いやあ、皆さん、ドラマ『19番目のカルテ』で、仲里依紗さん演じる黒岩百々さんのエピソード、本当に心に残っていますよね。
「謎の激痛」に苦しむ百々さんの姿は、僕の胸を締め付けるようでした。
19番目のカルテ(ドラマ)ネタバレwiki「痛み」の名前・原因は？黒岩百々(仲里依紗)
彼女は長年、全身の痛みに悩まされ続けていたんです。
でも、いくつもの病院を回って精密検査を受けても、「異常なし」と診断され、病名すらつかない状態が続いていたんですね。
そのせいで、会社の上司からは痛みを理解してもらえず、同僚からは転職活動を疑われるなんて、本当に辛かったでしょう。
「二時間待って診察十分」「病院に行くために会社を休むのだって気まずいのに」という百々さんの言葉、多くの人が深く共感したのではないでしょうか。
検査で異常がないと、どうしても「気のせい」だとか「ストレス」だとか言われがちで、患者さんの苦しみが軽んじられてしまう現実が、ひしひしと伝わってきました。
僕自身も、人に自分のことを信じてもらえない時が一番絶望する、って強く感じるから、百々さんの気持ちが痛いほど分かりました。
そんな彼女の前に現れたのが、松本潤さん演じる総合診療医の徳重晃先生でした。
百々さんが職場で倒れて魚虎総合病院に運ばれてきた時、他の医師たちが流そうとする中で、徳重先生は違いました。
彼は百々さんの話に、ただひたすら耳を傾けるんです。
「何度も聞かれたことですよね。
でも、あなたの言葉で聞きたいんで。
もう一度お願いします」と、まるで寄り添うように問診を始める徳重先生の姿には、本当に感動しました。
検査では異常が認められなかったにもかかわらず、徳重先生は百々さんの話とこれまでの検査結果を丹念に分析し、「線維筋痛症」だと診断したんです。
そして、「あなたの痛みは本物です」と、百々さんの苦しみを丸ごと肯定してくれたんですよ。
この瞬間、百々さんが「やっと病気って言える」と涙を流すシーンは、本当に胸に迫るものがありました。
病名がつくだけで、どれほど患者さんの心が救われるか、このドラマは深く教えてくれます。
「病名がわかることは心身共に救いだ」と、まさにその通りだと思います。
僕も、もし自分が同じ立場だったら、どれほど安心感を覚えるだろうかと想像してしまいます。
19番目のカルテ(ドラマ)「痛み」の原因・線維筋痛症とは？
では、百々さんが診断された「線維筋痛症」とは、一体どんな病気なんでしょう。
これは、広範囲にわたって三ヶ月以上続く慢性の痛みが特徴の病気なんです。
痛みの部位が移動することもあると言われています。
そして、この病気の原因は、残念ながらまだ完全に解明されていないのが現状です。
だからこそ、検査をしても異常が見つからず、多くの患者さんが適切な診断や治療を受けられないまま、苦しみ続けているんですね。
完治が難しいとされていますが、適切な治療とケアによって症状をコントロールし、日常生活を送ることは可能だと言われています。
百々さんのケースは、まさに現代の医療が抱える大きな課題を象徴しているんです。
今の日本の医療は、脳外科、眼科、整形外科といったように、臓器ごとに十八もの専門分野に細分化されているでしょう。
それぞれの専門医が深く専門を極めるのは素晴らしいことですが、その一方で、百々さんのようにどこを受診したらいいか分からない複雑な症状の患者さんが、たらい回しにされてしまうという問題も生まれてしまっているんです。
徳重先生が所属する「総合診療科」は、この細分化された医療の壁を打ち破るべく誕生した十九番目の新しい科なんです。
特定の臓器や疾患に限定せず、患者さんの訴えを一つ一つ丁寧にすくい取り、その人の暮らしや家庭環境、心の状態までも含めて「総合的に」診察を行うのが、総合診療医の役割なんですよ。
彼らは「各科へのゲートキーパー」のような存在で、必要に応じて他の専門的な医師や機関につなぐ役割を担っています。
19番目のカルテ(ドラマ)「痛み」の名前を特定した徳重先生の「問診」
徳重先生の「問診」は、ただ症状を聞くだけじゃありません。
患者さんの言葉の奥に潜む不安や、隠されていた本当の苦しみを、彼の温かい視線と穏やかな口調、そして積み重ねた経験と知識で見つけ出すんです。
検査だけでは分からない「命」を、彼は全肯定してくれる。
このドラマが描く「人間の顔をした医療」というテーマは、私たちに「良い医者とはどんな医師だろうか？」と問いかけてきます。
百々さんの「痛みに名前がついてほしい」という切実な願いを叶えた徳重先生の姿は、本当に理想的ですよね。
僕もこんな先生に診てもらえたら、どんなに心強いだろうと強く思います。
仲里依紗さんの演技も素晴らしくて、痛みに耐える苦悶の表情から、病名がついて涙する安堵の表情まで、本当に引き込まれてしまいました。
このドラマ、単なる医療ドラマを超えて、人と人との繋がりや、見過ごされがちな苦しみに光を当てる、そんな温かさと深さがあるんですよ。
