最近、テレビで見ない日はないほど大活躍のムロツヨシさんですが、あの底抜けに明るい笑顔の裏側に、どれほどのドラマが隠されているかご存じでしょうか。
彼について調べれば調べるほど、その生い立ちの深さに驚かされるのですが、今回はファンの皆さんが知りたい情報をWikipediaよりも詳しく丁寧に深掘りしていこうと思います。
ムロツヨシ｜生い立ち、本名は？
■波乱に満ちた生い立ち
1976年に神奈川県横浜市で生まれたムロさんは、わずか4歳の時にご両親が離婚するという、幼い心にはあまりに大きな転機を経験しました。
お母様がトランクに荷物を詰めて去っていく後ろ姿が、今でも彼の記憶に焼き付いているというお話には、胸が締め付けられる思いがします。
親権は父親が持ちましたが、実際には5歳上の姉と共に父方の祖父母や叔母の家庭に預けられ、転々としながら育ったそうです。
親戚の家で過ごす中で、「嫌われたら居場所がなくなる」という本能的な恐怖から、周りの顔色をうかがってお調子者を演じるようになったというエピソードは、彼のサービス精神の原点なのかもしれません。
自分の存在意義を「人を笑わせること」に見出さなければならなかった幼少期を思うと、今の彼の明るさがより一層尊いものに感じられますね。
こうした背景から本名は「非公開」となっています。
ムロツヨシ｜芸歴
■夢を掴むまでの長い芸歴
大学進学についても、将来の安泰を願って一浪の末に東京理科大学の数学科へ入学した努力家な一面があります。
しかし、そこで志の高い同級生に出会い、「自分も夢を持ちたい」と刺激を受けた直後に、深津絵里さん出演の舞台を観て人生が180度変わりました。
段田安則さんの魂の震える演技に感銘を受け、なんと入学からわずか3週間で大学を中退し、役者の道へ飛び込む決断をしたのです。
そこから37歳で「ごちそうさん」にてブレイクするまで、20年近い長い下積み時代をアルバイトをしながら支え抜いた忍耐力には、ただただ脱帽します。
現在では福田雄一監督の作品に欠かせない存在となり、42歳でエランドール賞新人賞を受賞するという「遅咲きのスター」として確固たる地位を築きました。
ムロツヨシ｜実家・家族構成
■複雑な実家・家族構成
実家の構成は非常に複雑で、父、母、姉の4人家族から始まりましたが、離婚後は父方の祖父母、そして叔母の一家が彼の心の拠り所となりました。
父親が新しい女性と暮らす隣の部屋で祖父母と暮らすという、子供心に過酷な環境に置かれた時期もあったといいます。
その後、お父様が作った借金の問題で一家がバラバラになりかけるなど、家族という形の脆さに直面してきました。
現在は育ててくれた叔母である「ひでみさん」や、実の妹のように慕う従姉妹たちが、彼にとっての本当の家族として絆を深めています。
一時期は他人に甘えることができなかった彼も、40代後半になってようやく家族に弱音を吐けるようになったという変化は、ファンとしても嬉しい限りです。
ムロツヨシ｜母親
■40年ぶりの再会を果たした母親
「ムロツヨシ」という姓名の区別のない芸名は、本名で活動することで、新しい家庭を築いたお母様に迷惑をかけたくないという深い愛情から名付けられたものです。
そんなお母様とは約40年もの間、音信不通でしたが、テレビ出演をきっかけに手紙が届き、奇跡的な再会を果たしました。
再会の際、冷静に「生んでくれてありがとう」と感謝を伝えつつも、育ての親である叔母の気持ちを汲んであえて連絡先は交換しなかったといいます。
「生んだ母」と「育てた叔母」の両方を大切にする彼の立ち振る舞いには、大人としての深い優しさと誠実さが凝縮されています。
写真を見た友人たちからは「顔がそっくり」だと言われたそうで、目には見えない血の繋がりを再確認した瞬間でもありました。
ムロツヨシ｜父親
■尊敬しつつも距離を置く父親
大工をしていたお父様について、ムロさんは「仕事をする姿がカッコ良くて尊敬している」と語っていますが、関係は決して平坦ではありませんでした。
お父様が作った借金の保証人になったことで、預け先だった親戚が自己破産に追い込まれるというショッキングな出来事も起きています。
大学を中退して役者の道へ進むと報告して以来、22歳からほとんど会っていませんが、3年ほど前に突然かかってきた電話で、久しぶりに声を確認できたそうです。
お父様も現在は入籍日がクリスマスというロマンチックな再婚生活を送っているそうで、ムロさんはそれを笑い飛ばしながらも幸せを願っています。
「親父を恨んでいない」と断言できる心の広さは、彼がお父様の生き方を一つの「男の自由なスタイル」として受け入れているからかもしれません。
ムロツヨシ｜兄弟
■行方不明となっている実の姉
5歳年上の実のお姉さんもまた、複雑な家庭環境の荒波に揉まれ、多感な時期に非行に走ってしまった過去があるようです。
残念ながら、お姉さんはその後預けられていた親戚の家を出てしまい、現在もお母様と同様に行方不明の状態が続いているといいます。
かつては、お姉さんの反抗期で祖父母が困っている姿を見て、「自分は絶対に迷惑をかけてはいけない」と自らを律していたムロさん。
彼が「家族への甘え方がわからない」と語るのは、こうした孤独な時間を姉弟それぞれが必死に生き抜いてきた証なのかもしれませんね。
まとめ
■ムロツヨシさんの今を支えるもの
ムロツヨシさんの物語を紐解くと、そこには「喜劇役者」という看板の裏にある、想像を絶するほどの強さと優しさがありました。
自分を育ててくれた人々への感謝を忘れず、恩返しとして幼なじみたちにハワイ旅行をプレゼントしたいと語る彼の姿は、多くのファンを惹きつけてやみません。
過去の寂しさや苦労をすべて「今の役者としての糧」に変えてしまうその生き方は、私たちに勇気を与えてくれます。
壮絶な過去をユーモアに変えて、私たちに笑顔を届けてくれる彼を、これからも精一杯応援していきたいですね。
ムロツヨシさんの人生は、まるで激しい嵐を耐え抜いて、ようやく温かい光を放つようになった灯台のように、周りの人々を優しく照らしています。
