朝ドラ「ばけばけ」の物語もいよいよ第16週「カワ、ノ、ムコウ。」に突入し、主人公・トキと周囲の人々の間に流れる空気が少しずつ、でも確実に変化してきましたね。
今回の第79話では、それぞれの登場人物が抱える光と影がより鮮明に描き出されており、観ているこちらの胸もざわざわとするような展開の連続でした。
ばけばけ(朝ドラ)79話までの振り返り
■第78話までの波乱に満ちた振り返り
前回までの物語では、新聞連載「ヘブン先生日録」の影響で、トキとヘブンの日常が松江市民の注目の的となっていく様子が克明に描かれました。
トキが町の人々にせがまれて、覚えたての英語で一生懸命に自己紹介するシーンは、彼女の純粋さと「時の人」としての戸惑いが同居した非常に印象的な場面でしたね。
しかしその一方で、幼馴染のサワは正規の教員資格を得るために「白鳥倶楽部」で孤独な戦いを始め、なみは遊郭からの脱出をかけた身請け話に心を揺らしていました。
家族の間でも、母・フミが些細な「隙間に箸を落とした」というエピソードまでが新聞に面白おかしく書かれ、一家が望むと望まざるとにかかわらず社会的な現象に巻き込まれていく過程が丁寧に追われてきました。
ばけばけ(朝ドラ)79話ネタバレあらすじ
■緊迫と情愛が交差した第79話のストーリー
第79話は、江藤知事が錦織を呼び出し、松江中学校の次期校長への就任を正式に打診するという、物語の分岐点となるシーンから始まりました。
知事はこれまでの錦織の功績を高く評価しつつも、「かわいい生徒たちに君のような道を辿ってほしくはない」という、彼の過去の苦労を暗に指すような意味深な言葉を投げかけます。
錦織は複雑な表情で保留し、ヘブンに相談を持ちかけますが、当のヘブンは錦織が校長になれば安心だと喜びつつ、二人の友情は変わらないと背中を叩くのでした。
一方で町にはトキとヘブンの人気が過熱しており、彼らのイラストが描かれたうちわや、ヘブンの髭を模した奇妙なグッズ、さらにはブードゥー人形までもが露店で堂々と売られていました。
サワはそんな浮かれた町の様子に冷めた視線を送りつつ、笠をかぶって変装してまで箸を買いに来ていた母・フミと偶然再会し、トキに会いに来るように促されます。
遊郭では、なみがサワに対し「いざ男と一緒になれると思ったら怖くなってしまった」と、外の世界へ一歩踏み出すことへの根源的な恐怖と葛藤を吐露していました。
そこへ身請けを申し出た福間が訪れ、なみに対して「あんたは哀しい。ここにおる誰よりも」という心を見透かすような言葉で、彼女を救いたいという真実の愛を伝えます。
物語の終盤、トキは偶然サワの姿を見かけて「白鳥倶楽部」を訪ねますが、勉強に集中したいサワは冷淡な態度を貫き、周囲がトキをもてはやす空気に耐えきれず店を飛び出してしまいました。
しかし、一度は立ち去ったサワが再び店に戻ってきたところで、不穏な余韻を残しながら第79話は幕を閉じます。
ばけばけ(朝ドラ)79話ネタバレ感想
■切なさと「闇」が際立つ第79話の個人的感想
今回の放送を観ていて私が最も心を痛めたのは、かつて「恨めしい」という同じ言葉を共有していたトキとサワの間に、はっきりとした「境界線」が引かれてしまったことです。
トキは何の悪気もなく友人として歩み寄っているのですが、名士の妻として輝く彼女の姿は、今のサワにとっては残酷なほどの対比として映ってしまっているのでしょう。
サブタイトルの「カワ、ノ、ムコウ。」が、単なる居住地の違いだけでなく、こうした超えられない階層や心の溝を指しているのだとすれば、制作陣の意図はあまりに鋭く、そして悲しいですね。
また、福間がなみにかけた「哀しい」という言葉には、彼女の明るさの裏にある絶望を包み込むような深みがあり、不器用ながらも誠実な彼のキャラクターに強い好感を抱きました。
錦織の「道」に関する知事の発言も、彼がかつて無資格で教師をしていた過去や貧困に苦しんだ記憶に触れるもので、彼の穏やかな微笑みの裏にある「闇」が再び浮き彫りになったのが気掛かりでなりません。
ばけばけ(朝ドラ)79話からどうなる?
■次回第80話で予想される展開の徹底考察
さて、明日の第80話では、店に戻ってきたサワがトキに何を語るのか、その第一声が物語の空気を決定づけることになるでしょう。
彼女が自分の嫉妬心や孤独を正直にさらけ出すのか、あるいは逆に冷たく突き放すような決別を宣言するのか、幼馴染ゆえの愛憎が入り混じるシーンになりそうです。
また、錦織は知事から自身の後任となる英語教師の名前を聞かされますが、これが「彼のよく知る人物」であるという点が非常に重要です。
状況から推察するに、かつて東京で共に学んだ庄田多吉の再登場、あるいは錦織の過去の「弱み」を知る人物である可能性も否定できず、新展開の火種になる予感がします。
さらになみについても、福間の真っ直ぐな求愛を受けて、これまで押し殺してきた感情を爆発させる決定的瞬間が訪れるのではないかと予想しています。
まとめ
■化けていく運命と変わらぬ絆の行方
第79話は、明治という激動の時代の中で、ある者は「時の人」として光を浴び、ある者は「向こう側」へ行くために必死に影を這う、その切実なコントラストが胸に迫る回でした。
「ばけばけ」という言葉には、人々が自分の境遇を乗り越えて素晴らしい姿に変わっていくという願いが込められているはずですが、その過程には必ず痛みが伴うことを改めて実感させられます。
錦織の隠された過去、サワの冷たい横顔、そしてなみの震える決断、これらがどのように結びついていくのか、ファンの一人として片時も目が離せません。
明日からの放送でも、それぞれの登場人物が自身の抱える闇をどのように光に変えていくのか、一緒にじっくりと見守っていきましょう。
