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犬神家の一族ネタバレ考察|あらすじ・最後の結末の意味は?人物相関図は?

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国内ドラマ・映画

金田一耕助シリーズを愛してやまない皆さん、こんにちは。

今回は、数ある金田一作品の中でも、その名を知らぬ者はいないであろう最高傑作「犬神家の一族」について、深く掘り下げていきたいと思います。
特に最近のNHK版ドラマは、歴代作品を見てきた私も驚くような新解釈が加えられていて、もう胸アツですよ。
「犬神家の一族」に興味を持ったあなたに、物語の魅力や核心をしっかりお伝えしていきますね。

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犬神家の一族ネタバレ|あらすじ

すべての事件のきっかけは、信州の製糸王、犬神佐兵衛翁が残した奇妙な遺言状から幕を開けます。
佐兵衛翁は生涯正妻を持たず、妾に産ませた松子、竹子、梅子という三人の娘たちには一切愛情を注がなかったと言います。
それどころか、彼は若い頃に恩人である野々宮大弐の妻、晴世と関係を持ち、彼女との間に祝子という娘をもうけていました。
その祝子の娘こそ、佐兵衛翁が溺愛した孫娘、珠世なのです。
もうこの時点で、家族関係がぐちゃぐちゃですよね。

金田一耕助は、佐兵衛の顧問弁護士である若林から、この遺言状を巡って恐ろしい事件が起こるかもしれないと依頼を受け、那須湖畔にやってきます。
しかし、金田一が到着するやいなや、依頼人である若林弁護士は何者かに毒殺されてしまうのです。

佐兵衛の遺言状は、財産の全てを珠世に譲るというものでしたが、そこには一つ重要な条件がありました。
それは、珠世が佐兵衛の三人の孫息子、佐清、佐武、佐智の中から一人を選んで結婚することでした。
もし結婚を拒否したり、三人が亡くなったりした場合は、珠世は誰と結婚しても自由になるのです。
さらに、もし珠世を含めた四人が全員亡くなった場合、全財産は、佐兵衛と彼の晩年の愛人であった青沼菊乃の息子、静馬に相続されるという恐ろしい内容でした。
これには犬神家の一族全員が騒然とし、骨肉の争いが始まる予感をひしひしと感じます。

そんな中、戦争から帰還した佐清は、顔にひどい火傷を負い、白い仮面をつけて現れます。
彼が本物の佐清なのか、珠世や松子でさえも疑念を抱くのでした。
そして、遺言状の条件を巡る争いは激化し、犬神家を象徴する家宝「斧(よき)」「琴(こと)」「菊(きく)」になぞらえた連続殺人事件が起こっていくのです。

まずは竹子の息子、佐武が生首を菊人形にすげ替えられ惨殺されます。
次に梅子の息子、佐智が琴の糸で首を絞められ殺害されてしまうのです。
金田一は事件の真相に迫る中で、佐兵衛翁の愛人、青沼菊乃と彼女の息子、静馬の存在を知ります。
かつて佐兵衛の三人の娘たちが、嫉妬に狂って菊乃と幼い静馬にひどい暴行を加えたことが、事件の根底にある怨念として浮かび上がってくるのです。
静馬は顔に火傷を負い、その恨みを胸に犬神家への復讐を誓っていたと言います。
そして、静馬は戦争中に本物の佐清と出会い、その顔が瓜二つであることから、佐清になりすまして犬神家に潜入していたことが明らかになります。
本物の佐清は、母である松子の犯罪を隠すため、静馬の言いなりになって死体隠蔽などに協力していたのです。
しかし、ついに偽の佐清、つまり静馬は、松子によって斧で殺され、湖に逆さまに突き立てられた姿で発見されるのでした。
あの有名な湖から突き出た足のシーンですね。

犬神家の一族ネタバレ考察|最後の結末の意味は?

ここまでのあらすじは、多くの映像化作品で描かれてきた「犬神家の一族」の基本的な流れです。
しかし、最近のNHK版ドラマでは、この結末にまさかの新解釈が加えられていて、私としては度肝を抜かれました。
これまでの作品では、松子が息子である佐清に莫大な遺産を相続させるために若林弁護士や佐武、佐智、そして静馬までも殺害し、最後に自ら命を絶つという悲劇的な愛憎劇として描かれることが多かったですよね。
佐清は、母親を庇うために静馬の命令に従っていた、心優しい息子として描かれるのが定番でした。
珠世もまた、佐清の帰りを健気に待つヒロインという印象が強かったと思います。

ところが、NHK版の終盤、金田一耕助が収監されている佐清を訪ねて、ある推理をぶつけるのです。
それは、佐清こそが事件の真の黒幕だったのではないかという驚くべきものでした。
佐清は、戦争から戻った際、静馬が自分になりすましていること、そして母親の松子が遺産相続のために暗躍していることを知り、それらすべてを利用して邪魔者を排除し、遺産と珠世を手に入れようと画策したのではないかというのです。
金田一は、佐清が警察に届くよう子供に手紙を託したことなど、その行動の不自然さを指摘します。
これまでの「愛」をテーマに描かれてきた物語が、最後の最後でその愛すらも利用しようとする人間の深い「悪意」が潜んでいた可能性を示唆されたのです。
佐清は金田一に「金田一さん、貴方は病気です」と冷たく言い放ちますが、その不敵な笑みは、金田一の推理が図星だったのではないかと思わせるに十分でした。

さらに、この新解釈では、これまで単なる復讐者として描かれてきた静馬が、実は母の愛を強く求める寂しい人物として描かれています。
松子夫人に「母」の愛情を求めていた静馬が、本物の佐清ではないとバレた途端、松子に容赦なく殺されてしまう姿は、本当に可哀想で胸が締め付けられました。
そして、この結末では、金田一耕助は事件を解決しても晴れやかな顔一つ見せません。
殺人を止めることのできなかった自分の無力さを嘆き、探偵は決して万能の神ではない、語り手であって人を裁く権利はないのだという、探偵の苦悩が深く描かれています。
従来の「犬神家の一族」のイメージを大きく覆す、まさに「攻めてる」新解釈でした。
これまでの作品では、犯人松子の死と佐清と珠世の結ばれる未来で一応の「大団円」を迎える雰囲気でしたが、NHK版は視聴者に重い問いを残して終わる、まさに人間の心の闇を深くえぐるような結末だったと思います。

犬神家の一族ネタバレ|人物相関図

この複雑な愛憎劇を彩る主要な登場人物たちを、ざっとご紹介しますね。

まずは、物語の中心にいる製糸王、犬神佐兵衛(いぬがみ さへえ)です。
彼が残した遺言状が、すべての悲劇の引き金となります。
佐兵衛には正妻がおらず、三人の娘たちがいました。
長女の松子(まつこ)、次女の竹子(たけこ)、三女の梅子(うめこ)です。
この三姉妹は、佐兵衛から愛情を受けずに育ち、自分たちの子供に犬神家の財産を継がせることに執念を燃やします。
松子の息子が佐清(すけきよ)、竹子の息子が佐武(すけたけ)、梅子の息子が佐智(すけとも)です。
そして、佐兵衛が唯一愛した恩人の孫娘、野々宮珠世(ののみや たまよ)
彼女こそが、佐兵衛の遺言によって全財産を受け取るはずの、物語のキーパーソンです。
珠世には、幼い頃から世話係として常に寄り添う猿蔵(さるぞう)という男がいます。
もう一人、佐兵衛が晩年に愛した工女、青沼菊乃(あおぬま きくの)、そして彼女と佐兵衛の間に生まれた息子、青沼静馬(あおぬま しずま)も重要な人物です。
彼らは、犬神家の三姉妹から凄惨な仕打ちを受け、静馬は顔に深い火傷を負うことになります。
もちろん、事件の真相を解き明かす名探偵、金田一耕助(きんだいち こうすけ)も忘れてはいけません。
そして、金田一を那須に呼んだ弁護士、若林豊一郎(わかばやし とよいちろう)が最初の犠牲者となってしまいます。
さらに、佐兵衛の過去の秘密を知る那須神社の大山神官(おおやま しんかん)や、松子の琴の師匠である宮川香琴(みやかわ こうきん)も物語の重要な要素を担っています。

それぞれの人物の愛憎が複雑に絡み合い、事件は思わぬ方向へと転がっていくのです。
誰が誰を愛し、誰が誰を憎むのか、彼らの心の動きに注目すると、より深く物語を楽しめますよ。

犬神家の一族の評価

「犬神家の一族」は、横溝正史の代表作であり、日本のミステリー小説の金字塔と呼べる作品です。
その圧倒的な知名度は、作中に登場する白い仮面の「スケキヨ」や、湖から逆さまに突き出た足の死体など、一度見たら忘れられない強烈なビジュアルイメージによるところも大きいでしょう。
これらのシーンは、数々のパロディやオマージュを生み出し、日本の文化に深く根付いていますよね。

これまで何度も映像化されてきましたが、やはり1976年の市川崑監督、石坂浩二主演の映画版が絶大な人気を誇り、その後の作品に大きな影響を与えてきました。
石坂浩二さんの金田一耕助は、飄々としていながらも怜悧な探偵像が多くのファンに愛されています。
市川監督の演出は、おどろおどろしい雰囲気の中にユーモアを織り交ぜ、人間の持つ醜い部分と背中合わせの妖しい美しさを極限まで引き出していました。
この作品は、単なる推理小説にとどまらず、人間の欲望、愛、憎悪が織りなす壮絶なドラマとして、今もなお多くの人々を魅了し続けています。

そして、今回の吉岡秀隆さん主演のNHK版は、その伝統的な解釈に一石を投じるような、非常に挑戦的な作品でした。
脚本家の小林靖子さんが手がけたこの「新解釈」は、まさかの結末で視聴者を混沌の渦に叩き落とすような衝撃を与えました。
長年愛されてきた名作に、ここまで大胆な再構築を施す勇気には、本当に脱帽です。
確かに「原作と違う!」と戸惑う声もあるかもしれませんが、私としては、現代の価値観で改めて「犬神家の一族」という作品を見つめ直し、普遍的な家族愛すらも幻想かもしれないと問いかける、非常に刺激的な試みだったと高く評価したいです。
吉岡秀隆さんの金田一耕助も、これまでのヒーロー然とした探偵像とは異なり、事件を解決しても晴れやかな顔をせず、殺人という悲劇を止められなかった無力さを嘆く人間味あふれる姿が印象的でした。
それはまるで、探偵は全てを解決する神ではなく、ただ物語の語り部に過ぎないのだと言っているかのようでしたね。

まとめ

「犬神家の一族」は、複雑なトリックと謎解きの面白さだけでなく、登場人物たちの感情の機微、愛憎のドラマが深く描かれているからこそ、時代を超えて読み継がれ、映像化され続けているのだと思います。
ぜひ、あなたもこの名作の世界にどっぷり浸って、その奥深さを味わってみてください。

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