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良いこと悪いこと(ドラマ)最終回ネタバレ感想|真犯人の考察

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ついに幕を閉じたドラマ『良いこと悪いこと』ですが、みなさんはあの結末をどう受け止めましたか。

30代を生きる僕にとっても、小学校時代の記憶というのはどこか遠くて、でも時折鋭く胸を刺すような不思議な感覚を抱かせます。

最終回を観終えた今、心地よい充足感というよりは、鉛のような重みが心の奥底に沈殿しているような、そんな気分です。

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良いこと悪いこと(ドラマ)最終回までの振り返り

22年前、鷹里小学校の校庭に埋められたタイムカプセルが掘り起こされたことが、すべての悲劇の幕開けでした。

かつて「キング」と呼ばれたクラスのリーダー、高木将を中心に、仲良しグループだった6人の卒業アルバムの顔写真が黒く塗りつぶされていたのです。

それを合図にするかのように、当時のいじめに関わった同級生たちが、小学校時代に描いた「将来の夢の絵」になぞらえた方法で次々と命を落としていきました。

空を飛ぶ夢を描いた者は転落死し、消防士を夢見た者の店では火災が起きるという、あまりにも残酷な見立て殺人です。

高木は、自分たちが過去にいじめていた「どの子」こと猿橋園子とバディを組み、自分たちの命を狙う犯人を突き止めようと奔走しました。

しかし、物語が進むにつれて、園子の前にもう一人のいじめの被害者「ドの子」こと瀬戸紫苑が存在していたことが明らかになります。

過去の罪が現在を侵食していく恐怖と、誰が味方で誰が敵か分からない疑心暗鬼の中、物語はついにクライマックスへと突き進んでいきました。

良いこと悪いこと(ドラマ)最終回ネタバレ|ストーリー解説

■明かされた事件の全貌

第9話のラストで、実行犯が刑事の宇都見啓であることが判明した時は、僕も思わず声を上げてしまいました。

宇都見は「ドの子」瀬戸紫苑の婚約者であり、1年前に高木と再会したショックで自ら命を絶った彼女の復讐のために動いていたのです。

しかし最終回、彼にはさらに二人の共犯者、いや、志を同じくする「仲間」がいたことが判明しました。

それが、高木たちが信頼を寄せていたスナックの店主・今國一成と、園子の同僚記者である東雲晴香です。

彼らは共に、いじめが原因で転校した先である「タクト学園」で紫苑と出会い、支え合ってきた親友同士でした。

今國は高木の車の前にわざと飛び出して接点を持ち、復讐のために彼を自分の店へと誘い込んでいたのです。

見立て殺人の順番が「森のくまさん」の替え歌通りだったのも、実は高木が店に仲間を連れてきた順番という皮肉な偶然でした。

この三人は、自分たちの夢を壊したいじめっ子たちが、大人になって何不自由なく幸せに暮らしていることがどうしても許せなかったのでしょう。

良いこと悪いこと(ドラマ)最終回ネタバレ|最後の結末

■未来へ続く結末

復讐の最終段階として、今國は高木に拳銃を渡し、自分を殺すように迫りました。

自分を殺させることで、かつてのいじめのリーダーだった高木を「凶悪な殺人犯」として世間にさらし、一生消えない汚名を着せようとしたのです。

それが彼らの考える、法で裁けないいじめに対する究極の制裁でした。

しかし、高木は震える手で銃を持ちながらも、結局引き金を引くことはできませんでした。

「殺すことも、殺されることも、何もできなかった」と泣き崩れる彼の姿には、加害者が背負うべき罪の重さと、どうしようもない人間の弱さが滲み出ていましたね。

その後、高木は園子の独占インタビューに応じ、顔を出して過去のいじめを世間に公表する道を選びました。

彼自身の人生も崩壊し、娘の花音までもがいじめの標的になるという、まさに「生き地獄」のような日常が始まります。

それでも、物語のラストシーン、体育倉庫に閉じ込められた花音の前に、一人の少年が現れて「大丈夫?」と声をかける場面がありました。

かつての高木たちは助けなかったけれど、新しい世代には「助ける」という選択肢があることを示唆する、わずかな希望を感じさせる終わり方だったと思います。

良いこと悪いこと(ドラマ)最終回ネタバレ|真犯人の考察

真犯人たちの実像

真犯人は宇都見、今國、東雲の三人であり、彼らは復讐という名の「聖戦」を共に戦うチームでした。

特に今國役の戸塚純貴さんの豹変ぶりには、熟練のブロガーである僕も鳥肌が止まりませんでした。

普段の陽気な姿からは想像もつかない、いじめ被害者の絶望と怒りをぶつける演技は、まさに圧巻の一言です。

東雲もまた、記者という立場を利用して、いじめの事実を世間に暴露し、高木の社会的抹殺を画策していました。

彼らの目的は、単に相手の命を奪うことではなく、いじめがどれほど罪深いものかを社会に知らしめ、法律さえも変えようとすることだったのです。

自らも「悪いこと」に手を染めてしまった彼らが、最後に見せた虚無感と悲しみは、いじめが残す傷跡の深さを物語っています。

宇都見が逮捕され、今國と東雲も自首したと思われる描写がありましたが、彼らの心に本当の救いが訪れたのかは分かりません。

個人的には、彼らが紫苑と過ごしたタクト学園での時間は、唯一の温かな光だったのだろうと感じて胸が締め付けられました。

良いこと悪いこと(ドラマ)最終回|感想

■視聴者が抱いた本音

この衝撃的な結末に対し、ネット上ではまさに賛否両論の嵐が巻き起こっています。

「キャストの演技力が化け物すぎて、映画を観ているようだった」という絶賛の声が上がる一方で、「モヤモヤする終わり方だ」と不満を漏らす人も少なくありません。

特に、高木が何の法的な罰も受けずに終わったことや、物語の核心部分をHuluで補完する「Hulu商法」への反発は根強いようです。

「いじめ加害者が主人公であることに納得がいかない」という意見もあり、復讐劇としてのカタルシスを求めていた層には物足りなかったのかもしれません。

しかし、一方で「いじめの悲惨さと、加害者が一生罪を背負う現実をリアルに描いている」と評価する声も多く聞かれます。

僕個人の意見としては、スカッとしないこの後味の悪さこそが、このドラマが突きつけたかった「現実」なのだと感じています。

また、ラストの少女を助けるシーンに「救いがあった」と涙した視聴者も多く、世代を超えて考えさせられる作品になったのは間違いありません。

良いこと悪いこと(ドラマ)|この作品のテーマ

本作が一貫して問いかけていたのは、「自分にとっての良いことが、誰かにとっては悪いことかもしれない」という残酷な真理です。

いじめをなくしたいという正義感から始まった復讐が、何の罪もない高木の娘を苦しめるという皮肉な連鎖は、まさにこのテーマを象徴しています。

人間は誰もが「良い子」の面と「悪い子」の面を合わせ持っており、その境界線は非常に曖昧なものです。

高木のように、過去の過ちを忘れて生きていても、その報いはいつか予想もしない形で返ってくるという「因果応報」も大きな軸でした。

そして、一度壊れてしまった心は、どれだけ謝罪されても、どれだけ時間が経っても完全には元に戻らないという絶望も描かれました。

それでも、最後に少年が差し出した手のように、私たちは「良いこと」を選ぼうとし続けるしかないのです。

このドラマは、単なるミステリーではなく、私たちの内側にある醜さと、わずかな光を見つめ直させる、非常に重厚な人間ドラマでした。

まとめ

『良いこと悪いこと』は、最後の最後まで私たちに安易な答えを与えてくれませんでした。

復讐を終えた犯人たちにも、過去を告白した高木にも、本当の意味でのハッピーエンドは訪れていないのかもしれません。

ですが、この物語を通じて、多くの人が「いじめ」という問題に真剣に向き合ったこと自体に、大きな意味があったはずです。

僕たち大人が、過去の自分をどう振り返り、これからの世代に何を伝えていくべきか、深く考えさせられる3ヶ月間でした。

もしあなたがまだこの余韻の中にいるなら、ぜひHuluのエピローグ10.5話もチェックしてみてください。

物語の「その後」を知ることで、また違った景色が見えてくるかもしれませんよ。

深い霧の中を歩き続けた後の、ほんの少しの朝焼けを見つめるような、そんな静かな感動を大切にしたいですね。

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