皆さん、こんにちは！
『赤毛のアン』って、聞くだけで心が温かくなるような、そんな特別な響きがありますよね
私もモンゴメリ作品をこよなく愛する一人として、この物語には本当に深い魅力を感じています
「子どもの頃に読んだきり…」「アニメは見たけど、内容はうろ覚え…」という方も、ご安心くださいね
今回は、改めて『赤毛のアン』の世界を一緒に旅するような気持ちで、その魅力を深掘りしていきましょう
赤毛のアン｜あらすじネタバレ
まず、この物語の舞台は、カナダ東部にある美しいプリンスエドワード島です
「グリーンゲイブルス」という緑の切妻屋根の家に暮らすカスバート家のマシュウとマリラという初老の兄妹が、農作業を手伝ってもらうために孤児院から男の子を迎えようとします
ところが、やって来たのは予想に反して、空想力豊かな11歳の赤毛の女の子、アン・シャーリーだったのです
最初、マリラは「間違いだ」とアンを孤児院に返そうとしますが
マシュウは、豊かな想像力で周りを明るくするアンにたちまち魅了されていきます
そして、心を閉ざしていたマリラも、アンの天真爛漫な魅力に次第に心を開いていくんですよ
アンは、新しい学校生活でダイアナ・バリーと「腹心の友」となり
一方で、ギルバート・ブライスに赤毛をからかわれて石板で頭を叩いてしまうという、ちょっとした（？）大事件を起こし、彼とは長い間口をきかないことになります
その後も、アンの豊かな想像力と無邪気さから、時にはぶどう酒をいちご水と間違えてダイアナに飲ませてしまうようなハプニングを起こしながらも
周囲の人々に愛され、彼女の持つ明るさでみんなの心に忘れかけていた若々しい気持ちや暮らしを取り戻させていきます
物語の第一部では、アンが11歳でカスバート家に引き取られてからクイーン学院を卒業するまでの5年間が描かれています
マシュウの突然の死という悲しい出来事を経験した後
アンは大学進学を諦め、マリラを支えるためにアヴォンリーで教師になることを決意します
そして、そんなアンの気持ちを察したギルバートが、自分の教師のポストを譲ってくれたことで、二人はついに仲直りするのです
私、このエピソードが本当に大好きで、初めて読んだ時は胸が熱くなりました
赤毛のアン｜主な登場人物
『赤毛のアン』の登場人物たちは、誰もが個性的で魅力的ですよね
物語の世界に引き込まれるのは、彼らの存在があってこそだと思います
アン・シャーリー
主人公のアンは、何と言ってもその豊かな想像力と、止まらないおしゃべりが魅力です
孤児としての辛い生い立ちを持ちながらも、持ち前の明るさで周囲の人々を惹きつけます
彼女は自分の赤毛にコンプレックスを抱いていましたが
物語を通して、それが欠点ではなく、個性であり長所であると気づいていく姿は、私たちにも勇気をくれます
私も、自分の短所だと思っているところが、もしかしたら違う見方もできるのかも、とアンに教えてもらいました
マシュウ・カスバート
シャイで口数の少ないマシュウ
彼はコミュニケーションが苦手なタイプですが、人をじっくり見て、相手のために何ができるか深く考える、心優しい人です
アンが流行のパフスリーブの服を着ていないことに気づき、女性店員に話しかけられないシャイな自分と葛藤しながら、必死にプレゼントを用意しようとする場面は、本当に涙ぐましいですよね
彼のそうした奥ゆかしい優しさが、アンの心を深く温めたのだと思います
私もこんな風に、言葉だけでなく心で寄り添える人になりたいな、と憧れます
マリラ・カスバート
最初は厳格で現実的なマリラですが
アンとの生活を通して、その頑なな心が少しずつほぐれ、深い愛情を抱くようになります
アンを真の家族として受け入れ、時にはアンの夢を後押ししてくれる、その変化も物語の見どころですね
ダイアナ・バリー
アンの「腹心の友」であるダイアナ
全く異なる個性を持つアンを拒否せず、むしろその異質さに憧れ、深い友情を育みます
彼女たちの揺るぎない友情は、誰しもが求める理想の友人関係の象徴のように感じられます
親友っていいな、と改めて思わせてくれますよね
ギルバート・ブライス
アンの赤毛をからかったことで、最初は犬猿の仲だったギルバート
しかし彼は、賢くて、努力家で、そして何よりも一途にアンを思い続ける「内面もイケメン」な紳士です
アンに何度も拒絶されても、辛抱強く彼女が心を開くのを待ち続ける寛容さを持っています
彼の一途な愛と、アンへの深い理解は、多くの読者の心を掴んで離しません
私にとって、ギルバートはまさに理想の男性像です！
赤毛のアン最後ネタバレ｜ギルバートは病気？戦死？
ギルバートは、物語の最初からアンの人生において重要な存在であり、学問においてもアンと競い合うライバルでありながら、互いを高め合うパートナーへと成長していきます
彼はクイーン学院で優秀な成績を収め
卒業後にはアヴォンリーで教師を務めますが、アンが大学進学を諦めてアヴォンリーで教職に就くことを知ると、自身のポストを彼女に譲るという自己犠牲的な行動に出ます
その後、ギルバートは医師を目指してレッドモンド大学へ進学し、ひたむきに勉学に励みます
彼は将来、アンが安心できる幸せな家庭を築けるようにと、しっかり稼げる医者になることを目指していたのです
しかし、大学時代、過労と感染症により命の危機に瀕するという大きな試練が訪れます
この出来事が、アンにギルバートへの本当の気持ちを気づかせることになります
原作の『赤毛のアン』シリーズでは、ギルバートが戦争で亡くなることはありません
彼は医者となり、アンと結婚し、共に家庭を築きます
ただし、映画『赤毛のアン アンの結婚（2000）』のような一部の映像作品では、軍医として出征し行方不明になるという、原作とは異なる展開が描かれているものもあります
もし映像作品をご覧になった方で、「ギルバートは戦死したはず…？」と思われた方がいたら、それはそうした作品の影響かもしれませんね
彼の人生は、アンへの一途な愛と、目標に向かって努力し続ける献身的な姿に満ちています
赤毛のアン最後ネタバレ｜ギルバートはアンと仲直りで結婚・子供？
待ちに待った展開ですよね！
はい、アンとギルバートは、ギルバートが病から回復した後に婚約し、25歳でついに結婚します
本当に「よかったね、ギルバート！」と、私も心から祝福しました
二人はフォー・ウィンズの海辺に小さな「夢の家」を建てて新婚生活を始め
後に「炉辺荘（イングルサイド）」という温かい名前の家で暮らすようになります
アンは、最終的に「愛と家庭」に人生の主軸を置いた生き方を選び
医師となったギルバートを支えながら、6人の子どもたちを育て上げます
実は、最初に生まれた子どもは生後まもなく亡くなってしまうという悲しい経験もしていますが
その後、ジェム（ジェイムズ・マシュー）、ウォルター、シャーリーという3人の息子と、ダイアナ、アン、リラという3人の娘に恵まれます
孤児だったアンが、こんなにもたくさんの子どもたちに囲まれ、愛情に満ちた家庭を築く姿は、本当に感動的です
しかし、その後の物語では、第一次世界大戦の暗い影がブライス家にも及びます
アンの息子たちは皆、戦争に行き
次男ウォルターは西部戦線で戦死し、長男ジェムも一時行方不明になりますが、後に帰還します
ウォルターを亡くした後のアンの寂しい生活や、彼が書きかけの詩をアンが完成させようとする姿も描かれており
初期の明るい物語からは想像できないような、戦争の悲惨さと深い悲しみが心に響きます
晩年、アンはギルバートと共に3人の孫に恵まれ、祖父母となります
アンの人生は、喜びも悲しみも経験しながら、愛する家族と共に成長していく、壮大な物語なのです
時代を超えて響く『赤毛のアン』のテーマ
『赤毛のアン』は、単なる少女の成長物語にとどまらず、現代を生きる私たちにも大切なメッセージを届けてくれる、奥深い作品です
一つ目の大きなテーマは「多様性の受容と尊重」だと私は感じています
アンは、自分の赤毛やユニークな空想癖に悩みながらも、周囲の人々の温かさの中で、自分らしく生きることの大切さを学びます
マシュウやマリラ、ダイアナ、ギルバートといった登場人物たちが、アンという「予定外の存在」を受け入れ、その個性を愛する姿は
意見の異なる人々を排除しがちな現代社会において、「豊かな社会における多様性とは何か」を改めて考えさせてくれます
モンゴメリは、この物語を通して、お説教くさい感じじゃなく、やわらかく多様性の素晴らしさを歌い上げていると、プロデューサーの方も話していましたね
また、「コンプレックスは長所や個性かもしれない」というメッセージも強く伝わってきます
アンが自分の赤毛を最大の欠点だと思っていたものが、やがて自分の一部として馴染んでいくプロセスは
誰もが抱える「自分のだめなところ」が、もしかしたら他の人にとっては魅力的な個性や長所になりうるのだと、気づかせてくれます
私も、自分の欠点ばかりに目を向けがちですが、アンのように、それを愛せるようになりたいなと思います
そして、「想像力の力」もこの物語の核です
アンは、どんなに平凡な場所や物事にも、自分だけの美しい名前をつけ、豊かな物語を紡ぎ出します
彼女の想像力は、時に騒動を巻き起こしますが、それ以上に、人々の心に喜びと光をもたらします
忙しい日々の中で忘れがちな、小さな幸せや美しさを見つける感性を、アンは私たちに思い出させてくれます
アンの物語は、単なるロマンスとしてだけでなく、「アンちゃんが人生の主軸を何に据えて生きていくのか」を決定づける重要な作品でもあります
彼女は、生まれながらにして背負っていた「結婚・家族を築くこと」への潜在的な恐怖を乗り越え
ギルバートとの出会いと試練を通して、真実の愛と「安心できる家庭」こそが自分が本当に望むものだったと気づきます
これは、一人の女性が、自身の過去と向き合い、未来を切り拓く、壮大な自己実現の物語だと感じています
村岡花子さんの柔らかい訳文で、子どもから大人まで楽しめる『赤毛のアン』
この作品が教えてくれる、自分と違う存在を認め、リスペクトする寛容な心は、きっと私たちの社会をより豊かにしてくれるはずです
まとめ
私もまた、アンの物語から、日々たくさんのことを学んでいます
皆さんも、ぜひこの機会に『赤毛のアン』を読み返して、自分だけの「読みどころ」を見つけてみてくださいね
きっと、新たな発見があるはずです！
