頷ける、実在感のある見事な立ち居振る舞いでした。
また、ヘブンがトキのこの行動を見て、何かに気づかされたような表情を浮かべていたのも印象的でした。
「呪い」をエンターテインメントとしての怪談としてだけではなく、そこに生きる人々の「心の悲鳴」として理解したことが、今後の彼の執筆にどう影響するのか、非常に興味深いです。
トキが倒れたことについて、SNSでは「本当に呪われたのか、それともイセを救うための芝居なのか」と議論になっていますが、私はどちらであってもトキの優しさに変わりはないと感じています。
もし芝居だったとしても、あんなに切実な嘘をつけるトキの真っ直ぐな心が、一番の救いだと思うからです。
ばけばけ(朝ドラ)104話からどうなる?
■次回第105話の展開考察:新キャラクター・ランの登場とトキの新たな一歩
さて、明日放送される第105話では、物語がまた新しいステージへと進むようです。
予告によると、ヘブンの同僚であるロバートから、日本人の妻であるランを紹介されるとのことですね。
このランを演じるのが蓮佛美沙子さんということで、これまた非常に楽しみなキャスティングです。
ランは英語が非常に堪能な女性として描かれるようで、そんな彼女の存在はトキに小さくない衝撃を与えるのではないでしょうか。
ヘブンが「リテラリーアシスタント」としてトキに期待を寄せている中で、英語ができるランと出会うことは、トキに「もっと学びたい」という向上心を芽生えさせるきっかけになりそうです。
ヘブンから英語の勉強を再開しないかという提案があるようですが、これは単なる語学学習以上の意味を持っている気がします。
二人の間に流れる「共通言語」が深まることで、夫婦の絆がより強固なものになっていく過程が描かれるのでしょう。
また、ランの自宅に招かれたトキが少し浮かれているような描写もあり、彼女たちの交流が、重苦しかった呪いの話から一転して、明るい光をもたらしてくれることを期待しています。
まとめ
■暗闇の中に灯る一筋の光、それが『ばけばけ』の魅力
今回の第104話は、明治という時代の闇と、そこに生きる人々の迷信や呪いを描きながらも、最後には人間愛という希望を見せてくれた素晴らしい回でした。
トキが倒れたことで少し心配は残りますが、彼女ならきっと、その「重さ」すらも愛おしい物語の一部に変えてしまうはずです。
怪談を愛する夫婦が、他人の不幸すらも分かち合おうとする姿は、現代に生きる私たちにとっても、忘れてはいけない「心の在り方」を教えてくれているように思えます。
明日の放送で、ランという新しい風が吹き込むことで、松野家がどのように「化けて」いくのか、一秒も見逃せませんね。
皆さんも、トキの体調を気遣いつつ、彼女の新しい挑戦を一緒に見守っていきましょう。
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。
