こんにちは、はるをです!
この記事ではnetflixで3月7日に配信開始された映画「レンフィールド(原題:Renfield)」についてどこよりも早く解説しています。
「レンフィールド」は2023年4月に公開されたドラキュラのしもべ、レンフィールドが現代で繰り広げる、グロテスクで笑える戦いを描いた作品です。

ニコラス・ケイジがドラキュラを怪演!パワハラ上司に耐えかねた部下の反逆を描く、ホラーコメディだよ。
レンフィールド(映画)あらすじ
さあ、映画「レンフィールド」の幕が開きます。まず目に飛び込んでくるのは、モノクロームの世界。
まるで往年のクラシックホラー映画を観ているかのようですが、そこに現れるのは、どこか見覚えのある顔…そう、ニコラス・ホルト演じる主人公レンフィールドと、あのニコラス・ケイジ扮するドラキュラ伯爵なのです。
このオープニングは、1931年の映画『魔人ドラキュラ』の映像に二人の姿を合成した、遊び心満載の演出。ユニバーサル・ピクチャーズならではの、粋な計らいですよね。
監督のクリス・マッケイはこの作品を、実は『魔人ドラキュラ』の準続編として捉えているらしいですよ。続編というより、盛大な公式パロディといった方がしっくりくるかもしれません。
物語は、20世紀初頭にトランシルヴァニアで、英国の弁護士R.M.レンフィールドがドラキュラ伯爵と出会う場面から始まります。
レンフィールドは土地取引をまとめることを期待していましたが、やがてドラキュラの有能な助手となり、不死と、虫を食べることで得られる超人的な力とスピードを与えられるのです。
それから90年後、舞台は現代のニューオーリンズへ。長年にわたりドラキュラのために犠牲者を見つけ、彼の虐待に耐えてきたレンフィールドは、心身ともに疲れ果てています。
最近では、吸血鬼ハンターとの遭遇でドラキュラが瀕死の重傷を負い、二人はニューオーリンズに身を隠しているのです。
そんな中、レンフィールドは、共依存関係にある人々のための12ステップの自助グループに参加します。
このグループセラピーで、レンフィールドは自分の置かれた状況を理解し始め、長年の虐待的な関係から抜け出すことを決意するのです。
彼は、グループのメンバーが語る虐待的な恋人たちの話を聞き、ドラキュラに与える犠牲者として、彼らを「献上」することを思いつきます。そうすることで、罪悪感を感じずに済むと考えたのでしょう。
しかし、レンフィールドのささやかな抵抗は、すぐに予期せぬ方向へと進みます。
レストランで地元のギャング、ロボ犯罪ファミリーと暴力的な衝突に巻き込まれ、そこでオークワフィナ演じる女性警察官レベッカ・クインシーを助けることになるのです。
この出会いが、レンフィールドの人生に新たな光を灯し始めるのです。
レベッカは、長年ロボ犯罪ファミリーを追い続けている、正義感の強い警察官。彼女の勇敢な姿に、レンフィールドはこれまで感じたことのない感情を抱き始めます。
序盤は、レンフィールドが長年の服従から目覚め、自分の人生を取り戻そうと葛藤する姿がコミカルかつ痛々しく描かれます。
ドラキュラの理不尽な要求に応え続ける日々に嫌気がさしながらも、長年の依存関係から抜け出せない彼の苦悩は、現代社会におけるハラスメントや共依存といった問題にも通じる普遍的なテーマを孕んでいると言えるでしょう。
レンフィールド(映画)結末は?※ネタバレ注意
レベッカとの出会いをきっかけに、レンフィールドは徐々にドラキュラとの距離を置き始めます。
彼は、以前のように罪悪感のない「食料」として虐待者をドラキュラに差し出すのではなく、自分のために生きることを決意するのです。
レベッカの協力を得て、レンフィールドはロボ犯罪ファミリーの逮捕に貢献しようと警察に証言を始めます。
しかし、ドラキュラはレンフィールドの裏切りに気づき、怒り狂います。
彼の最初の報復は、レンフィールドが心の支えとしていた自助グループのメンバーを皆殺しにするという、残酷なものでした。
犯行現場にいたレンフィールドは、レベッカに逮捕されてしまいます。
ところが、レベッカもまた、ロボ犯罪ファミリーと彼らに買収された汚職警官たちに包囲されてしまいます。
絶体絶命の危機の中、レンフィールドはレベッカを救い、自身の出自と超能力について打ち明けるのです。
二人は協力して汚職警官たちとロボの部下たちを撃退し、アパートから脱出しますが、その過程でレベッカの妹ケイトがドラキュラとロボファミリーのボスであるベラフランチェスカに人質に取られてしまいます。
妹を救うため、レベッカはレンフィールドと共にロボの本拠地へと乗り込みます。
そこで彼らを待ち受けていたのは、ドラキュラの血によって超人的な力を得た、大勢のギャングたちでした。
激しい戦いの末、レンフィールドとレベッカはギャングたちを打ち破り、テディ・ロボを倒しますが、最終的にドラキュラとの直接対決を迎えることになります。
レベッカは、あるWiccanのTumblrアカウントで見つけたという呪文を使ってドラキュラを閉じ込める魔法陣を作り、レンフィールドと共に、メイス、チェーンソー、聖水など、ありとあらゆる武器でドラキュラを徹底的に打ちのめします。
そして、バラバラになったドラキュラの残骸をコンクリートに詰め、下水道に流し込むのです。
もちろん、レンフィールド自身も認めているように、これでドラキュラが完全に死んだとは限りませんが、少なくともしばらくの間は復活できないようにしたのです。
戦いの後、レンフィールドはドラキュラの残りの血を採取し、それを使って殺された自助グループの仲間たちとレベッカの妹ケイトを蘇らせます。
最後の場面では、レンフィールドは以前の奴隷のような生活から解放され、レベッカと共に新たな人生を歩み始める姿が描かれます。
サポートグループの集まる教会には、「ドラキュラの血」と書かれたピッチャーが置かれており、彼の過去と未来を繋ぐ象徴として存在感を放っています。
レンフィールド(映画)キャスト
この映画を語る上で欠かせないのが、個性豊かなキャスト陣とその熱演です。
ヴラド・ザ・インペラー / ドラキュラ伯爵(ニコラス・ケイジ)
悪名高き吸血鬼であり、レンフィールドを長年支配してきた存在。傲慢で自己中心的、まさにハラスメントの権化のようなキャラクターです。ニコラス・ケイジは、念願だったというドラキュラ役を、これまでにないほど楽しんで演じている様子が伺えます。過去のドラキュラ俳優たちの動きや話し方を研究し、独自のドラキュラ像を創り上げています。『ゴーストライダー』以来のメジャー映画出演となった今作で、徹底的に最低な主人を熱演し、強烈な印象を残しています。日本語吹替は大塚明夫さんが担当されています。
レベッカ・クインシー(オークワフィナ)
ニューオーリンズの警察官で、正義感が強く、ロボ犯罪ファミリーを追っています。レンフィールドと出会い、彼の変化を助け、共に戦う仲間となります。オークワフィナは、『フェアウェル』や『シャン・チー/テン・リングスの伝説』などで知られる個性的な女優。今作では、タフで人間味あふれるレベッカを演じ、レンフィールドとの絶妙な掛け合いを見せてくれます。日本語吹替は森夏姫さんが担当されています。
テディ・ロボ(ベン・シュワルツ)
ロボ犯罪ファミリーのボス、ベラフランチェスカの息子で、粗暴で reckless な人物。ドラキュラと手を組み、レンフィールドとレベッカを追い詰めます。ベン・シュワルツは、コメディアンとしても活躍する俳優で、『スペース・フォース』などに出演。今作でも、そのコメディセンスを活かし、憎めない悪役を演じています。日本語吹替は佐藤せつじさんが担当されています。
エラ・ロボ(ショーレ・アグダシュルー)
ロボ犯罪ファミリーのボスで、ドラキュラと協力関係を結びます。ショーレ・アグダシュルーは、『エクスパンス -巨獣めざめる-』などで知られるベテラン女優。
マーク(ブランドン・スコット・ジョーンズ)
レンフィールドが参加する共依存症のサポートグループのリーダー。ブランドン・スコット・ジョーンズは、『グッド・プレイス』などに出演。
日本語吹替版では、翻訳を藤江さお里さん、演出を久保宗一郎さん、制作を東北新社が担当しています。
レンフィールド(映画)見た人の感想
映画「レンフィールド」は、公開後、観客や批評家から様々な意見が寄せられています。
全体としては、ニコラス・ケイジのドラキュラの怪演や、アクションとコメディの融合が高く評価されているようです。
肯定的な意見としては、
「ニコラス・ケイジが超楽しそうにパワハラドラキュラを熱演している!」
「予想以上に面白かった!」
「グロいけど最高!」
「B級感と勢いがたまらない!」
「ただのモンスター退治ものだと思ったら、意外と人間ドラマもあって見応えがあった」
「共依存やハラスメントといった現代的なテーマを、吸血鬼という設定を通してコミカルに描いているのが面白い」
「ニコラス・ホルトの演技も素晴らしい。特にちょっとした表情がクスッとさせてくれる」
「過去の『ドラキュラ』作品へのリスペクトも感じられた」。
一方で、否定的な意見や疑問の声も上がっています。
「コメディとしては少し弱い気がする。声を出して笑うことは一度もなかった」
「アクションに振り切りすぎて、テーマがぼやけている」
「ストーリー展開が多少雑な部分もある」
「ヒロインの扱いが物足りない」
「吸血鬼ものとしては物足りない。もっと吸血シーンが見たかった」
「単なるアクション映画だった」
「異世界アニメのような内容で、かなりつまらなかった」
「ヒロインのビジュアルがモブ感すごい」
「せっかくの着想が良いのに、東洋系の女警官の物語が本筋と噛み合わない」。
また、「劇場公開されなかったのは残念」という声も多く見られました。しかし、劇場未公開だったおかげで早めにレンタルや配信が始まったことを喜ぶ声もあります。
個人的な感想としては、確かにグロテスクな描写は多いものの、それをコミカルに、そしてどこかスタイリッシュに見せる演出は、新しい吸血鬼映画の形だと感じました。
ニコラス・ケイジの振り切った演技は圧巻で、彼のドラキュラはまさに唯一無二の存在。ホルト演じるレンフィールドの人間味あふれる姿にも共感でき、彼が自立していく過程を見守るのは痛快でした。
現代社会の闇を、あえてファンタジーの世界で戯画化することで、より普遍的なメッセージを伝えているように感じました。
レンフィールド(映画)見どころ
この映画の見どころは、多岐にわたります。
ニコラス・ケイジの怪演
なんと言っても、ニコラス・ケイジが演じるドラキュラ伯爵は必見です。往年の名優ベラ・ルゴシを彷彿とさせるクラシカルな出で立ちでありながら、ニコラス・ケイジならではの奇抜な動きや表情、そして何よりも楽しそうな演技は、観る者を釘付けにします。彼がこの役をいかに楽しんでいるかが伝わってくるため、見ているこちらも自然と笑顔になってしまいます。
アクションとコメディの融合
本作は、ホラーコメディというジャンルでありながら、アクションシーンも満載です。虫を食べてパワーアップしたレンフィールドが繰り広げる、血しぶき飛び散る過激なアクションは、どこかコミカルで笑える要素も含まれています。ゴア描写も、生々しい残酷さというよりは、作り物感を強調した派手な演出になっているため、意外と抵抗なく楽しめるかもしれません。
現代的なテーマとの共鳴
ドラキュラをパワハラ上司、レンフィールドをその部下として描くことで、現代社会における共依存やハラスメントといった問題に光を当てています。レンフィールドが自助グループに参加し、自分の状況を客観的に見つめ直していく過程は、多くの観客にとって共感できるのではないでしょうか。
過去のドラキュラ作品へのオマージュ
冒頭の『魔人ドラキュラ』の映像との合成をはじめ、随所に過去のドラキュラ映画へのリスペクトが感じられます。往年のファンにとってはニヤリとさせられる演出が散りばめられているかもしれません。
意外な展開とキャラクターの成長
単なるモンスター映画に終わらず、レンフィールドが自己を確立し、ヒーローへと成長していく物語は、観る者に爽快感を与えてくれます。レベッカとの友情や、サポートグループの仲間たちとの絆も、物語に温かさを添えています。
個人的には、この映画は単なるB級ホラーコメディとして片付けるには惜しい作品だと感じました。
過激な描写の裏に、現代社会が抱える問題に対する鋭い視点と、そこから抜け出すための希望が描かれているように思えます。
何よりも、ニコラス・ケイジとニコラス・ホルトという二人の才能がぶつかり合い、予測不能な化学反応を起こしているのが最大の魅力と言えるでしょう。
ぜひ、あなたもこの「レンフィールド」の世界に飛び込んで、その独特な魅力を体験してみてください。きっと、忘れられない一本になるはずです。そして、もしご覧になったら、あなたの感想もぜひ聞かせてくださいね。
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