朝ドラ「ばけばけ」の第17週も、ついに金曜日の第85話を迎え、物語はこれまでにないほど感情の渦に巻き込まれる展開となりました。
親友であるトキとサワの間に横たわる、言葉にできない複雑な距離感が、この回で一つの大きな節目を迎えたように感じます。
みなさんも、ラストシーンでサワがトキの胸で泣きじゃくる姿を見て、胸を締め付けられるような思いになったのではないでしょうか。
今回は、その感動的な第85話のストーリーを紐解きながら、なぜサワがプロポーズを断ったのか、そして来週から始まる波乱の第18週についてじっくりと考察していきたいと思います。
ばけばけ(朝ドラ)85話までの振り返り
■幸せへの違和感?前回第84話の出来事を振り返る
まずは少しだけ、昨日放送された第84話のポイントをおさらいしておきましょう。
物語の舞台であるヘブン邸に、錦織の友人である庄田多吉がふらりと一人で訪ねてきました。
彼は何やら落ち着かない様子でとりとめのない話を続けていましたが、鋭いトキはすぐに彼の目的がサワに関することだと見抜いてしまいます。
トキに問い詰められた庄田は、ついにサワへの特別な思いがあることを白状し、トキもそんな彼に親友を託すような優しい表情を見せていました。
一方で、サワは「白鳥倶楽部」で庄田から勉強を教わりながら、自らの力で長屋を脱出するために必死に教員試験の準備を進めていたのが印象的でした。
ヘブンとトキ、そして司之介が一緒になって、落ち込んでいたトキを励まそうと手品を披露する微笑ましいシーンもあり、週の後半に向けて温かい空気が流れていたのを覚えています。
ばけばけ(朝ドラ)85話ネタバレあらすじ
■運命のプロポーズと拒絶!第85話の衝撃ストーリー
第85話は、深夜まで机に向かい「論旨要」という教員試験のための難しい教材と格闘するサワの姿から始まります。
そんなサワのもとへ、スーツ姿で息を切らした庄田が駆け込んできました。
彼は一度断っていた松江中学校の英語教師の職を引き受けることを決意し、県知事からも承諾を得たことを一番にサワへ報告します。
サワが心から祝福の言葉を述べると、庄田は意を決したように「わしと夫婦になろう」と、あまりにも真っ直ぐなプロポーズの言葉を口にしました。
「教師の給料で君の家の借金を返し、一緒に長屋を出よう」という言葉は、本来ならサワにとって救いのはずでした。
しかし、サワはその手を取ることができず、涙を流しながらその申し出を拒んでしまいます。
その後、天国長屋を訪れたトキは、井戸端で川の向こうを見つめていたサワに遭遇します。
サワは「私はおトキにはなれん、おトキと同じ道は歩けん、シンデレラにはなれんけん」と叫び、トキの胸で泣き崩れました。
トキは、かつてサワが自分のために摘んでくれたのと同じような野花の花束を差し出し、ただ静かに親友を抱きしめるのでした。
ばけばけ(朝ドラ)85話ネタバレ感想
■サワのプライドと「シンデレラ」の呪縛についての感想
この第85話を見て、私はサワの持つ「優しすぎるがゆえの強情さ」に深く共感し、同時にとても切なくなりました。
庄田の提案は非の打ち所がないほど完璧な救済策でしたが、今のサワにとっては「自分の努力を放棄して得た幸せ」に見えてしまったのかもしれません。
彼女は自分の力で合格し、自分の足で長屋を出たかったからこそ、愛する人の差し出した手さえも「逃げ道」のように感じてしまったのでしょう。
また、サワが口にした「シンデレラ」という言葉には、自分と比較してあまりにも眩しく見えるトキへの羨望と、自分を縛り付ける劣等感が入り混じっていました。
トキが持ってきた野花の花束は、かつてサワがみすぼらしいと自分で庭に捨ててしまった花束への、トキなりの返答だったのではないでしょうか。
二人がかつてと同じように胸を借りて泣き合う構図は、第15話の逆転写のようになっていて、脚本のふじきみつ彦さんの構成力に唸らされました。
庄田さんがおめかしして王子様のように現れたからこそ、余計にサワの「自分はそこには行けない」という頑なさが際立って見えたのが悲しいところです。
それでも、お互いに「好きだった」という気持ちを隠さずにぶつけ合えたことは、二人の関係にとって決して無駄ではないと信じたいです。
ばけばけ(朝ドラ)85話からどうなる?
■ついに借金完済!しかし町に不穏な空気が?第86話・第18週の考察
さて、週明けの2月2日から放送される第18週のタイトルは「マツエ、スバラシ。」となっています。
ついに松野家は長年の重荷だった借金を完済し、ヘブンへの感謝を込めた盛大な完済パーティーが催されます。
しかし、このお祝いムードを台無しにするのが、いつもの新聞記者・梶谷の記事です。
「ヘブンのおかげで借金が返せた」というニュアンスで誇大に書かれた記事のせいで、町の人々の視線は一気に冷ややかなものへと変わっていきます。
かつては「島根の宝」ともてはやされたヘブン一家が、今度は「金で買われた異人の妾」という偏見の対象になってしまうのです。
トキが変装して買い物に出ても石を投げられるような酷い仕打ちを受け、ついにヘブンが「松江を離れよう」と提案する事態にまで発展するようです。
また、江藤知事が食い逃げ騒動を起こすという、またもや梶谷が裏で糸を引いていそうなドタバタも描かれるようで、目が離せません。
サワと庄田の関係についても、庄田が正式に教師として着任した後の進展が気になりますし、サワが本当の「自分の答え」を見つけられるのかが鍵になるでしょう。
まとめ
■変わりゆく時代の中で二人が選ぶ道
第85話は、当時の女性が抱える自立への渇望と、抗えない境遇への嘆きがサワというキャラクターを通じて見事に描かれた回でした。
トキとサワは、かつての貧しい長屋での生活を共有していたからこそ、その後の人生の明暗がこれほどまでに二人を苦しめているのが見ていて辛いです。
しかし、制作統括の橋爪さんが語るように、本当の親友とは何度仲違いしても最後には分かり合えるものだという言葉に、私は救いを感じています。
来週からの「マツエ、スバラシ。」という皮肉めいたサブタイトルの下で、トキとヘブンがどのようにしてこの窮地を脱するのか、しっかり見届けたいと思います。
松江での暮らしが終わりを告げようとしている予感もありますが、それもまた、物語が大きく「化ける」ための大切なステップなのかもしれません。
みなさんも週末はゆっくりと第17週の余韻に浸りながら、月曜日の放送を楽しみに待ちましょう。
