朝ドラ「ばけばけ」の話題をさらった小谷春夫の魅力に迫る!演じる下川恭平は「国宝」のあの人だった
皆さん、朝の連続テレビ小説「ばけばけ」で、第10週のストーリーをグッと盛り上げてくれた小谷春夫くんのことが気になっているんじゃないでしょうか。
私も彼の登場には、明治という激動の時代に咲いた、初々しい青春の輝きを感じて胸が熱くなりました。
小谷春夫とは?【朝ドラばけばけwiki】
■小谷春夫はトキに恋した純粋で不器用な松江中学のエリート
小谷春夫(下川恭平さん)は、レフカダ・ヘブン先生(トミー・バストウさん)が英語を教える松江中学の生徒で、学問を志すエリート予備軍の一人として登場します。
彼の人物像を一言で表すなら、「純粋で素直な好青年だけど、猪突猛進で思い込みが激しい」というギャップが魅力的なキャラクターですよね。
物語の序盤、彼はヘブン先生の忘れ物を届けに来たことを口実にして、実はトキさん(髙石あかりさん)に会いに来ていました。
その後の行動がまたかわいらしくて、トキさんの家の前をソワソワとウロウロする姿を親友のサワさん(円井わんさん)に目撃されたときには、「控えめに言ってストーカー」なんて声もSNSでは上がっていましたが、そのピュアさゆえの行動が、私たち視聴者の笑いを誘いました。
特に、ヘブン先生が体調を崩した際にトキさんを励まそうと「怪談の聖地巡り」、つまりランデブーに誘うシーンは、その直球すぎるアプローチにキュンとしましたよね。
松野家が勝手に彼をトキさんの婿候補として盛り上がり、総出で面談に挑む展開も爆笑ものでした。
しかし、第10週の最終回で迎えた切ない結末…。
トキさんが熱烈に愛する怪談の世界に彼がついていけず、まさかの「時間の無駄です」と一方的にフラれてしまうという、予想外の「散りっぷり」を見せてくれました。
彼の恋は、トキさんの怪談愛という、ある意味ヘブン先生(八雲)とトキさんを結びつける根幹の部分にぶつかってしまった、早すぎる青春の終わりだったのかもしれません。
小谷春夫のモデルは実在?|朝ドラばけばけ
■小谷春夫の実在モデルは?
小谷春夫というキャラクターは、制作統括の方が「史実の中で参考にした人物はいますが、かなりオリジナルなキャラクターです」と明言している通り、完全にモデルを再現したものではありません。
ですが、その背景には小泉八雲(ヘブンのモデル)が松江時代に出会った、実在の優秀な青年たちのエピソードが巧妙に組み込まれています。
特に、名前の響きが似ている大谷正信(おおたに まさのぶ)さんと、八雲が絶大な信頼を寄せた藤崎八三郎(ふじさき はちさぶろう)さんの存在が、小谷春夫のモデルとして参考になったと考えられています。
大谷正信さんは、八雲が松江で教師をしていた頃に学生の中で最も信頼を得ていた英文学者・俳人です。
ドラマの恋模様の最大のヒントは、八雲の東京時代に、若き大谷さんとセツさん(トキさんのモデル)がいい雰囲気に見えて、八雲が嫉妬したという史実が残されており、小谷とトキの淡い交流は、このエピソードをアレンジしたものなのです。
また、藤崎八三郎さんは八雲が「今後、わたくしの記憶に最も長く明白に残るだろう」と評した教え子の一人であり、八雲が心臓発作で亡くなる数時間前に書いた絶筆の手紙の宛先でもありました。
八雲の富士登山に付き添ったり、お見合いの助言をしてもらったりと、家族ぐるみの交流があったという藤崎さんのひたむきな姿も、小谷くんのキャラクターに反映されている気がします。
小谷くんは、明治という新しい時代を真面目に生きる、教え子たちの青春の輝きを体現したキャラクターだと言えるでしょう。
小谷春夫の俳優は下川恭平|朝ドラばけばけ
■演じる下川恭平は「国宝」の徳ちゃん!
小谷春夫という役を、その初々しさやコミカルさ、そして何より謡曲の「松風」の美しさで見事に演じきったのが、俳優の下川恭平(しもかわ きょうへい)さんです。
朝ドラは今回が初出演ながら一躍注目を集めましたが、彼の経歴を辿ると「さすが!」と唸る実力派です。
下川さんは2004年8月11日生まれの現在21歳で、北海道札幌市出身です。
彼が一気に知名度を上げた最大のポイントは、吉沢亮さんが主演した大ヒット映画『国宝』で、主人公の親友である徳次(徳ちゃん)の少年期を好演していたことです。
SNSでも「小谷くんが徳ちゃんだったなんて!」「雰囲気が全然違ってマジ別人」と、役柄によってガラッと変わる彼の演技の幅に驚きの声が上がっていました。
『国宝』では吉沢亮さん(ばけばけでは錦織友一役)と直接の共演シーンはなかったそうですが、時を経て『ばけばけ』で生徒と教師の関係として共演が実現したというのは、なんだか運命的なものを感じますね。
彼は、舞台『鬼滅の刃』で煉獄千寿郎役を演じるなど、舞台でも活躍されており、アクロバットや殺陣、ダンスといった高い身体能力が特技です。
この小谷春夫役は、287人が参加する激しいオーディションを勝ち抜いて射止めたもので、彼の持つ器用さと、純粋な青年の雰囲気が見事にキャラクターにマッチしたからだそうです。
さらに驚きなのが、ヒロインの髙石あかりさんとは過去に全編即興の映画で共演経験があり、仲が良いという点です。
髙石さん自身もオーディション前から「絶対、下川くんが選ばれるに違いない」と予感していたそうで、二人の自然なやり取りが、トキと小谷の初々しい恋模様のリアリティを生み出していたのかもしれませんね。
彼の見せたあの「松風」の謡の美しさ、そして錦織先生に授業の文句を言っている最中に「ずっといたよ」と返される不憫なシーンのコミカルな演技、本当に素晴らしかったです。
まとめ
■物語を化けさせる重要なスパイス
朝ドラ「ばけばけ」の第10週は、小谷春夫くんの登場によって一気に青春ラブコメの要素が加速しました。
私たち視聴者までが彼の恋を応援したくなるほど、その恋心はまっすぐで愛らしかったですね。
結果的にトキさんの怪談愛という「壁」にぶつかり、勘違いのまま玉砕という切ない幕引きとなりましたが、彼の存在は、トキさんとヘブン先生の間にある「夫婦のようでまだそうではない」微妙な距離感に、無自覚な嫉妬という形で一石を投じる重要な役割を果たしました。
彼の恋が「通りすがりのただの異人」であるヘブン先生の心をどう動かしたのか、今後の二人の物語にどんな影響を与えるのか、引き続き注目していきたいですね。
下川恭平さんの今後のさらなる活躍にも期待大です!あの「国宝」で見せた静かな実力と、今回の朝ドラで見せた純粋な魅力、どちらも目が離せません。
小谷くん、不器用で真面目な恋、本当にお疲れ様でした!と心からエールを送りたいです。
