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X(旧Twitter)DM「暗号化されていないメッセージ」とは?

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最近Xを開いてダイレクトメッセージを送ろうとしたとき、入力欄にひっそりと「暗号化されていないメッセージ」という不穏な言葉が出てきて、不安になった方は少なくないはずです。

突然システムが変わって、大切なやり取りが誰かに覗き見られているのではないか、あるいはバグで相手に届かないのではないかと、僕自身も最初に見たときは少し背筋が凍るような思いをしました。

特に、今まで当たり前に使えていた機能が「チャット」という名前に変わり、パスコードの設定を求められるなど、使い勝手が大きく変わったことで戸惑っているユーザーさんも多いようです。

今回は、この「暗号化されていないメッセージ」という表示の本当の意味や、Xが目指している新しいメッセージ機能の裏側について、僕なりに深く掘り下げて詳しくお伝えしていこうと思います。

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X(旧Twitter)DM「暗号化されていないメッセージ」とは?

■「暗号化されていないメッセージ」という表示が持つ本当の意味

まず皆さんが一番心配されている「メッセージは相手に届いているのか」という疑問ですが、結論から言うと、その表示が出ていてもメッセージはちゃんと相手に届いていますので安心してください。

この「暗号化されていないメッセージ」という警告は、これから送ろうとしている内容が「エンドツーエンド暗号化(E2EE)」という強力な保護ルールで守られていない状態であることを教えてくれているものです。

具体的には、メッセージ入力ボックスの中にこの文字が表示され、送信ボタンの横に鍵が開いたようなアイコンがついていることが、非暗号化状態のサインになっています。

なぜこんな表示が出るのかと言えば、主な理由はメッセージを送る相手がまだ新しい「X Chat」の機能に登録していなかったり、設定を有効にしていなかったりすることにあります。

この状態では、メッセージはXのサーバー上で誰でも読めるプレーンテキスト形式で保存・転送されるため、理屈の上ではXの従業員や法執行機関、あるいはハッカーがその内容にアクセスできてしまうリスクが残っているんです。

一方で、暗号化が有効な状態であれば、メッセージはあなたのスマホで暗号化され、受け取った相手のスマホでしか解読できない仕組みになるため、プライバシーのレベルが格段に上がります。

普段の何気ない挨拶ならそれほど気にしなくてもいいかもしれませんが、住所や電話番号といった個人情報を送る際には、この表示が出ているかどうかを少し意識してみるのがいいかもしれませんね。

Twitterから始まったDMシステムの長い歴史と進化の道のり

かつてのTwitter時代を振り返ってみると、DM機能は長い間、今のような強力な暗号化とは無縁の場所にありました。

メッセージはすべてサーバーにそのまま保存されていたため、プライバシーの観点から長年批判を浴びてきましたし、実際に法的要求によって内容が開示されることも珍しくなかったのです。

大きな転換期が訪れたのはイーロン・マスク氏がプラットフォームを買収した2022年以降で、彼はDMをSignalのような安全なものにすると繰り返し約束してきました。

2023年頃から開発が本格的に進み、2025年5月には「Encrypted DMs」として一部のユーザーに提供が始まりましたが、当時はバグも多く、一度提供が停止されるなどの紆余曲折があったことを覚えている方もいるでしょう。

そして2025年11月、満を持して登場したのが、これまでのDM機能を大幅に刷新し、段階的に置き換えていく「X Chat」という新しい仕組みです。

単なるデザインの変更ではなく、基盤となるセキュリティシステムを根本から作り直した大規模なアップデートであり、従来のDMは「unencrypted(非暗号化)」というラベルを貼られて過去の遺産となりつつあります。

今まさに、僕たちはXが単なるSNSから、決済や高度な通信、AIが一体化した「スーパーアプリ」へと進化していく歴史的な瞬間に立ち会っていると言えるのかもしれません。

X(旧Twitter)DM暗号化の仕組み

■X Chatが採用している暗号化の仕組みを徹底解剖

新しい「X Chat」の世界に足を踏み入れると、まず最初に「公開鍵」と「秘密鍵」という、まるでパズルを解くようなペアの鍵があなたの端末ごとに作られます。

仕組みを少し詳しくお話しすると、メッセージを読み取るための「秘密鍵」はあなたのデバイスの中にだけ存在し、それを保護するために4桁のパスコード(PIN)を設定することになります。

この秘密鍵は、Xのインフラ上に安全に保存されますが、あなたが設定したPINを知っていれば、新しいスマホに買い替えたときでも鍵を復活させて過去のやり取りを読むことができるようになっています。

実際の会話では、それぞれのやり取りごとにユニークな「会話鍵」というものが作成され、これがメッセージやリンク、画像、さらにはリアクションまでもを送信前にスマホの中で暗号化してくれるのです。

相手も同じようにチャット機能を有効にしていれば、送信ボタンの横にあったロック解除アイコンが消え、自動的に暗号化された安全な会話へとアップグレードされます。

また、「セーフティナンバー」と呼ばれる数字を相手と比較することで、間に誰も入り込んでいないか、本当に本人のデバイスとやり取りできているかを確認する本人確認の仕組みも備わっています。

さらに、一定時間が経つと自動的にメッセージが消える「消えるメッセージ」機能や、スクリーンショットを撮影した際に通知が行ったりブロックしたりするオプションなど、今の時代のプライバシー意識に合わせた機能も追加されました。

正直、これだけ多機能になると使いこなすのは大変そうですが、僕たちのプライバシーを守るための盾がより厚くなったことは、素直に喜ばしいことだと感じています。

X(旧Twitter)DM Chat注意点

■知っておくべき制限点とセキュリティに関する懸念事項

これほど進化を遂げたX Chatですが、残念ながら完璧というわけではなく、いくつか注意しておかなければならない「穴」や制限も存在します。

最も気をつけてほしいのは、メッセージの内容は守られていても、「誰が」「いつ」送ったかという「メタデータ」と呼ばれる情報は暗号化されていないという点です。

また、今のシステムには「前方秘匿性」という性質がまだ備わっておらず、万が一秘密鍵が盗まれてしまうと、過去に送ったメッセージまで一気に解読されてしまうリスクもゼロではありません。

セキュリティの専門家たちからは、鍵がXのサーバー側に保存されていることや、4桁のPINが総当たり攻撃に弱いのではないかといった、厳しい指摘も上がっています。

さらに、XのAIである「Grok」を使ってメッセージを分析させたり画像を編集したりする場合、その瞬間だけメッセージの暗号化が解除されるという仕様にも注意が必要です。

機能面でのトラブルも報告されており、パスコードを設定するまでは新着メッセージの通知バッジが表示されないという不便な仕様変更に、多くのユーザーが頭を悩ませています。

一度パスコードを忘れてしまい、他にログインしている端末がない状態でリセットを行うと、それまで暗号化して送った過去の履歴が見られなくなるという、かなりシビアな制限もあります。

便利さと引き換えに、僕たちユーザー自身が「鍵の管理」という新しい責任を背負わされることになったのだと、改めて実感させられますね。

まとめ

■これからのX Chatとの付き合い方とまとめ

ここまで見てきた通り、XのDMが「チャット」へと姿を変え、「暗号化されていないメッセージ」という表示が出るようになったのは、私たちがより安全に言葉を交わせる未来を作るためのステップです。

現時点ではユーザーの意志で古いDMの画面に戻すことはできませんが、これは単なるデザインの変更ではなく、セキュリティの土台そのものが新しくなったからです。

まずは、大切な通知を逃さないためにも4桁のパスコードをしっかりと設定し、忘れないようにどこかに控えておくことから始めてみてください。

日常的な世間話であれば、非暗号化の状態であってもこれまで通り楽しめますが、本当に誰にも知られたくない秘密の相談をするなら、暗号化が有効になっているかを必ずチェックする癖をつけるといいでしょう。

Xは今後、この暗号化の仕組みをオープンソース化したり、より高度なセキュリティ技術を導入したりして、信頼性を高めていく方針を掲げています。

新しいシステムに慣れるまでは少し時間がかかるかもしれませんが、技術の進化を味方につけて、より安心できるデジタルライフを送っていきたいものですね。

複雑な暗号の世界も、私たちが安全な家を建てるために鍵をかけ、そのスペアキーを大切に保管する日常の工夫と同じだと考えれば、少しだけ親しみやすく感じられませんか。

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