ついに最終盤へと足を踏み入れた「ばけばけ」ですが、今日の第119話はまさに、物語が「怪談」という核心へと向かうための大きな、そして温かい転換点になりました。
帝大解雇という、一家にとっては死活問題とも言えるピンチを前にして、トキが見せたあの揺るぎない強さと愛情には、テレビの前で思わず涙がこぼれてしまった方も多いのではないでしょうか。
物語の余韻が冷めないうちに、これまでの流れと今日の感動的なシーン、そして明日への期待を込めて、じっくりと深掘りしていきたいと思います。
ばけばけ(朝ドラ)119話までの振り返り
■帝大クビの衝撃と男たちの秘密…前回第118話をプレイバック
振り返ってみれば、第118話はなんとも言えない緊迫感と、不器用な男たちの連帯感が漂う回でしたね。
帝国大学を「古い」という理由で解雇されてしまったヘブンが、その事実をトキに隠したままミルクホールに通い詰める姿は、観ていて胸が締め付けられるようでした。
そんなヘブンの異変にいち早く気づき、後をつけていったのは、かつて武士の時代が終わった時に同じような疎外感を味わった養父の司之介でした。
「この世からもういらん、古いと言われた気分で立ち尽くすしかなかった」と語る司之介が、ヘブンに対して「お主は昔のわしじゃ」と寄り添い、二人が秘密を共有するシーンは、血の繋がりを超えた「同志」の絆を感じさせました。
さらに、錦織の弟である丈までもがその秘密の輪に加わり、家族の幸せという「桃源郷」を守るために、男たちが一致団結してヘブンの再就職や講演依頼を待つという、優しくも危うい状況で幕を閉じたのが前回でした。
ばけばけ(朝ドラ)119話ネタバレあらすじ
■どん底からの再出発?第119話「ブードゥー人形」ストーリー詳報
さて、本日放送の第119話は、ヘブンの執筆が完全に行き詰まってしまう、苦しい場面から始まりました。
アメリカにいるかつての同僚イライザに、講演や講義の仕事がないかと手紙を送っていたヘブンですが、なかなか返事が来ない日々に焦りは募るばかりです。
そんな夫の姿を見かねたトキは、ヘブンが大切にしていたのになくしてしまった「ブードゥー人形」を、藁を使って手作りし始めます。
「手紙届け、届け、届け」と、人形に祈りを込めるトキの姿は、単なる迷信を超えた、夫を支えようとする純粋な愛情そのものでした。
しかし、ようやく届いたイライザからの封書は、無情にも「講演や講義の希望はない」というネガティブな内容ばかりで、ヘブンの心はついに限界を迎えてしまいます。
本棚の本を投げ捨て、蹴り上げるほど荒れるヘブンに、トキはそっと寄り添い、何があったのかを問いかけました。
「帝大、クビになりました。400円、なくなりました。ごめんなさい」と、涙ながらに失職を打ち明けたヘブンに対し、トキの反応は驚くほど前向きでした。
「なら、良かったじゃないですか。やっと時間ができますき。たくさん書いてごしなさい。あなたは『書くの人』ですき」と、トキは迷いなく笑ってみせたのです。
一家の収入が途絶えるという恐怖よりも、夫が再び心ゆくまでペンを握れることを喜ぶトキの言葉に、ヘブンは救われたように彼女を抱きしめました。
さらにトキは、これまで難しい本をたくさん書いてきたヘブンに対し、「学がない私でも読める本、楽しい本を書いてくれませんか」と提案し、物語は新たな執筆へと動き出したのです。
ばけばけ(朝ドラ)119話ネタバレ感想
■松野家の「妖怪一家」っぷりに脱帽!第119話を観終えての個人的な感想
今日の放送を観て確信したのは、トキという女性の、そして松野家という家族の圧倒的な「強さ」です。
月給400円という、当時としては破格の収入がゼロになるという事態を前にして、あんなに穏やかに「よかった」と言える強さは、どこから来るのでしょうか。
考えてみれば、ヘブンと出会う前の彼らは、二代がかりの借金取りから宍道湖を埋め尽くすほどの負債を抱えながらも、あっけらかんと楽しそうに暮らしていた「妖怪一家」のような人々でした。
金銭的な豊かさよりも、心が通い合っていることや、自分が自分らしくいられることの方をずっと大切にしてきた彼らにとって、失業は不幸ではなく「新しい何かが始まるきっかけ」に過ぎないのかもしれません。
トミー・バストウさんの、焦りと絶望から救い出されるまでの繊細な演技も素晴らしく、特に本を蹴り飛ばした後の、力抜けた「アイム・ソーリー」には胸を打たれました。
また、トキが提案した「私にもわかる本」というリクエストが、後の世に残る名作『怪談』への布線になっているという脚本の妙にも、ブロガーとして唸らされましたね。
高石あかりさんの、慈愛に満ちた表情が、暗がりの室内で行灯の光に照らされる演出も、このドラマらしい「闇があるからこそ輝く光」を象徴していて、本当に美しい神回でした。
ばけばけ(朝ドラ)119話からどうなる?
■ついに「怪談」執筆へ!次回第120話で予想される展開を大胆考察
さて、明日放送の第120話では、いよいよトキとヘブンによる二人三脚の「怪談」執筆が本格的に始動することになります。
公式のあらすじでも、「ベストセラーを書かなければとどつぼにはまっていたヘブンの視界が開ける」とあり、いよいよ私たちが知る「小泉八雲」への変貌が描かれそうです。
私が予想するのは、トキが子供の頃に母フミから聞かされた物語や、松江の古いお寺で聞いた悲しい伝承を、改めてヘブンに語り聞かせるシーンです。
ヘブンはそれまで、西洋の学問や難しい評論で成功しようとしてきましたが、最も身近な愛する妻が語る「不思議な話」の中にこそ、真の真実があることに気づくのではないでしょうか。
「学のない私にもわかる本」というリクエストは、実は「人間の根源的な感情に訴えかける物語」を書いてほしいという、最高の編集者としての助言でもあります。
これまで物語を見守ってきた阿佐ヶ谷姉妹さん演じる蛇と蛙も、この二人の新しい挑戦を、今まで以上に茶目っ気たっぷりに祝福してくれる気がしてなりません。
また、東京の景色の中に馴染めずにいたヘブンが、怪談を書くことで日本という国の深い精神性と改めて溶け合っていく、そんな美しい着地を期待しています。
まとめ
■最終盤へ加速する「ばけばけ」から目が離せない!
第119話は、地位や名誉、そして安定した収入といった「外側」のものを失うことで、夫婦が「内側」にある最も大切なものに立ち返る、非常に濃密な15分間でした。
絶望の淵にいた夫に対し、その才能を信じ切り、新しい道を指し示したトキの言葉は、まさに夫婦の理想の形と言えるでしょう。
物語は来週の最終週に向けて、いよいよ集大成へと向かっていきますが、この「怪談執筆」がどのように結実するのか、一瞬も見逃せませんね。
史実では54歳という若さでこの世を去った八雲の人生を、このドラマがどのように描き切るのか、最後まで見守り続けたいと思います。
皆さんも明日の放送、ハンカチの用意を忘れずに、一緒に二人の新しい門出を応援しましょう。
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました!
